2009年02月24日

続々 雑誌の存在価値

 雑誌は正しく情報を伝えねばならない。
 編集者の思い込みで制限を加えることがあったと聞く。旋盤を使った工作記事を発表しようとしたら、「普通の人は旋盤を持っていないので、このような記事はご遠慮願いたい。」と言われたそうだ。
 旋盤なしで、蒸気機関車をどうやって作るのか教えてもらいたいものだ。小型旋盤を持てばこのようなことが出来る、という記事こそが必要なことであった。

 昔よく見た言い回しに、「今はまだ語るべきときではない。」というのがあった。子供心にも、見下された感じを受けた。どうしてそのような情報操作が必要であったのかは、いまだに理解できない。

 要するに、雑誌社の勝手な判断で趣味の上限を決めてしまうのである。趣味は無限の可能性を持つ。誰もが同じ程度の楽しみ方をすれば良いと考えたのは大きな間違いであった。
 学習指導要領で上限を決められたこの国で、ノーベル賞を期待する方が間違いかも知れない。趣味の世界も同様で、飛びぬけて優秀な人の作品を皆が見ることにより、全体のレベルが向上するものである。MRに紹介されている記事は、一般人にはとても無理と言うものも多々ある。しかし、時が経てばそれが普通になっていく。それを見せないと言うのはどう考えてもおかしい。

 平岡氏の連載の紹介記事も、過去の工作法ばかりでなく、これから一般化されるであろう工作法をも扱うべきではないだろうか。
 最近、このブログでも扱った3Dプリンタによる工作法、CNC多軸フライス、ワイヤ・カットなどを使った工作を、平岡氏の頭脳で展開してもらいたいものだ。

 工作機械を自由に使うことを考えると、最終的には設計能力が問題になる本物の構造をよく知り尽くした上で、模型化すればすばらしい作品になるだろう。祖父江氏の作品がすばらしいのは、彼がまさにこの点でぬきんでた力を持つからである。  

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コメント一覧

1. Posted by gallopinggoose   2009年02月24日 20:12
こんばんは。
「今はまだ語るべきときではない。」・・・確かに、非常に理不尽な扱いを受けたという感じがしました。
こんなこと、とても出来ない・・・という記事が確かにMRには時々載りますが、いつかは、できるようになりたい・・・そういう気持ちにさせられることも事実です。いつかそれ以上のことをやってやろう・・・そういう気持ちにならないのが日本の鉄道模型誌ですね・・・。
確かに仰ること、非常に説得力があると思います。
未だに銀ロウ付けにチャレンジしていない私が言うべきではないのかもしれませんが・・・。
2. Posted by 匿名希望   2009年02月25日 14:38
老舗の模型誌は、かつての主筆が一般性にこだわられたためか、先進的な工作記事をあまり掲載しない方針だったようですが、その一方でそういう記事にページを割くと売上部数が減るという営業上の理由もあったという風の噂を聞いたことがあります。
ddx40さんのような新しい知識を欲しておられる読者ばかりではなく、難しいことが書いてあると今月号は買わずにおこうという読者も多かったようです。読者が雑誌を育てるという反面、模型誌に限らず商業誌はある程度は読者に迎合せざるを得ないようです。そして投稿されてくる記事が、必ずしも掲載すると部数が伸びる記事ではないので、部数を伸ばそうと思えば、自社スタッフで執筆せざるを得ないという編集者の愚痴も聞いたことがあります。
また雑誌の編集者の方も手をこまねいているばかりではなく、合同運転会などのイベントでは積極的に記事集めの営業活動をされている印象をうけます。会場で模型の写真を撮られると必ず名刺を渡されて記事よろしくといわれて、後でその写真の掲載誌を送って来られます。なお住所氏名まで聞きながら、後で掲載誌送ってこない失礼な模型誌もあります。
現在の雑誌が化石化している、レベルが低いというなら、その模型誌を購入している読者の多くも同じレベルなのでしょう。
3. Posted by 読者   2009年02月27日 03:23
5 70年代のMR誌には現在のDCCの祖先のような多重列車制御の原型のような記事の寄稿がありました。模型車両にテレビカメラを搭載する記事もあったと思います。また、長真弓氏の『鉄道模型のエレクトロニクス工作』ではDCCの元祖ともいえるホーンビィZERO1が紹介されていました。一方、同時期の日本の鉄道模型誌には自動運転の記事は一部にあっても多重列車制御のような記事は殆ど無かった気がします。個人で研究されていた方はいたかもしれませんが、雑誌が海外の事例も含めて積極的に取り上げなかった編集姿勢に彼我の差を感じずにはいられません。
4. Posted by 匿名希望 II   2009年03月01日 01:03
> 老舗の模型誌は、かつての主筆が一般性にこだわられたためか、先進的な工作記事をあまり掲載しない方針だったようですが、その一方でそういう記事にページを割くと売上部数が減るという営業上の理由もあったという風の噂を聞いたことがあります。

それは要するに金のために良心を売り渡してきたということでしょうね。もともとあったかどうかは話が別ですが。

5. Posted by 研究者のタマゴ   2009年03月02日 12:31
こんにちは。
いつも興味深く拝見しています。
新しい情報をいち早く提供してこそ雑誌」と思うのは私だけでしょうか。
既に分かっているような内容ばかりを載せるのであれば、雑誌じゃなく書籍にしてくれと思ってしまいます。

>普通の人は旋盤を持っていないので、このような記事はご遠慮願いたい。

その雑誌が新たな情報を提供するのをためらったことにより期待しなくなった人が多い中で、新しい知識を提供するような内容にすれば、ますます売り上げ部数は落ちるでしょうね。
読者に見切られる前にやらなければならなかったことでしょう。
原因は色々あるのでしょうけど、結局のところ以前dda40xさんが書かれていた「理屈を考えられない人が増えてきた。」ということに結びつく気がします。

新たに提供された情報を自分のものにするには、少なからず物事を考えなければなりませんから。
6. Posted by 模型愛好家   2015年04月27日 02:18
戦前の『科学と模型』誌や戦後の『模型と工作』、『模型とラジオ』誌では各種工作機械を使用したライブスチームの製作記事や工作機械そのものを作る記事が掲載されていましたが、なぜか鉄道模型専門誌では工作機械の使用を前提とした記事は近年に至るまで、殆ど見受けられなかった気がします。コンテストの入賞者の執筆した記事で軸箱の可動する台車等、フライス盤等の工作機械が無ければ作れない記事が掲載されていたにもかかわらず、核心は触れられていませんでした。また、MR誌では制御装置など、市販の製品に競合する製品の製作方法の記事もありましたが、国内の鉄道模型誌では広告主の意向を汲み取ってか市販品に競合するような電子装置の製作記事は一部を除いて殆ど無かったように思います。

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