2009年03月04日

パターナリズム

 読者の皆さんは「パターナリズム」という言葉を聞かれたことがないだろうか。これはもともとは哲学用語で、日本語訳は「父権主義」などとされている。筆者は一時期哲学に興味があり、この概念を知ってこれがまさしくTMSの山崎氏のあり方であると気がついた。

 パターナリズムは、家長主義とも呼ばれ、力があるものが弱いものを守り育てるため、ある程度の強制力を以って統制する。大きなお世話だと感じる場合もあるが、上から見れば、こうしてやることが、結果として日本の模型界に役に立つと言う強い信念があったのだろう。

 今回のTMS問題に関する投稿中、「日本には9mmゲージ」論があったが、それはまさにこのパターナリズムの典型的な表われである。当時の日本の経済力では、特に大都市圏ではHOのレイアウトを持つということは大変なことであったろうと推測する。だから、鉄道模型の楽しみとしてレイアウト上で走らせるにはNゲージしかないということになったのだろう。

 それに対してより大きなゲージを楽しんできた人たちは、大きなお世話だと思い、反発した。特に、外国に太いパイプを持つ人たちは、別の楽しみ方を知っているので、より反発した。

 TMSに対抗する立派な雑誌があれば、それが一番よい解決法であった。より学術的に正しく、技術論が戦わせられるような場所が提供されるべきであった。
 実は、昭和30年代の月刊誌「模型とラジオ」「模型と工作」には、TMSと比肩する記事が多数載っていた。しかしそれが水泡のように消えてしまったのは誠に残念だ。
 
 その時期に誠文堂新光社あたりが鉄道模型誌を発刊して、TMSと競えば、現在とはまったく違った展開になったであろうと思う。
 正しい競争こそが物事をよくする方向に導く。しかし、その正しい競争がなかったのではないかと懸念する。利権問題が常に絡まっている。雑誌社はメディアであるから、モノを売ることにタッチすべきではなかった。しかもその価格が妙に高い。
 外国から直接取り寄せれば、送料込みでもまだ安い。この時代になってもそれが続いているのは、時代錯誤であると思う。 

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コメント一覧

1. Posted by 研究者のタマゴ   2009年03月05日 18:57
dda40xさんのおっしゃることは、まさしくその通りだと思います。
正しい記事を掲載するには編集者が全ての知識を網羅できていなければならないのでしょうが、現実は厳しいでしょうね。
学術論文のようにその分野に精通している方に査読してもらうのが良いように思います。
趣味の世界のことなので、そこまでしなくてもと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり活字となり提供される情報は正しくなければならず、どの分野でも同じであると思います。
2. Posted by gallopinggoose   2009年03月05日 19:09
こんばんは。
パターナリズムは恥ずかしながら、知りませんでした。でも、その考え方があるというのは、とても良く理解できます。自分自身の中にも確かに存在していて、うっかりすると顔を出してきますので・・・。
「模型と工作」というと、個人的には、合葉さんの記事がとても印象に残っております。
決して難しい文章は書かずに、子供にもわかりやすく書いてくれていました。
おそらくこれが、故山崎氏との違いでしょう。
難しい言葉で、理論をひねくり返し、コネ繰り返しして、ありがたみを出している・・・。もし、周りにアレだけのスタッフがいなかったら、一人で空回りしていて、TMSの権威は発生しなかったと思われます。
いずれにしろ、今日のわが国の鉄道模型誌・・・立ち読みすらする気になれません。
3. Posted by 読者   2009年03月10日 17:24
5 模型とラジオと模型と工作誌はどちらも中学生辺りの年齢層を対象とした紙面構成で大人の嗜みとしての鉄道模型を自負する愛好家には購読の対象外だったのではないでしょうか?内容的にはTMSに遜色ないものだったと思いますが、青少年向けの雑誌だった事がTMSに対抗する立場としては不足していた気がします。しかし、当時の読者の方々がその後、各分野で活躍されている事は喜ばしく思います。

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