2007年01月20日

Bill Winstonの事故

Mighty 800 in Rawlins 50年に亘る彼の機関士人生の中で、一つだけ事故があった。1947年Rawlinsに差し掛かる少し手前で、彼が乗務する東行き列車のMighty800のタイヤが外れるということがあった。

 Rawlinsの管理部はBillがブレーキを掛けすぎて、過熱したタイヤの熱膨張により、その事故が起きたと断定し、Billを停職にした。Rawlinsの機関車乗務員たちは、そんなことはありえないと思った。Billは機関車のブレーキを全く使わない機関士として有名であったからだ。

 Billは出発すると、機関車のブレーキ弁(単独弁)を閉め切ってしまうのだ。これは機関士の膝の横にある小さなコック2つを閉めるだけのことだ。Billにはその習慣が深くしみついていた。30年以上に亘って、動輪のタイヤが緩まぬようそういう運転法をとってきたのだ。

 ワイオミングを走る山岳路線では、機関車のブレーキの掛けすぎで動輪のタイヤが外れる惧れがあった。列車全体のブレーキにより速度を抑えるのが正しいやり方だ。

 停職になったBill Winstonは、Rawlins線区の最高支配人に対しては何も言わなかった。言っても無駄だ。物を知らない奴だったからだ。次の日、Billは旅客列車に乗って東に向かった。ネブラスカ州オマハに行ったのだ。
 
 さて、Bill Winstonの力を紹介するとしよう。
 UPの社長のWilliam JefferはBillの古くからの親友だ。この社長はUPの歴史の中でも最も有名な社長だ。14歳からUPでCall-boy(機関士を呼びに行き、サインを貰う仕事)を始め、社長まで登り詰めた伝説の社長である。

訳者註: 蒸気機関車の動輪のタイヤは、焼き嵌めといって、ガスの炎で熱膨張させたタイヤを輪心に嵌めてある。すなわち、あまりブレーキを掛けすぎてタイヤが熱くなると、タイヤが緩んでこの事故のように外れてしまう。このような時は、タイヤをガスで焼き切って取り除き、軸箱をジャッキでもち上げてスペーサを挟み、浮かして回送する。

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