2007年07月19日

続 City of San Francisco

 私はこの列車のFiremanとして乗務したことがある。それは私の人生の中で特記すべきことであった。運転室に登って中を見たとき、息が止まりそうであった。後に、アメリカ空軍少尉としてBoeing B-17の爆撃手になったときと同じような緊張であった。

 蒸気機関車とは異なり、前方にはボイラがない。運転室から前が見える。大した違いだ。乗り込んだ瞬間、私は何か場違いなところにいると思った。何か犯罪を犯しているように感じたほどだ。

 蒸気機関車であれば罐焚きであるが、ディーゼル電気機関車なので、特に何もすることがない。機関士と並んで座り、前を見ているだけの仕事である。時々機関室を見に行かねばならない。ディーゼル・エンジンと発電機の後ろにはちゃんとボイラがあった。冬の間、列車全体を温めるためのものだ。私は多少安心した。ボイラの無い列車はないことが分かったからだ。

 機関車の運転室の床は油滲み一つ無く、輝いていた。現代の機関車とは大きな違いだ。

 走行は滑らかで快適であった。このような滑らかさは、それまで経験したことが無かった。最高速は90マイルであり、当時としてはとても速いと感じた。

 すばらしい列車だった。また運転してみたいものだと思う。いつかこのような、あるいはもっと素晴らしい列車が、この鉄道を走る日が来ると信じたい。

 

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コメント一覧

1. Posted by 御幌(オンボロ)鉄道   2007年07月19日 10:02
Boeing B17とは懐かしいです。戦争中私は飛行少年であったのでこの爆撃機の形はよく覚えています。垂直尾翼が特徴的でした。ところでTomの話は本当に面白いですね。毎日楽しみにしています。
2. Posted by dda40x   2007年07月19日 22:21
 御幌鉄道様 始めまして。古いTMSではよくお名前を拝見しておりました。

 Tom Harveyが亡くなって15年、約束していた出版がなかなか出来なく困っていました。インターネットのお陰で発表できます。粗い訳ですが、なるべく直訳に近い形で少しずつ発表しています。

 日本でも蒸気機関車が消えてもう30年ほどです。UPから消えたのが45年ほど前です。なかなか聞けない体験談もあり、紹介する価値があります。

 まだ、全量の半分も行かない状態なので、何年か掛けて発表していきます。 

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