2007年05月13日

続 Kemtron

Kemtron RS-3 スワップ・ミートで見かけるキットはKemtron製が多い。商品として売り出された数が極端に多いからであろう。すなわち彼の商売は大変成功した。細かいシェイのキットも売り出していた。

 筆者はGP-9とRS-3のキットなどを持っている。どちらも今のレベルから見れば、ややのっぺりしているが、組み立てて色を塗るととても立派に見える。

 CLWと似た構成だが、より単純な構成であり、簡単に組める。板が厚く、平面性が良い。この会社のキットも、ガスバーナで加熱してハンダ付けすることを前提に作られている。CLWは駆動装置も自前であるが、Kemtronは、All Nationの駆動装置を流用するようにしていた。後に日本製の駆動装置を輸入して取り付けるようにした。

 大きな部品もロストワックスで作りたかったが、平面性の確保が難しかった。そこで、ポリスチレンのインジェクション・モールド(射出成形)により作ったプラスティック・パーツを埋没するロスト・プラスティック法を開発した。

 これにより、大きな客車の妻板を成形することが可能になった。もっとも妻板は横一文字の二分割であり、ハンダ付けして使う。このキットのキャブの妻板もプラスティックを燃やして作ってある。これは左右二分割であった。

 客車はKemtronが得意のエッチングシートで出来ていて、大味ではあるが、編成で見るととても美しい。筆者は、"City of Los Angeles"を構成するだけの数は確保した。半分くらい組みあがった状態である。14輌の色をそろえるのは大変である。実物は多少異なるものが入っている。

 1960年代の一時期、スロットカー・レーシングにも参入したので、Kemtronブランドのモータが売られていた。協同ライト商会Kemtronに各種の製品、半製品を輸出していた。

コメント一覧

1. Posted by 寺久保 敦己   2007年05月13日 12:07
KemtronとかCal-ScaleというとMR誌広告のロストワックス製品しか記憶に有りませんでしたので、裏話を含めてキットまで手掛けていたのは初耳で大変興味が沸きました。これからも記事を期待しております。
2. Posted by dda40x   2007年05月14日 21:23
コメントありがとうございます。

 Kemtronはかなり多数のキットを売り出していました。エッチングが一段しかなかったのは残念でした。

 日本では鉄道模型社が世界で最初にエッチングを鉄道模型に利用したことになっていますがアメリカではケマルヤン氏であるということになっているそうです。

 それにしてもKemtronのブラスは青いですね。磨くと黄色になりますが、ハンダ付けするとその周りが青くなります。
 ドリルでの穴あけやヤスリ掛けは容易です。 
3. Posted by ワークスK   2007年05月15日 23:48
アメリカ型のフード・ディーゼル機モデルではキャブを取り外し式にしておくと、窓ガラスを入れたり、何かと便利なのですが、問題は車体の長手方向の剛性です。フード部分はしっかりしているのに、キャブの部分はグニャ、となりやすいのですが、ケムトロンの構成は理に適っていますね。
あと、フラットカー上の真ん中に小屋が乗っている形のトランスファーカブースにも同じ様な悩みがあります。
4. Posted by dda40x   2007年05月16日 08:06
仰せの通り、前後のフッドはつながっています。組み立て易く、強度もあり良いのですが、キャブの中を同じ太さで貫通しているので、見掛けがよくありません。

 仕方なく、組み立ててからディスク・グラインダーでキャブ内を削り落としました。ヤスリで仕上げてないまま、撮ったのがこの写真です。

 問題は床板です。一枚にすると「知恵の輪」的な入れ方をせねばなりません。3分割にしようと思っています。キャブ内の運転台、椅子および運転士を入れる工夫も大変です。
 
 これはかなりの難問です。
5. Posted by 寺久保 敦己   2007年05月16日 18:10
EMDのGP9は一番輌数が多いということも含め、私の好きなディーゼル電機の一つです。
1950年代にしては洗練されたデザインと思います。
性能も良かったから4000台(GP7を入れると6000台以上)も売れたのだと思います。
皆様ご承知でしょうが、GP9は1750HP、GP7は1500HPです。
6. Posted by dda40x   2007年05月17日 09:47
製造台数は確かに多いですね。あちこちの博物館に置いてあります。

運転台に座ってみると、視界は狭く、蒸気機関車のようです。直流発電機の時代はブラシ、コミュテイタのメンテナンスは大変でした。
7. Posted by 愛読者   2007年05月26日 11:55
5 Kemtronがスロット・レーシングでこんなにもたくさんのパーツを供給していた事を初めて知りました。
とても興味深いです。
8. Posted by dda40x   2007年05月28日 21:52
愛読者様 コメントありがとうございます。
 Kemtronのカタログはかなり持っていますが、このスロット・レーシングのカタログは、私も始めて見る物です。
協同ライトさんの製品の強力なモータを搭載して、市場を制覇したのですが、そのあとはマブチの天下になりました。

 あのころ、自作の車を持ってレース場に行った経験のある人は、既に50代半ばですね。またやってみたいと言う願望はあります。今なら、コアレスモーターを4輪に入れるでしょうね。車体はカーボンファイバで作るのでしょうか。

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