2007年11月19日

続々 King of all Scales

 重い列車がレイルとどのような摩擦を生じるかには興味があった。転がり摩擦はレイルと車輪の硬さに大いに関係がある。プラスティック車輪は明らかに抵抗が大きい。同じ軸受でプラ車輪を金属製に取替えると抵抗が半分程度になる。これは軽い貨車では分からない。あくまでも重いときの話である。

 先日の関西合運でお会いした方が、人の乗れる車輌を作ってそれを模型の機関車で牽かせた、と写真を見せてくださった。レイルが雨戸用の塩ビ・コーティングのものであった。「これでは牽かないでしょう。」と言うとずいぶん驚かれた。

 その方も、軟らかいレイルを敷いてから「しまった!」と気が付かれたそうだ。しかし、その写真をたくさんの方に見せても、どなたも指摘がなかったそうである。「さすがですね。よく気が付かれましたね。」と言われたが、過去30年、摩擦を減らすことしか考えていないので、それは当然かも知れない。

 車輪とレイルは硬くなければならない。さらに言えば、道床も堅く、その下の台枠も堅くなければならない。スポンジ道床ではたくさん牽けない。台枠のたわみがあると明らかに牽引力が減る。仕事量が増えるのだから当たり前ではある。筆者のレイアウトの台枠は厚さが57ミリもある。過剰品質だといわれたこともあるが、そうではない。理由があるのだ。道床はゴムと固いコルクを使っている。

 重く長い列車を牽き出す瞬間の機関車の挙動は、実感的である。これは大きさが物を言う世界である。動き出したら止まりにくいのも面白い。脱線すると周りのものを壊しながら止まるのも、腹が立つと同時に面白い。ポイントのフログが徐々に壊れていくのも実感的である。連結器がちぎれることもたまにある。

 少々病的な世界であるが、明らかに大きさから出てくる楽しさである。見学者はどなたも大いに感動される。

コメント一覧

1. Posted by harashima   2007年11月21日 00:40
脱線すると実物並みに壊れてしまう、ということは実物並みに安全対策をとるのでしょうか。
下手をすると怪我をしそうですね。
2. Posted by dda40x   2007年11月21日 21:53
 ポイントの上で脱線するとトングレールが曲がりますし、連結器がちぎれることもあります。信号機をなぎ倒したり、隣の線の車両に凹みをつけたりします。

 正面衝突は避けるような運転方法をとっています。また、怪我をすることはないだろうと思います。機関車を足の上に落とせば、骨折ぐらいはありうるかも知れませんが。

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