2007年06月21日
Snubber

これはダイナミック・ブレーキ の抵抗で、モータが発電した電力を消耗させるようになっている。始めは凝ったものを作って三段階にしたが、一段で十分であった。
抵抗器がほのかに温かくなる程度である。表面積の大きな抵抗を使ったからだ。
このような用途や、発煙装置の大電流を流すためにリレーは便利である。連結器の開放にリレーの動作を使うのも良い方法である。
リレーはリアクトルであるから、電圧を掛けてもなかなか電流が増えない。逆に、流れている電流はそう簡単に止まらず、逆電圧を発生する。この電圧は、電流を時間で微分しているので、急速に遮断すると数百ボルト以上にもなる。ゆっくり止めれば良いのだが、そういう訳にもいかない。
そこで、この図にあるようなダイオードを一つ入れておく。すると、ダイオードがその逆電圧を逃がすので、コイルの磁界は急速に消滅し、リレーの復帰も早くなる。つけないと、デコーダが瞬時に壊れる。
このようなダイオードをQuencherと言っていた(と思っていた)。最近はSnubberと言うらしい。
Quenchというのは「急に冷ます」という意味で、焼入れなどの時に使う言葉だ。鋼製車体のひずみ取りに、お灸をすえるという方法があるが、あれもQuenchingと言う。
のどの渇きを急に癒すような飲み物もQuencherと言ったりする。リレーの内部の磁界を消滅させると言う意味ではとても正しい。
Snubという言葉は、船のもやい綱が繰り出されていくのを止めるときぐらいにしか使わない言葉で、このような電気工学的な場面で使うとは思わなかった。Snubberはスナッバと発音する。今後よくお目にかかる言葉であろう。