2007年07月12日

続々 東行き貨物列車の運転

 10分前の退避はなかなか難しい。機関士の判断ミスで旅客列車を遅らせることはありうる。もし機関士がオウヴァーランしたら、本線を塞がないように機関車を下げなければならない。その間に旅客列車が後ろにくっついてしまう。そのような失敗をした機関士は、今度は手前で止めようとする。すると最後尾のカブースは本線上に残ってしまう。

 狙ったところにぴたりと停めるのは名人芸である。そうすると旅客列車は定刻どおりにやってきて、機関士と罐焚きは「いい仕事をした」と思うのだ。

 話を最初に戻そう。Green RiverからKandaの坂で罐焚きが失敗すると、あとは泥沼である。全てが失敗である。時間通りにはRawlinsには到着できない。途中の側線で何本かの列車を見送る羽目になる。だから、最初の坂が勝負なのである。

 前にも書いたと思うが、機関士と罐焚きは、意思の疎通が一番大切なのだ。最初の数マイルで勝たなければならない。他のどの職場でさえも、機関士と罐焚きほど息が合っていないとできない仕事はない。それぞれが、なさねばならない仕事を持ち、そのベストを尽くす。そして、互いに相手の仕事の内容を知り尽くして助けあう。運転室の両側に座っているのだけれども、相手の挙動を見てその仕事を理解する。

 もし、線路脇に立っていて機関車が通過して行くのを見ていれば、機関士が一人で運転していて、罐焚きはただ黙って石炭を放り込んでいるだけに見えるだろう。運転室の中では、機関士と罐焚きは本当の意味のチームであるが、それは外からは見えにくい。

 運転室の中に立って、我々の仕事を見よ。機関士はスロットルを開ける瞬間にも罐焚きがそれに追いついて来られるかを観察している。もし、スロットルを大きく開けたままにすると、火床が持ち上がる。燃えている石炭が全部吹き飛んでしまう。あるいは、逆転機を一番前に倒したときも一緒だ。排気が強く通風が良過ぎて火床が無くなる。

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