2007年11月01日

続 リモネン ピネン シネオール

ピネン と リモネン リモネンは、ポリスチレンという高分子の単量体であるスチレンにかなり似ている。だから、ポリスチレン(スチロール樹脂)をよく溶かす。スチロールはドイツ語であって、スチレンが英語であり、国際名である。発音は"スタイリン"に近い。前にアクセントがある。

 リモネン以外で、分子構造がスチレンに似ているものに、ピネンがある。これは松材から、抽出できる。Pineneという名はPineから来ているのはすぐ分かる。これもよくポリスチレンを溶かす。匂いは、まさに製材所である。価格はかなり高い。松ヤニを処理しても得られるが、松のおがくずが原料としては良いだろう。これを風呂の湯に一滴落とすと、ヒノキ風呂を思わせる匂いになる。

 これらは、シンナ系の溶剤とは違って、溶解速度が小さい。また沸点が170℃あたりで、蒸発速度も小さい。利点としては薄板を張り合わせるとき、母材が歪んだりすることがほとんどない。隙間にしみこませて軽く押さえておくと、全体が溶けてきて溶着し、そのまま放置すれば一晩で完全固着する。接着したものを日光に当てておいたが、3月たっても黄変する事もない。

 臭いはあまり気にならない。発癌性があるという情報もあるが心配には及ばない。この種の発癌試験は、癌が出来るまでやるので、事実上、全て発癌性ありと出ることになっている。

 25年位前、「過酸化水素に発癌性あり」という報道で、それまで何の疑いもなく漂白されていたうどんを捨てるという事件があったが、これも無茶苦茶な条件での実験であった。癌になるまでマウスに過酸化水素水を飲ませたのだ。その量たるや、人間に換算すると、一日3リットルもの3%過酸化水素水である。水でもそれだけ飲めといわれたら、ショック死する人も出そうだ。

 過酸化水素は代謝の過程で必ず発生し、我々の体の中には、それに対処するための分解酵素カタラーゼが準備されている。すなわち、常識的には無害であるはずだ。

 ところで、この常軌を逸した実験でも癌にならなかったマウスが居たそうだから、たいしたものである。むしろこちらを研究して、癌になりにくい体質を調べるべきであった。

 これらは、いわゆる御用学者の実験である。また、過酸化水素の件は広島大学で行われた。

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by ワークスK   2007年11月01日 11:54
スチロールとスチレンが同じものだとは漠然と知っていたのですが、お教えいただいたのですから、これからは意識して使わなければなりませんね。
 それから、同じ溶剤系の接着剤でも従来タイプ(MEK?)とリモネンでは、母材の溶かし方が、単なる溶解度の違いだけではなくて、本質的に異なる様な気がします。どちらの溶剤も最終的には空気中に拡散するのでしょうけれど……
2. Posted by dda40x   2007年11月05日 07:52
問題はそこなのです。
溶解速度の違いが何をもたらすか。可塑剤の挙動に注目したいと思います。
3. Posted by Jackdaw   2007年11月10日 22:57
>25年位前、「過酸化水素に発癌性あり」という報道

人間に換算して1日3リットル・・・カタラーゼでも分解しきれないのでは
ラジカルがどれほど発生するかと思うと、ぞーっとします。

とにかくまず結果ありき、の実験・研究は科学ではないと思います。
4. Posted by dda40x   2007年11月12日 22:06
良心を名誉や昇進と引き換えてしまう人は多くいます。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Recent Comments
Archives
「最新トラックバック」は提供を終了しました。
Categories
  • ライブドアブログ