2007年01月19日

機関士 Bill Winston

 機関士は強い権限を持っているから、罐焚きは全て機関士の言うとおりに石炭をくべ、水を入れねばならない。軍隊ではこう習った。「疑問を持つな。命令に従え。そうでなければ死ね。」全くその通りだった。罐焚きは、伝統に従い、機関士の命令に従った。

 Billは、"low-water-man"と呼ばれていた。水面計ガラスの1/3以下に保てという指示を出した。その水面は低いが、できないことはない範囲にある。

 罐焚きは機関士に質問をしてはいけないことになっていた。幸いなことに、Tomは優秀な機関士に当たることが多く問題は少なかった。当時のBillは、アメリカ全土でも最も優秀な機関士ではないかと思われた。「Bill以上の力量を持つ機関士には会ったことがない」とTomは言っていた。当時のTomの年齢以上の期間、Billは旅客列車の機関士をしていた。彼の全てが尊敬できたという。
 
 この機関士と乗務する罐焚きには、水面を低く保つということが指示されなくても分かっていた。Billのような優秀な機関士と乗務することは名誉なことだった。彼の一挙手、一投足を見守った。いつか彼のような最高の機関士になりたいと、彼の動きを鷹のように見つめた。彼は、他の歳のいった旅客列車機関士のように気難しい人ではなく、罐焚きに当たり散らすこともなかった。

 石炭のくべ方に文句をつけることもなく、水面についてもあまり言わなかった。しかし水面が1/3を越えると、何も言わずにBlowdown弁を引き、泥とともに水を捨てて正しい水面に戻した。 


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