2007年01月22日

Hogger

 "Hogger"というのは機関士を表すスラングである。機関士は支配人にはなれない。幾人かは昇進して、"Road Foreman"になる。その程度だ。このフォアマンという仕事は名前だけの地位で、権限がない。単なる指導機関士という程度のものだ。人事権がないから意味がない。

 Rawlins出身の機関士で、最高支配人、部長、課長になった人はいない。この機関士たちが管理能力に欠けているとはとても思えない。しかし、昇進した人はいない。鉄道会社の管理部にいる連中で鉄道の運行の仕方をよく知っている人はほとんどいない。一番よく知っているのは、機関士であるのに。

 ほとんどの機関士は管理能力があるとは思えぬし、彼らは管理者になろうとも思ってはいない。しかし、Tomが知る限りで何十人かは、能力があり、昇進したいと思っていた。しかしチャンスは与えられなかった。この国では機関士は、重役にはなれないのだ。航空会社では様子が違う。パイロットを重役に迎え入れているではないか。


 現代の機関士にはPrestigeなどほとんどない。どうしてこうなってしまったのだろうか。それは多分ディーゼル電気機関車と無線電話の採用のせいだ。

 ディーゼル電気機関車のスロットルを動かすのは、それほど優秀でなくてもできる。列車が動き始めれば、Dispatcher(列車指令)が無線で指示して来る。この列車指令の言うことさえ聞いていればよい。ということは、偉大な機関士になろうとすると、それは極めて難しいということだ。

 現代では優れた機関士とそうでない機関士の間には到達時間に10分間の違いしかない。蒸気機関車の時代には、その差は歴然としていた。能力のない機関士は、目的地に到達できないことが多々あったのだから。

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