2007年10月24日

続々 Scratch Building

 筆者の代表作はFEF-2,3ということになっているらしい。本当はまだあるのだが。この作品を雑誌に載せたとき、いろいろな雑音が聞こえてきた。

 「自分で作ったものでもないのに、よく投稿するよ。」「完成品に手を入れただけだよ。」など、いろいろあった。

 筆者にとっては、外見などどうでも良かった。問題は中身である。それまで日本はおろか、世界中のどこにも、鉄道模型の効率を極限まで上げることに血道を上げる人は無かった。

 高効率モータ、新方式のギヤ、ボールベアリング、特殊な潤滑剤の組み合わせを用いて、全効率を60%台に載せたのだ。それ以前の機関車には、効率が13%を超えるものなど、どこにも無かった。なおかつスケールスピードで走ることを目的としている。

 二台の機関車が、片方を押せばその発電した電力で他方が走る事など、絶対にありえなかったのである。それを搭載する機種として、たまたま、これらの機関車を選んだだけであった。煙突、パイロット、火室廻り、キャブ内外にかなりのディーテイル工作はしてあるキャブは外して内部を作り、また元に戻した。しかもドアをつけて密閉したので中身は見えない。

 この機関車は祖父江欣平氏の製品で、バランスが良い。下回りは根本的に改造して、走行性能が飛躍的に向上している。先従台車の復元装置は考えられる限り、最高の性能が発揮される構造にした。曲線から直線に入った瞬間の立ち上がりがとてもよく、満足している。 直線区間を、斜めになって走る機関車がたまにあるのだ。

 この機関車を評価してくれたのは、著名人では合葉博治氏だけであった。氏は、筆者の言う「スクラッチ偏重主義からの脱却」に大きく頷き、新しい鉄道模型への飛躍に向けて滑走を始められた途端に、病魔に冒された。氏がもう少しの間でもお元気であられたら、世の中はずいぶん変わっていただろうと思う。

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