2006年12月01日

トルクアーム

torque arm トルクアームはギヤボックスの倒れ止めに過ぎない。簡単な工夫で、軸箱の上下動を保ちつつ、反トルクを受け持つ。

 このような工夫さえない機関車が多く存在するというのは、この国の理科教育がいかに無力かを知らせているようだ。

 ゴムチューブでつないだものをよく見るが、軸箱の上下動を妨げている。前後進で調子が変わって当たり前である。

 ずいぶん昔の話になるが、故酒井喜房氏がUnitedの設計をされていた頃である。「前進と後進で調子が違う。バックのほうが調子がよいのは駄目だ。」とインポータのPFMに言われたそうだ。「仕方がないから、ウォームを逆のねじれにしたところ、前進の調子が良くなった。」と嬉しそうに話された。それを聞いて、「トルクアームをつければいいのですよ」と言うと、「あっ、そうか。」と妙に納得されたようだった。その後改良されたかどうかは確認していない。

 ギヤボックスをなぜ必要とするかというのはギヤの分離力(反発力)に耐えて軸距離を保ち、スラストを閉じ込め、外部にはトルクのみが現れるようにするためである。要するに、モータとはトルク以外何の関係もない状態にせねばならない。モータとの継ぎ手はオルダム継手ユニヴァーサル・ジョイントのようなルースな継ぎ手が望ましい。オルダム継手はここに動画がある。 

 モータ軸に直接ウォームをつける方法は、相変わらずよく見るが、どんな理論武装をしてみても褒められる話ではない。モータというものは、モータ軸にスラストを掛けてもよいようには設計されていないし、反発力が押さえ込まれていないからである。

コメント一覧

1. Posted by railtruck   2006年12月01日 09:00
おっしゃる通り、模型誌にトルクアームのことが載ったのは井上豊氏の記事くらいしか記憶にありません。同じ記事でユニバーサルジョイントを等速でつなぐ方法を述べられていたことも流石でした。
2. Posted by ina   2006年12月01日 12:40
トルクアームとはちょっと違うのですが、ギアボックスとフレームの間をスイングするアームで結んで、ゴムジョイントをユニバーサルジョイントに改造する記事が、20年ぐらい前のMRにでていたのを記憶しています。それを元にアダチの機関車を改造したのですが、それも同じぐらい前の話ですが・・・
オルダム継ぎ手(名前をはじめて知りました)は、珊瑚の16番の蒸気で採用されていますが、この継ぎ手を使ったモデルはとても静かに走ります。
3. Posted by dda40x   2006年12月01日 23:38
オルダム継ぎ手は軸が曲がりませんので、それとユニヴァーサル・ジョイントを複合したタイプのものを使うことが多いです。マイティ社のMLシリーズがそれです。
http://www.mighty-corp.co.jp/seihin/ml/ml.html 

これはわざわざバックラッシをゼロにするために各部を固くしているので、緩くするためにスライド部分にリーマを通して使いました。快適です。
4. Posted by 朝海   2006年12月01日 23:55
5 演繹的な要素が抜けているんですか。大学受験が変わらなければいけないのかもしれませんね。
5. Posted by dda40x   2006年12月02日 00:11
いや、まともな大学ではその演繹力を見るための問題を出しているようですよ。むしろ、高等学校のほうが問題ではないかと考えています。

最近の報道にあった様な履修不足は結局のところ、高等学校の授業がでたらめで演習問題ばかり解かせることをやっていたのが、明るみに出ただけのことです。

例えば運動クラブで活動をするとします。まず基礎体力をつけ、コーチに助言をもらいながら練習し、練習試合というのが本来の姿でしょう。しかし、現実には練習試合ばかりしているのです。

高等学校では本を読んで物を考える訓練をしないと、大人になっても知識が役に立たないのです。この件に関しては近々記事をUPします。プラグマティズムについてです。

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