2008年02月25日

Lorell Joiner氏のこと その3

 この悲報は、全米の模型人に瞬く間に伝わった。しかし、自殺という言葉はウェブ上では全く出てこない。あまりにも悲しい出来事だったからだ。
 有り余る能力、資力、それと鉄道模型に対する凄まじい執念とが、あのレイアウトを作り出したのだ。この三つがそろっている人はまれである。二つがそろっている人は、たまにいるが。

 筆者はそれまでにアメリカの主要なレイアウトはある程度見ていたので、その差にはいささか驚いた。すべてにわたって細密で、理屈が通り、物語のあるレイアウトであった。

 車輌はすべて、専門の職人に徹底的に改良させ、低速でもつまづかない優秀なメカニズムになっていた。オペレーションの方法もすばらしかった。信号装置も当時としては世界最先端であった。

 筆者の押して動くメカニズムは、「すばらしいが、より低速で動くようにせよ。」と注文が付いた。すでに低速で動くのだが、12Vで時速40マイル程度でよいと言うのだ。ギヤを一段噛ませるだけのことだが、こだわりのある人だと感じた。すでに持っている数百輌の車輌と使い勝手が異なるとまずいと思ったのだろうと推測する。

 先回の写真のメカニズムをご覧になるとよく分かるが、フライ・ホイールと遊星ギヤを使用し、軸にはヘリカル・ギヤというのが標準である。

Chicago Union Station レイアウトは解体されたそうだが、いくつかのストラクチュアは取り外されて、移転された。この駅もそのひとつである。これはシカゴのユニオン・ステーションを元に作られている。

 この駅は現在はカリフォルニアのLou Crossのレイアウトにある。彼の解説によると、この駅には大きなボイラー室があり、作られた蒸気は列車に供給されると言う。
停車中の列車の暖房は必要なサーヴィスであったそうだ。

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