2007年09月28日

続 伊藤英男氏の35mmゲージ機関車

 TMS誌にはさらりと書いているだけだが、客車の工作がこれまた素晴らしい。まさに博物館模型で、一等寝台の扇風機が風で廻るのを見ると、驚愕する。実に滑らかに廻る。屋根を外せば個室の内部も完璧に作られ、非の打ち所がない。塗装も素晴らしい。

 実はもう一つ特筆すべきところがあったのだが、平岡氏は見逃している。それはフランジの形状である。伊藤氏は、運転を目的としているので、曲線上の抵抗を減らすためにフィレットを大きくとっている。Low-D車輪と同様になっている。どちらもまねをしたわけではない。ただ目的が同じであるなら、結果は同じになる。

 模型の線路は、実物に比べ遥かに急なので、それなりの工夫が必要である。

 また、平岡氏の記事にはブラスの種類についての記述がない。伊藤英男氏は快削材を使用している。
 それからもう一つ、伊藤氏は旋盤よりもロクロをよく使われる。ロクロと言っても、若い方には見当も付かないのではないか。旋盤には刃物台があるが、ロクロには刃物台がない。モータで廻す材料に、あるものを食いつかせる。

 ヤットコの先に、バイトとガイドをつけたものを想像して戴きたい。はさみ方で被削物の径が決まる。それを何十種も用意し、次から次へと削っていく。「同じ形をしたものを大量に作るのには、これが一番」とおっしゃるけれど、素人には手を出せない作業だ。

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