2009年02月18日

やってはいけないこと

Bridge and Trestle Handbook 栗生弘太郎氏のブログで指摘されている通り、曲がったガーダ・ブリッジがTMS2月号に載っている。これはいかにもまずい。しばらく前のTMSの特集記事で、橋の話があった。その中で曲がった橋はいけませんと書いてあったように記憶している。編集者は何をしているのだろう。このような原稿はボツにするか、書き換えを指示しなければ、雑誌の品位が保てないはずだ。このレイアウトには曲った橋が必要だというのなら、本来はこうだと一言付け加えるべきである。

 紹介されているPaul Mallery氏の本を持っている。30年以上前に買った本で、表紙を見ると別の本だと思うくらいだ。この本は椙山満氏のところで見て気に入り、すぐ購入した。栗生氏ご紹介のは最近刊で、筆者の持っているものとは多少図の番号が違うが、中身は大半同じであろうと思う。

 毎日、通勤の電車の中で読んだので、表紙は擦れて傷んでいる。何回も読んだから中身はよく覚えている。
 友人に鉄橋屋さんがいたので、この本をネタによく議論した。ほとんどの理論はアメリカからの輸入であることが分かった。

Errors その後高速道路が普及し、インターチェンジの曲がった橋が目に付くようになった。彼は顔をしかめて、「あれは有限要素法という理論で設計できるようになったのだけど、あれを見て、レイアウトに曲がった橋を掛ける奴が出てくるだろうよ。」と予言した。まさかとは思ったが、時を経て、予言は当たり始めた。最近はあちこちで見る。この図は上記の本の"笑ってしまう間違い"のページの最初にある。

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コメント一覧

1. Posted by 01175   2009年02月19日 11:07
橋梁の模型もおかしなものが多いのですね。これは多分気づかれている方が多いと思うのですが、日本の「レイアウト」では河原の石の並べ方もおかしなものが普通です。川の水の流れを考えたら、こうはならないだろうという「作品」を良く見かけます。地層の表現も無かったり出鱈目だったりが普通です。「レイアウト特集」なるものを見せられても箱庭療法の症例集のように思えてなりません。MRに掲載された写真を見ると、特に地層を良く見て表現していることに感心します。

2. Posted by 8823   2009年02月19日 20:32
件の作者の方はTMSの表紙写真として掲載されて、得意の絶頂なんですから、そっとしておいてあげましょうよ。この作者は典型的文科系でプライドが高いaward hunter?なんですから、これでいいんじゃないですか?
3. Posted by 愛読者   2009年02月20日 19:13
これは作者の能力の問題ではなく、編集部の能力の問題でしょう。
彼らは一体何をしているのでしょうか。
集まった原稿を順に印刷屋に渡しているだけのような気がしてきました。
4. Posted by northerns484   2009年02月23日 00:19
少し脱線するようなコメントで恐縮ですが、記事に引用されたPaul Mallery氏の間違いの図のタイトルの"A Comedy of Errors"という表現が妙に気になって調べてみたら、これはおそらく(たぶん間違いなく)シェイクスピアの喜劇の"The Comedy of Errors"をもじったものなのですね。
中身に加え、図にこういうタイトルをつけられるというところに、著者の知性というか、遊び心みたいなものを感じます。
こういう人が米国の趣味界を引っ張っていたということなのですね。

5. Posted by dda40x   2009年02月23日 07:59
教養溢れるコメントを戴きありがとうございます。
実は、この表題をどう訳すか悩みました。まさかシェイクスピアとは思いませんでした。きっと何かの固定された言い回しではないか、とはちらりと思いましたが、大きな辞書が手元になく調べませんでした。
Googleで最初に出てきますね。ありがとうございました。
6. Posted by gallopinggoose   2009年02月23日 20:40
こんばんは。
始めまして。
実は当該TMSを見ておりませんが、愛読者さんと同じように、TMSの編集部に問題があると私も思います。
そういえば、模型誌がつまらなくなって、本屋さんのコーナーも素通りして、立ち読みすらしなくなりました。
老眼で、立ち読みもままならない私ですが・・・。
米国の人って、教養が深いと感じることが多いです。ヨーロッパの人のほうが、教養が無い・・・これはコンプレックスの表れなのでしょうか・・・とも思ってしまいます。
7. Posted by <記載なし>   2009年03月27日 20:17
尼崎駅手前に曲がった鉄橋があった気がします。
googleマップにも航空写真が出ていますが、
あれは特殊な例なのですか?
8. Posted by dda40x   2009年03月28日 08:01
尼崎駅周辺の地理に不案内なので、しかとは分かりかねますが、東海道本線を跨いでいる福知山線の橋梁でしょうか。これは比較的近年に架け替えられましたね。
 曲がっているように見えますが、当然なことに部材は曲がっていません。このような曲がったトラス橋は、本文にもありましたように、コンピュータを用いた設計法が確立された30年ほど前から実用化されました。ねじりモーメントを計算しなければならないので、手計算では無理です。トラスの上下にも同程度に太いX字型ブレイスを入れます。部材が曲がっていれば、当然落下します。
 
本題の曲がった橋はガーダー橋であり、曲がった橋は設計不可能です。これは鋼板そのものの剛性を利用しており、力がかかったときに水平方向にたわまないよう上下に補強を入れ、さらに途中には垂直の補強を入れます。
 これが曲がっている構造であると、バックリングBucklingという現象が起きます。途中が膨らんで座屈します。垂直の補強は、これを多少なりとも抑える目的です。水平方向の力(列車の振動、弱いが風なども)が掛かっているとき、荷重が掛かって座屈するのを防ぎます。
 
繰り返しますが、ガーダー橋は、垂直荷重以外ない前提で設計されます。高速道路の曲がった橋は、ガーダー橋ではありません。箱型の構造で、ねじりに耐えるようになっています。 
9. Posted by 春岡電鉄   2009年03月28日 13:41
鉄道ガーダー橋も、遠心荷重、車両横荷重(軸重の15%)、風荷重などの水平荷重を考慮して設計しており、腹板のせん断応力度、座屈応力度の照査や補剛材、対傾構の配置には気を使います。仰るとおり、プレートガーダー主桁フランジの橋軸方向曲げ応力度算出にあたっては、垂直荷重以外は考慮しませんが。(余計なひとことで済みません。)
10. Posted by ワークスK   2009年03月31日 21:22
尼崎に行って来ました。本当に曲がっています。ものすごい迫力です。
写真を当方のブログにアップしています。ご参考まで

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