2008年10月31日

ロストワックス鋳造の秘訣7

F9A splicedF9A Soldered 切り離してあった二つの鋳物を接続し、鋳縮みを測定した。驚くべきことに長さは0.7%弱しか縮んでいない。幅は0.9%強であった。縮み率は不等というわけでもなく、ほぼ均一に縮んでいる。

 ロストワックス鋳造では、ゴム型を採るときの縮み、ロウの縮み、鋳型の縮み、鋳縮みの正確な検証が必要だ。今回のようにプラスティックの製品を埋没するときには最後の二つだけである。鋳型は焼成されるときに多少は熱膨張するはずで、それが鋳縮みをある程度キャンセルしてくれている。熱い鋳型に湯を注ぐからだ。

 ゴム型にロウを入れると、ゴムの中だから簡単に縮む。金型の中ではロウが縮みにくいことがわかっている。しかも金型は多少熱膨張するから好都合だ。

comparison この写真は3種のFを並べたものである。一番上のAll-NationのF-3は妻の屋根が張り出しているので大きさがわかりにくい。
 黒いのはAtlasのF-9である。もちろんプラスティック製である。それと比べて鋳物が縮んでいるようには見えない。

 Wikipediaの粘度問題は英語版の間違いから来ている。要するに、機械翻訳に掛けて手直ししただけで載せているということだ。正しい知識の持ち主がそこに関与していない。

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コメント一覧

1. Posted by 半可通   2008年10月31日 21:18
 私自身、ロストワックスを個人でやろうなどという大それた思いを持っているわけではないのですが、いつも貴ブログの内容を面白く読ませていただいています。物理現象や技術というものは奥が深いですね。
 ところでウィキペディアでの鋳造カテゴリーの用語は「連続鋳造」と「ダクタイル鋳鉄」以外、コナれていないものが多いですね。しかし5年とか10年とかの内には必ず良質の書き手が現れるはずで、長い目で見た方がいいとは思いますが……。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Category:鋳造
2. Posted by モッチー   2008年10月31日 22:45
Wikipediaの話題がありましたのでコメントを書かせて頂きます。

百科辞典と名がついていながら、Wikipediaの「いい加減さ」には私も驚いています。
ネットの普及により、誰もが手軽に情報を発信できるようになり、ありとあらゆる情報が氾濫しています。
利用する者には、それらの情報の中から正しいものを判断し、選択する力が必要だと実感しています。

dda40x様のおっしゃる通り、印刷物として世の中に情報を提供できる人は限られています。
そういった機会はないが、知識がある方にWikipediaを書いて頂きたいと思います。
そうなれば、百科辞典の役割を果たせるかもしれませんね。
3. Posted by 元金属屋   2008年11月01日 13:59
半可通様のご推薦のダクタイル鋳鉄を読みました。よく書けているけど、ダクタイルが「強靱」というのはおかしいですね。 これはダクト(管)になるという意味で、引き延ばせる鋳鉄という言葉です。
他のところは読む気にもなりません。連続鋳造の「タンディッシュ」もちゃんとした意味のある言葉なので、何か解説を書けばよいと思うのは私だけかな。
wikipediaも昔はよく見たし、投稿したけど、もうたくさんという感じです。dda40x様がお嘆きになる気持ちもよくわかります。

ぼやきはこれぐらいにして、ロストワックス鋳造の件はよく読ませていただきました。素晴らしい内容です。RMMは、記事を書く前に、dda40x様に指導を受けるべきですね。
4. Posted by dda40x   2008年11月02日 10:12
御三人様からコメントを戴き、感謝します。

 私もWikipedia発足の頃はたくさんの項目を書きましたが、この2年くらいは参加していません。
 以前書いたものを、今見直してみると、多少生き残っているものもあるのですが、かなり誤った方向に行ったものがあります。

 英語のことわざに、"Knowledge is from books, wisdom is from age"というのがあります。Wikipedia に参加している人たちの平均年齢は、かなり低いと思います。
その点では10年後を期待すべきかもしれません。 

 半可通様のご推薦の連続鋳造を読んでびっくりしました。これは、日本実業出版社の「鉄と鉄鋼がわかる本」の丸写しに近い物です。著作権法に触れる可能性もあります。参考文献に挙げてあってもほとんど同じです。この本は初版が出たときに買って数箇所の誤りを指摘したら、早速直して最新版を送ってくれたので記憶に深く残っていました。

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