2007年09月26日

伊藤英男氏の35mmゲージ機関車

 今月号のTMS誌を見て、久しぶりの感動を覚えた。伊藤英男氏の作品の紹介記事が載っている。

 35mmゲージは過去のゲージであり、作っている人などいないと思われる方は多いと思う。私自身もそう思っていた。

 伊藤英男氏とは懇意にして戴き、何度かお邪魔している。氏は特注船舶模型の大家であり、数百隻の作品を船会社に納品されている。博物館にも多数収納されている。

 35mmゲージの作品は「趣味ですよ。」との事で、今まで公表されてこなかった。平岡氏の名作探訪の連載が始まったので、伊藤氏の作品を紹介すべきと思い、平岡氏に手紙を書こうと思った矢先の発表で、大変嬉しい。

 伊藤氏の作風は、"手仕事なのに全て機械で工作したような切れ味を持つ"ことである。これは、他の達人と呼ばれる人たちの作品とも異なる部分である。

 板を切るとき、普通の人は裁断機で切るだろう。伊藤氏は裁断機を持たない。全て糸鋸である。裁断機による切り口のダレが許せないのだそうだ。

 ブラスの板に0.4mm幅で2本のケガキ線を入れる。糸鋸でその間を切る。裸電球一つの下である。太陽光は入れない。光の反射の具合で真ん中を切る。

 切り口を大きなヤスリで二回なでるとケガキ線まで削れて直線になる。これを実演して戴いたときは、本当に驚いた。やってみたがとても無理である。長い直線を切るには、糸鋸の弓が邪魔になる。この対処法として昔から紹介されているのは、弓を曲げる方法である。

 伊藤氏は糸鋸の刃をねじるのである。刃の付いていないところは焼きが入っていないので、ねじることが出来る。45度ねじると良いそうである。この方法ならば、どんな長い板も縦割りに出来る(はずである)。実際はきわめて難しい。

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