2007年07月18日

City of San Francisco

 City of San Francisco という特別な列車があった。私の子供のころから走っている大陸横断特急だ。機関車も客車も全て特別に素晴らしい列車であった。

 Union Pacificは、当時3つのStreamliners(流線型特急列車)を走らせていた。それらは、City of Los Angels, City of San Francisco および City of Portland であった。これらの列車は大恐慌の初期にRawlinsを走り始めた。私の記憶が正しければそれは1934年だ。

 これらの列車は会社にとって、その暗い時代では大きな賭けであった。誰もがその超近代的で静かな列車に乗ってみたいとは心の中で思ったに違いない。しかしそれはほとんどの人には叶わなかった。私も乗ったことは無かったし、知り合いにも乗った経験がある人は居なかった。今で言えば超音速のConcordに乗りたいと思うようなものだろう。現代でもConcordなど見たことのある人は少ない。しかしそのうち乗ってみたいと思う。夢はなかなか叶わないものであることは知っている。

 UPの職員の家族は普通の旅客列車なら無料で利用できた。しかしこの列車に限っては、半額を払わなければ乗ることは出来なかった。車内は豪華なホテルの様であり、たくさんの乗務員が乗っていた。

 この列車は大金持ちのための列車であると思った。

 最初にこの機関車に乗り込んだときのことを覚えている。それは1942年の春だった。私は当時18で、それからもう40年もこの鉄道で働いている。(この手記の執筆は1982年)。

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