2007年09月10日

続 日本製の自動連結器

日本製Working Coupler 程度の良いのがひとつ見つかった。これもナックル・ピンの後ろが割れ、ナックルがプラプラしている。形だけでもお見せしたかったので、掲載した次第である。


密着式自動連結器というものもあった。これは合葉博治氏の発案らしい。KTMが発売していた。尖った部分を、互いに相手の穴に入れるようにして押し込むと、薄い板バネがラッチを掛ける。これは調子がよく、まず外れない。

 しかし、外すときはかなり苦労する。車輌の両側面から指を突っ込み、押し付けねばならない。慣れれば早いが、自動開放は極めて難しいと思われた。

 これも現在はほとんど割れてしまい、現存するものは少ない。この当時(昭和30年頃)の日本の製造業のレベルは、その程度であった。ZAMAKの中の鉛の濃度が高いため、いわゆる粒間腐蝕という現象(昔は粒界腐蝕と言っていた。下のコメント参照)が起こったのだ。その時期には、アメリカではこれは完全に克服されていた。

 この頃、日本のダイキャスト工場に出入りしていた人から話を聞いたことがある。電気工事がある日は、ダイキャスト工場は休みになるという話だ。

 当時、電気工事はハンダ付けで行われていた。炭つぼを腰につけて、電柱を登っていく電気工事人の姿を憶えている人は、少なくなった。融けたハンダが落下することはありうる。ハンダがザマックに落ちれば、そのロットは全て廃棄しなければならない。

 電気工事の日は、全てに機械にシートをかぶせ、ハンダが掛からないようにしたという。しかしそうしていても、50年後にはほとんど駄目になった。これは、当時の日本製のザマック地金の純度が低かったことを意味する。

 最近、1952年製のアメリカ製ダイキャスト製品をじっくり観察することがあった。全く割れがない優秀な製品であった。日本でこのあたりのことが完全に克服されたのは、昭和40年頃であるという。

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コメント一覧

1. Posted by ワークスK   2007年09月10日 16:17
私も専門家でないので断言できないのですが、粒<界>腐食と粒<間>腐食は別で、亜鉛ダイキャストの場合は後者だったと思います。どこがどう違うか知りませんが、「粒界腐食」は原子力発電所などの高温のステンレスで問題になる現象だと思います。

http://www.yoshu.co.jp/yougo/yougo_RAGYOU_LABEL.html
2. Posted by dda40x   2007年09月10日 21:30
御指摘ありがとうございました。最近はそのようです。
実はこの項を書いていたときに参考にしたものが1951年の"Yard"誌で、その中で丹羽十郎氏が書かれた「金属学講座第1回」でした。氏は金属学の専門家でしたから、詳しく書いていらっしゃいます。当時は「粒界」という言葉を使っています。ちなみに祖父が使っていた1956年発行の金属便覧も同様です。ステンレスのところでも「粒界」でした。

確かに最近は粒間という言葉を聞きます。御指摘の辞書の訳語を見ると、こんな訳でいいのかとも思ってしまいます。新しい辞書も読みまして、大変勉強になりました。今後とも御指導ください。感謝。

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