2007年01月18日

続 Prestige

 当時のアメリカでは機関士には高い給料が支払われた。機関士は単なる熟練工ではない。重要なことは機関士にはとても大きな責任があったということである。

 何百万ドルの列車と二、三百人の命を預かり、誰の監督下でもなく自分自身の判断で行動しなければならない。普通の仕事は監督者の下で働くことである。多くの会社では機械を操作したりするだろうし、建設工事では煉瓦を並べたり木の板を打ちつけたりする。それは全て後ろにいる監督者の指示である。

 機関士にはボスはいない。ああせよ、こうせよという者はいないのだ。全て自分で考えて指示を出さねばならない。Union Pacific鉄道では、規則というものは最低の条件であり、現場での判断は機関士の裁量に任せていた。

 全ての機関士には"Prestige"があった。ここではその訳語は出さないで、読者の御判断に任せたい。それぞれの運転区には最優秀の機関士が居た。RawlinsにはBill Winstonという名の傑出した機関士が居た。UPの社長が視察に来るときは、必ず指名されて、スロットルを握った。1939年にRoosevelt大統領がワイオミングに特別列車でやってきたときにも、1948年にTruman大統領が来たときにも指名されて運転をした。

 UPでは、優等列車の運転は実績ある経験年数の長い機関士に割り当てられる。大統領に限らず特別列車は、必ずBill Winstonが指名された。

 Tomは、偉大な機関士Bill Winstonの最後の乗務に、Firemanとして乗務することができた。Tomはそれ以前に蒸気機関車とディーゼル電気機関車のFiremanとして何度も乗務したことがある。Billは、その時代に既に伝説となっていた人物である。銅像が立っていてもおかしくない人であった。

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