2008年12月12日

続 Weaver FA+FB

 Weaverが後発メーカでありながら大躍進したのは、ライオネルの市場に切り込んだからである。このあたりの事情は興味深い。現在の社長のJoseph Hayterは、Bobの娘婿である。

 ご存知のように、スケールではないハイレイルの(鉄道模型と言うべきか、鉄道玩具というべきか迷う瞬間がある)市場はとても大きい。1970年代は12倍という数字であったが、最近は、皆が20倍と言うからそうなのであろう。

 要するにスケールの客だけを相手にしていては、飯が食えないのである。70年代はライオネルの凋落期で、新しい車輌の種類が少なかった。中古車輌を売買する程度では満足できない客層がたくさん居たのである。

 ウィーヴァ氏はそれまで割り箸キットと呼ばれる、木製のいわゆる Craftsman Kit を発売していた。そのブランドは Quality Craft であった。それなりの評価を得ていたが、プラスティック・インジェクションで作る塗装済みの貨車をスケールとティンプレートの両方で売り出すことにしたのだ。2-Bay Covered Hopper、タンク車、ACF 4-Bayなどがヒット作である。

 それらは、乾いた砂に水を撒いたが如く市場に吸収され、増産に次ぐ増産でたちまち巨大メーカになった。また、これらがきっかけで、ティンプレート車輌の細密化がスタンダードになった。

 ティンプレートとハイレイルとはどこが違うかと聞かれることがあるが、全く同じ概念である。印刷済みブリキ板を曲げて作った車体という意味である。
 中空の背の高いレイル(Tubular Rail)を用いているところがスケールとは異なる。車輪の規格が異なるので共通化しようと思うと、台車の構造に工夫が必要である。

 Weaverはこのあたりのことを、そつなくこなした。その成功を見て、MTH、Atlasが急速に参入し、ハイレイルの市場はますます大きくなった。
 スケールの客は、そのおこぼれに与っているのである。欲しい車輌の製造数があまりにも少ないので、特定の車輌を作ろうと思うと、ハイレイルの製品の上廻りを利用して下廻りは他の車輌からの流用という例が増えている。
 筆者のFA、FBもそれに似た事例かもしれない。

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コメント一覧

1. Posted by northerns484   2008年12月14日 09:37
「スケールの客は、そのおこぼれに与っているのである」というのはなかなか刺激的な表現ですね。でもアメリカの趣味界の構造をよく表していると思いました。

その昔、アメリカの「ホビーショップ」なる場所を、はじめて覗いたときのことです。日本の鉄道模型店の風景に慣れた目にとっては、数多くのライオネル製品が大きな顔をしているのを見て、なんとも言えない違和感に襲われたものです。その後、あちらこちらのホビーショップが同じ様子なのがわかるようになり、逆にこれがアメリカでは普通なのだと認識するようになりました。

要は、趣味のあり方が日本とは大きく異なっていて、比較的敷居の低いハイレイルから、一部の人向けのスケールモデルまでが連続して存在しており、その中からその人その人に合わせた楽しみ方が選べるのが、アメリカの現状であるというのが私の認識です。

このことは、趣味界全体が大きなビジネスボリュームで回ることにつながり、だからこそスケールモデルも存在し得うる、その一方では、dda40xさんが言及されているような、「ハイレイルの細密化」といった新しいチャレンジにもつながる、のだと思っています。

こういう視点で日本の鉄道模型界を見たとき、このままでいいのかなぁ、と少々心配になってしまうのですが、私の思い過ごしであることを祈ります。
2. Posted by dda40x   2008年12月14日 18:11
> 要は、趣味のあり方が日本とは大きく異なっていて、比較的敷居の低いハイレイルから、一部の人向けのスケールモデルまでが連続して存在しており、その中からその人その人に合わせた楽しみ方が選べるのが、アメリカの現状であるというのが私の認識です。
>
> このことは、趣味界全体が大きなビジネスボリュームで回ることにつながり、だからこそスケールモデルも存在し得うる(後略)。

 全くその通りなのです。日本の鉄道模型はスケールのみで、しかもそのスケールモデルは、超細密をありがたがる風潮が強いのです。

 トイトレインとスケールモデルをつなぐものがほとんどありません。プラレールというものがあるのですが、あれをうまく金属レール上を走るようにするだけでも、スケールへと続く道を作れると思っていました。
 私はスケールをやっていますが、その前は3線式ガラレールでスタートしたのです。10年ほどそれで遊んだので、いろんな点で各方面の素養が身に付いたと思います。最初は、やや荒っぽくても、楽しく遊べる物から始めたいものです。

 ビジネスボリュームが小さいということは、価格が下がらないということです。そうすると、新参者にはますます敷居が高くなります。模型業界には、そこに気が付いている人もいるようですが、スケールモデルの方が高級で、トイトレインは下等であるという呪縛からは逃れられないようです。

 私は幸いにもアメリカ型鉄道模型を楽しんでいるので、かなり安く遊ぶことができます。これが日本型だったらと考えると恐ろしくなります。
3. Posted by YU   2008年12月18日 08:05
日本でもようやく最近になってスケールと玩具の中間的な製品が出てきましたね。
中でもNゲージの「Bトレイン」というブランドの物はそれなりに売れているようです。
個人的にはせめてHOゲージの大きさでマーケットが広がって欲しいと思うのですが、走らせることを考えると日本ではNゲージの方が適しているのでしょう。
4. Posted by northerns484   2008年12月23日 20:07
YUさん:

> 中でもNゲージの「Bトレイン」というブランドの物はそれなりに売れているようです。

Bトレや、トミーの「鉄道コレクション」など、面白い試みだと思っています。日本では、Nスケールでビジネスしている人々のほうが、新しい楽しみを提供するにはどうしたらよいか、に知恵を絞っているような気がします。

>せめてHOゲージの大きさでマーケットが広がって欲しいと思うのですが、

同感なのですが、なかなか難しいのでしょうね。

たとえば、Nを楽しんでいる人と、HOを楽しんでいる人とで、もっと接点が増えれば相互にいろいろな刺激があって新しい展開が開ける可能性もあるかと思うのですが、そういう風にはまわっていないというのが私の観察です。先日も知人が、「若い人はNばっかりやってHOには見向きもしないのが残念」と言っていたのが印象に残っています。

私が最初のコメントで「(米国ではいろいろな楽しみ方が)連続して存在している」と書いたのは、こういう意味も含めているつもりです。

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