2007年07月03日

機関士魂

 父と鉄道で働くことは、とても楽しかった。父が急行列車を、私が貨物列車を運転する。線路を相手のために空けてやるように運転するのだ。

 父には機関士としての心構えを習った。蒸気機関車の時代はそうだった。機関車と機関士が、一心同体にならなければ運転は出来ない。いつも、何が起きているのかを知っていなければならない。音を聞き、臭いを嗅ぎ、そして見る。何かの部品が焼けているのを見つけるようでは駄目だ。焼け始める前兆を知らねばならないのだ。

 もし、その前兆を捉えたら直ちに機関車を止め、応急措置を講じる。それが出来なければ機関士ではない。焼け始めた箇所に、「はなぐすり」をつける。そうすればそれ以上の事態にはならない。

 コツは、「早く見つけ、早く直す」だ。異常事態は、突然起こるものではない。常にその予兆がある。列車を遅らせない秘訣は、全てそこにある。

 ディーゼル電気機関車に乗っていると、居眠りをしていても良いだろう。父はそんなことはしなかったが…。

 目をつむる事は決してしなかった。片目を瞬きすることもなかったと信じている。

 蒸気機関車の時代は、故障箇所を見つけるのに3分間、修理に3日と言われていた。ディーゼル電気機関車になってからは、故障箇所を調べるのに3日、修理は3分と言うようになった。ディーゼル電気機関車は複雑であるが、回路がユニットになっているのでそれを差し替えれば、修理は終わる。

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