2008年05月01日

続 レイアウトは進化する

 時々、筆者のレイアウトを見にいらっしゃる方がある。「レイアウトを作りたいので参考にしたい」というわけである。彼らが一様に驚くのは基盤の高さである。48インチ(122cm)を見て「高すぎる」とおっしゃる。「遠くまで見えない」とおっしゃる方もある。

 ほとんどの方は、長方形のレイアウトを作り、その片隅から全体を俯瞰して操作するおつもりのようだ。それは四、五十年前のコンセプトである。それから抜け出すのは、非常に難しいことらしいと感じる。

 それはDCCを採用していないからだと思われる。DCCを使えば、スウィッチ・ボードはほとんど不要となる。ワイヤレスのコマンダを使えば、どこに居ても列車に指令を出せる。ポイントの切り替えも、個別の指示を出す必要はない。運転して見るとよく分かるが、ポイントの切り替えは、ほとんどいくつかのモードでしか行われないから、そのモード番号を入れるだけである。
 1番線通過モード、2番線での退避モード、機関区からの出発モード、操車場への出入りモードとかの数パターンしかない。

 細かい操作は、スウィッチ・マシンの番号を入れて行うが、それもモード別に整理できるものが多い。セクショナル・スウィッチ・ボードを作ってもよい。

 ウォーク・アラウンドのコンセプトも、お分かり戴くのが非常に難しいようだ。Andy Sperandeo氏とは、押して動くギヤの件でお世話になり、その後ご無沙汰していたが、第一回のJAM会場で再会した。そのときいろいろな話をしたが、「日本にもウォークアラウンドを根付かせたい」という熱意が溢れていた。彼の講演で出てきたのが、先回の「低空飛行のヘリコプタからの展望」の効果である。すばらしいお話であったが、果たしてどのくらいの方が、理解されたのかは分からない。

 少なくとも、日本の雑誌ではウォーク・アラウンドを採用しているという記事には、ほとんどぶつからない。 

コメント一覧

1. Posted by KMC   2008年05月01日 20:29
木曽モジュールクラブや軽便モジュールクラブでは、DCC&ウオークアラウンドはあたりまえです。あまり日本のファンを見くびらないように忠告します。
2. Posted by そうでしょうか   2008年05月02日 08:24
 このブログの記事はきわめて正確だと思います。非常に広い視野をお持ちの方が書いていらっしゃると思います。

 たまたま自分たちがそれを採用しているからといって、この記事を否定することは出来ませんね。
 「ほとんどぶつからない」と書いてあるではないですか。
 しかもモジュールと固定レイアウトの違いを忘れてはいけませんね。ところで貴クラブの線路の高さはいかほどでしょうか。記事を拝見しましたが、数字が出てこないのですが・・・。
3. Posted by 01175   2008年05月02日 16:02
ウォークアラウンドを意識した製品は昔の日本でもありまして、1964年頃の「模型と工作」誌に半年ほど広告が出ていたと記憶します。ラジコンでパワーパックを制御するというもので、かなり高価でした。

1980年代の初め頃にはMRCやトローラー社のケーブル式手持ちコントローラーが輸入されていましたが普及しなかったようです。

現在でもRCコントロールのパワーパックはアリイから発売されていますが、あまり話題にもならないところを見ると、日本人はウォークアラウンドに対する関心が希薄なのではないかと思います。
4. Posted by 文系   2008年05月03日 18:48
 いつも思うのですが、理系の方は、言葉の使い方の脇が甘いと思います。
 「進化する」と書かれていますが、これは「多様化する」が穏当です。ウォークアラウンドと無線DCCは、素晴らしい新技術に裏打ちされた新コンセプトですが、これを使っていないと「遅れている」わけではないというのが、「趣味」の世界です。端的に言えば、レゴで鉄道模型を楽しんでいる方々もいるわけです。
 様々な楽しみ方を許容できるような表現が大切と思います。
5. Posted by 01175   2008年05月04日 08:55
なるほどですね〜。ボクは理系(?)の人間で生物進化をやっていることになっています。生物の進化って必ずしも進歩ではないものですから「レイアウトの進化」って寧ろ非理科的な表現ではないかと感じていました。とはいえ、文系さんの仰ることは、そのとおりだと思います。

TRIXがDCCをはじめたのが1980年代の初めころですが、この会社は1970年代にはemsという2列車同時運転システムを出していました。同時期にモーターへの負担という点ではそれより優れた製品が日本でも出ていたのですが全く売れなかったそうです。日本のマニアは常に運転士になりたがるから売れなかったというのが販売元の弁ですが、確かに運転席を模した立派な装置はみかけることが多いように思います。
6. Posted by 01175   2008年05月04日 08:59
TRIXといえば1960〜1970年代に多条ウォームを用いた製品を出していました。dda40xさんのもののように洗練されたものではありませんが、ファウルハーバーのコアレスに載せ換えて押して動くようにしたTRIXの01が1970年代のem誌に出ています。聞くところによると同じ時期のHORNBYの製品にも多条ウォームを使用したものがあるそうです。
7. Posted by 理系   2008年05月04日 16:06
高さに関しては日本でもある程度高層化すると私は予想します。NHKで放送中の鉄道模型番組で出演者が寝そべってお座敷レイアウトを眺めて「目線を合わせて眺める楽しさ」を強調するシーンがありました。ようは目線の高さを変化させるか、レイアウトの高さを変化させるかの違いがあるだけです。

面積に関しては一般的な日本の住環境にハンデがあるのは事実ですが、今後の流れは人口の都市密集化により郊外の土地価格が下落することがほぼ規定路線でしょうから、レイアウトのための土地や家屋を持つ人も出てきやすくなるでしょう。
DCCに関しても大型のレイアウトが増えれば普及が更に進むと思います。

エントリの論旨とは関係の無い部分ですが「進化する」という言葉には特別な指示が無い限り「多様化しない」という意味は含まれないので、私は特にその点でデリケートに反応する必要は感じませんでした。
8. Posted by 研究者   2008年05月08日 00:00
 「進化する」と書かれたので、「文系」氏はウォークアラウンドとDCCを使っていない進化前のレイアウトは遅れていると感じ取られたのでしょうか。
このブログは 非常に広い観点から、色々な方に分かりやすいように書かれていると私は思います。

「進化」は一般的に進歩、発展の意味で取られるでしょう。しかし、「進化している」とあるからと言って、必ずしも進化したものが進化する前のものより「進んでいる」もしくは「優れている」とは限らないのではないでしょうか。 Windows Vistaが良い例です。XPより色々な機能を搭載した進化版のはずなのに、XPの方が好まれる傾向です。パソコンのスペックの問題もあるので何とも言えないですけど。
 
9. Posted by 研究者   2008年05月08日 00:02
その判断をするのはその人次第だと思います。 ご紹介の人々はウォークアラウンドとDCCを用いてより使いやすい楽しめるレイアウトを作られたのでしょう。(敢えて進化という言葉は使いません。)しかし、その技術を用いていないレイアウトが遅れているとは一言もおっしゃっていません。
  
 私個人としては、このブログ鉄道模型を趣味とする様々な方が楽しめるブログであると思います。
10. Posted by    2009年12月08日 10:45
ウォークアラウンドの件、興味深く読ませて頂きました。
定義というのがあるのかはわかりませんが、私は以下のように理解しました。
(1)視線を目の前を走行している車両に絞ること
 =>その列車を自分がシェアする
(2)そのため、地面(モジュールやレイアウトの路盤)を
 120cm程度の高さに上げ、視野をある程度制限する。
 =>他の風景は「めぐっていくと遭遇」する
(3)DCCはある程度必須である。
 =>目の前の車両をシェアするため
このような配慮により、列車を自分が空中にいるヘリコプターから操縦しているような感覚を楽しむとともに、全体の面積も有効活用できる(必ずしも広さが制約にならない)のだと思います。

自分も試みてみたい考え方だと思いました。

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