2007年02月04日

石炭を焚く

火室・燃焼室・レンガアーチ・サイホン管(断面図)  火格子の上に撒かれた石炭は燃え上がる。燃えていない石炭を"Green Coal"という。石炭は下から上に向かって燃えていく。その逆はありえない。もし逆になってしまったときは、火格子を揺らして下の層を捨てなければならない。

 これが大変な作業で、"Cab"(運転室)の床板をめくって長いレヴァを差込み、前後に揺らす。すると、燃えカスの石炭ガラと一緒に燃え残りの石炭は、灰箱に捨てられる。

 火格子全面が、真っ白の光を放つように燃やすのが、罐焚きの責務だ。石炭はスコップで撒くのが最高に良いのだが、こんな大きな機関車でそれを実行するのは不可能である。

 火床は真ん中を厚く、四隅を薄くするのが大切である。角は燃える速度が遅く、Clinkerができやすい。クリンカは石炭が融けてできる塊りである。塊りは表面積が小さく、燃える速度が小さい。どんどん大きく成長して、そのあたりの石炭が燃えるのを阻害する。そうすると撒いた石炭はどんどん積みあがって、ますますクリンカが成長する。

 そうなると、火力が低下するので、長い火掻き棒でそのクリンカを引き出してつぶさねばならない。ストーカのスティームジェットを絞って、石炭が隅にたくさん撒かれないようにする。すると、大事な部分にも石炭が届かない。

 仕方がないので、罐焚きはあちこちのヴァルヴを調節して石炭の撒き方の工夫をする。

筆者註 図中のレンガアーチは炎の長さをかせぎ、石炭から発生するガスが長い時間燃焼するように工夫されたものであると同時に、火床からの輻射熱を吸収・放射して、投げ込まれた石炭が短時間に発火点以上に達するように設けてある。しかし、その下部の火床からの空気の流入量は、他と比べて少なく石炭が融けて固まりになりやすい。すなわち、この部分の火床を薄くするのがコツである。

コメント一覧

1. Posted by 12列車みちのく   2017年01月29日 13:52
4 私は戦前の日本の罐焚きの資料とかをよく読んでいたりしている国鉄型蒸気機関車ファンです
ここで、アメリカの罐焚きの話をはじめて知りました
ユーチューブに上がっているC57の話では、罐を焚くとき、通風のため真ん中を少なく焚いているので、何かアメリカの罐焚きと火室構造が違うのかな、と思いました。
なかなか興味深い資料でした

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