2007年02月07日

再起動

 Grate Shaker この図はUPの教科書の図で、ここでの話題の火格子のことではない。この図では火格子揺りは蒸気で前後動するようになっている。しかしよく見ると手動用の棒を差し込む部分もある。connecting latchesと書いてあるところである。

 作業が終わる頃には火室は温度が下がり、ボイラは冷えている。蒸気の圧力はほとんどない。水面も低くなっている。機関士にとって最悪の事態である。この状況を脱するのに、機関士も制動手も多少は手伝うが、罐焚きが頑張るのが当然だ。誰がそのような状態を引き起こしたかを考えれば当然のことだ。このとき罐焚きは、どうして罐焚きになってしまったのか、しばし後悔する。

 石炭を考えたとおりの厚さに撒き、blowerを効かせる。ブロワとは煙突の真下にある蒸気噴出口から蒸気を噴き出させることである。すると、煙は煙突から放り出されて、ボイラの前方に負圧が生じ、燃焼用空気が火床の下から吸い込まれ、石炭が着火する。温まった石炭に新鮮な空気が供給されれば、直ちに燃え上がる。圧力は急速に復帰し、機関車は発進できる状態になる。この状態を"Hot"な状態であるという。

 焦ってはならない。ここで失敗するとまたこれを繰り返すことになる。二回目の着火は非常に難しい。圧力が下がり過ぎているからである。手早くしてボイラの余熱(レンガアーチが熱いこと)が十分に残っている内に作業を終えることが大切である。

 ここまで読んでいただくと、能力の無い罐焚きほどかわいそうな者はいないということがよくお分かり戴けるであろう。
 

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