2008年02月01日

非可動軸とレイルの汚れ

 軸が非可動の場合は、レイルと車輪が断続的に接触する。有鉄心モータは大きなリアクトルだから、電流が遮断された瞬間に高電圧を発生する。そして微小な隙間で放電し、金属を昇華させる。
 生じた金属蒸気は酸素と化合し、レイルの表面に酸化物を堆積させるという理屈なのである。

 これを防ぐには全軸集電にして各車輪には集電ブラシをつけることである。しかし、軸にバネが付いていない車輌は古いものが多く、このような集電上の工夫がないものがほとんどである。しかもそのような車輌は、大電流を喰うモータをつけているから始末が悪い。

 軸にバネが付いている(sprung) ならば接触がよく、集電が確実であるからこのようなことは起こらない。普段走らせることが少ない模型人は、外見ばかりに興味が行き、集電のことに考えが廻らないのである。

 川島氏はレイアウトの保守をしていてこのことに気づかれたそうである。鋭い分析であり、感服した。

 筆者のところの動力車はすべてコアレス・モータでDCCになっている。電流値が極端に少ないのと、DCCの交流のおかげか、レイルの汚れはかなり少ない。もちろん、プラスティック車輪を完全に排除したのも大きなファクタである。

 直流運転では、相対的にレイルの表面が汚れやすいことは事実である。空気中に漂っている微細な粒子は正または負の電荷を帯びている。その結果、埃の粒子同士は同じ電荷同士が反発して結びつかない。すなわち、いつまでも空中をさまよっている。レイルに直流が印加されると、空気中の埃は徐々に集められる。量は微少であるが、その効果はゼロではないから、堆積する。

 DCCは矩形波交流を印加しているので、その効果は完全にキャンセルされる。この話をすると鼻で笑う人も居るが、物理を理解しようとしない人である。

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コメント一覧

1. Posted by Harashima   2008年02月03日 10:03
あるイベントで二つのレイアウトを並べて運転の世話をする機会がありました。
直流運転のレールはみるみるうちに汚れていくのですが、私のDCC二軸機関車は一度も掃除をせずに丸一日走りきりました。
モーター、重量、レール幅などが違うので一概に比較はできませんが、大いなる違いに改めて驚きました。
これはなぜかとずっと理屈がわからなかったのですが、埃を呼び寄せるというのはなるほど一理ありますね。
2. Posted by dda40x   2008年02月04日 10:10
Harashima様
コメントありがとうございます。

この件については、いろいろなファクタがあると思います。
湿気があり、塩分、二酸化硫黄などがあると、微少量の食塩水、硫酸ができ、直流電圧が掛かっているとプラス側が溶け出すでしょう。交流ではそれもキャンセルされます。

埃の中には二酸化硫黄、酸化窒素を吸着しているものもあります。微少量でも、直流電圧が掛かっていれば化学変化が起きて当然です。

いずれにせよ、湿気が非常に大きな問題です。

3. Posted by dda40x   2008年02月05日 20:56
電界強度は電位差を距離で割ったものですから、ゲージが狭いほど電界が強くなるわけです。
と言うことは、OゲージよりHOが、さらにNゲージはもっとレールが汚れやすいことになります。

電源の波形の問題もあります。電源が平滑直流ですと汚れは少ないですね。脈流があると、正弦波の場合、実行値のルート2倍の電圧が掛かる瞬間があるので、埃は集まりやすいでしょう。特にタバコの煙の影響は大きいですね。

古いパワーパックを分解すると、整流器から出た片側の電線がより汚れていることに気がつきます。これは無視できません。

4. Posted by Harashima   2008年02月22日 22:07
酸化は電子のやり取りなのだから交流がそれを打ち消すはず、と、ここにコメントを書いた後に気が付きました。
DCCは最初からそれを考慮していたのだから大したものですね。
信号を取るだけならDCパルスで良いはずですから。
この件については非常にすっきりしました。
また、oxideで検索していたら、面白いクリーニングカーを見つけました。
高電圧で酸化膜を飛ばすもののようです。
http://tonystrains.com/technews/electrak-test.htm
5. Posted by dda40x   2008年02月27日 07:08
Harashima様 コメントありがとうございます。

DCCの規格の段階では確かにDCパルスも考えられていたようです。交流にした理由はいくつかあるようです。その中のひとつに埃が付きにくいというのもあるかもしれません。(以前何かの本で読んだような気がします。)

周波数も、この電圧ならば、これしかないという数字ですね。
時々周波数をもっと上げるべきだという意見も見ますが、物理的考察をするとそれは出来ない相談です。

レールが平行線なので、いろいろな点で輻射に対しては有利です。また、矩形波ですから整流すると直流になるのもいい点ですね。

余談ですが、三相交流の高圧送電では、3本の線が正三角形になるようにするのが正しいのです。アメリカではその方式が比較的多いのです。日本は少ないですね。

ところで、この「高電圧導通機」は不思議なものですね。DCCのコマンダ、デコーダに影響を与えないというのも、本当ならすごいですね。

HO以下の軸重の小さいものには有効かも知れません。でも導通すれども、レイル面は荒れるのではないでしょうか。きっと走行音が大きくなると思います。

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