2007年07月10日

東行き貨物列車の運転

 機関士と罐焚きの気持ちが一つにならないと機関車は走らない。登り坂で石炭のくべ方を間違えれば、大失敗だ。レイルの1インチごとに彼らの努力の跡が刻まれる。

 さて、今あなたは1946年に罐焚きとしてUPで働いている。私の罐焚きを務めるのだ。グリーン・リヴァからローリンズに向けて長い貨物列車を牽いている。機関車はBig Boyである。列車は重く、ローリンズで後ろから来る旅客列車を通すために退避する予定である。うまく走らなければ、途中で退避しなければならない。また、そうすると"Hot-Shot"(長距離を無解結で走る急行貨物列車)を何本か見送らねばならないことになる。何とかして調子よくローリンズまで走りたい。しかも、真夜中の乗務である。疲れていて、帰って早く寝たい。そのためにも頑張ってもらいたいものだ。

 グリ-ン・リヴァの側線から本線に出る。機関士はスロットルを開ける。ここから6マイルは登りだ。あなたは最初の上り坂での戦いを始めるのだ。火床の調子が良く、水が水面計に一杯であリ、さらに石炭が良ければ最初の坂は楽勝だ。インジェクタを止めて置け。蒸気の上がりもすこぶる良い。Kandaを通過して、Bitter Creekまでの緩い登り坂だ。今のうちにボイラーの調子を最高まで持っていかねばならない。

 東向きの貨物列車は全てBitter Creekで停車し、石炭と水を入れる。ここからは、急な登りとなる。これからの16マイルは煙突が破れるくらいの運転をすることになる。

 さほど心配することはない。もう火床は十分に厚く、機関士がスロットルを開けても火床が全部吹っ飛ぶという事はない。どんどん石炭をくべればよい。蒸発によって水面が下がり始める。水面計を見るのだ。下から2インチのところまで下げなければならない。こうすると火力の調節によってボイラの温度がすぐに制御できる。

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