2007年11月17日

続 King of all Scales

 小さい模型であっても摩擦を減らせばよいと考えて、HOの貨車にボールベアリングを入れられた方があったが、「さほど惰力が効かないのはどうしてだろう」と聞きにいらした。

 答えは簡単で、ボールベアリングの中の潤滑油の抵抗があって、小さな模型では全体の摩擦損失がそれ程変化しないからだ。それでは潤滑油を洗い落とせばよいと考えるかもしれないが、やってみるとベアリングがきしみ音を立てる。潤滑油は必要である。

 落胆なさっていたので、「うんと重くすればよいのですよ。」とアドヴァイスした。すると、「素晴らしい転がりだ!」と連絡があった。

 要するに、全体が重くなると摩擦軸受けでは抵抗が大きくなるが、ボールベアリングではほとんど抵抗が増えない。一方、潤滑油の攪拌抵抗はほとんど差がないから、重い貨車は、相対的に極端に抵抗が減ることになる。重いから慣性は増える。すなわち、よく転がる。

 Oゲージの大きさになると、摩擦を減らすことは切実な問題になる。電車しか走らせないと気が付きにくいが、長い列車を機関車に牽かせると、軸受けの性能向上は極めて大切であることを実感する。

 軸重が100gを越えるとボールベアリングの効果が出てくる。重いテンダは、当然ボールベアリングを取付けるべきである。そうしないと貨車がたくさん牽けない。

 軸重100g以下の貨車はピヴォット軸受けである。二硫化モリブデンのグリスを少量つけてある。筆者のレイアウト上では標準的4軸貨車の質量は300gから400gの範囲に入るようにしている。80両で約30kgであるから、かなり大きな慣性を持つ。トンネル内で先頭に近い貨車が脱線した時は3両が押しつぶされた。木製の貨車2輌は完全にばらばらになった。ブラスの貨車は長さが多少縮んだ。

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コメント一覧

1. Posted by ワークスK/栗生弘太郎   2007年11月17日 21:08
我々はどこへ向かうか

確かに、我々がこの趣味をやっていく上で、日本型、欧州型、アメリカ型といったジャンルに加え、ZとかN、HO、O、G、#1、あるいはナローといったスケールやゲージを選択することは、大きな問題です。個人の志向はもちろんのこと、資力、体力、気力、覚悟(?)、さらに入手の難易や同好者の有無にも拠ります。

一方、インターネットや物流といった社会基盤が整って、情報の入手と発信はもとより、品物の入手や処分も全く簡単となっています。古い情報や製品でもある程度は手に入ります。極言すれば、我々は時空を越えて飛び回れるようになった、と言えます。

そう考えていくと、今は“よい時代”です。自分の趣味指向に合致したプロトタイプ、ゲージ、スケールを自由自在に選べるようになったのです。
私でも、BN関係はHO、それ以外のアメリカ型はO、因縁のあった(?)ものはNといった具合で、一人の人間で複数のゲージ、スケールを楽しんでいます。

そうなると、どうなるか。すなわち、各人が自分の指向性を明確に認識することとなるのではないかと、思うのです。そして、選択した分野、ゲージ、スケールに対して、求めるものを先鋭化して、それが結果として製品や作品の高度化をもたらす。その一方で、様々な価値観を受容する社会となっていく、ということでしょうか。
そして、このブログがその実験場であるような……
2. Posted by dda40x   2007年11月21日 21:49
 実験場とは言い得て妙ですね。このブログに書いてあることは、おそらく誰もやっていないことです。
 理屈は分かっているけど、常識ある人はしない類の話ばかりです。
 
 どうしてもやってみたい。してみたらどうなるのかを追求していきたいと思います。

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