2006年11月30日

トルクチューブ

Torque Tube  トルクチューブの説明をしておきたい 。

 筆者は自動車の構造にも興味がある。もちろん、動力で動くものはみな好きだが…。
小学生の頃、乗用車のスプリングは「リーフ・スプリング」であった。急加速するとばねが妙な形にねじれるのを知った。作用・反作用の原理で説明できた。ばねの隙間の摩擦が振動を吸収することもよくわかった。

 そのうちに「コイルスプリング + ショックアブソーバ + リンク」の時代が来て、リンクが反作用を受け持つのを知った。ショックアブソーバがないといつまでも車体のゆれが止まらないことも理解した。

 鉄道模型を、固定軸の「EB電関」というおもちゃで始めたころはわからなかったが、動輪がスプリングで可動するタイプの機関車を見て、これはインチキだと思った。というのは、反作用でギヤボックスが倒れてくるのを支えるものが何もない。怪しげなゴムのチューブでつながっていて、反作用があればそれがたわむ方向または伸びる方向に作用した。しかし、ゴムチューブは硬いらしくびくともしない。ということは、ギヤボックスの自由な運動を妨げている。TMSを読んでもほとんどそれに関する記述を見たことがない。

 しばらくしていすゞのジェミニという車が発売された。その動力伝達機構は、それまでのタイプとやや違っていた。反作用を受け持たせるリンクがなく、単純な構造であった。これでは走らないはずだと、よく調べたら、ドライヴ・シャフトが、やや太目のパイプの中を通っている。そのパイプの一端が車体に取り付けられている。これを「トルクチューブ」と呼んだ。当然、推進軸の反作用もそれで受けている。当時、いすゞはGMと技術提携していた。GMの車にはこれを採用したものが多い。ポルシェも採用している。

 うまい工夫である。これを採用しようと思った。現在、祖父江氏の工房で動力機構を改装するとほとんどこのタイプが採用されてくるはずだ。

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コメント一覧

1. Posted by 朝海   2006年11月30日 23:16
私の持っている物理・化学の知識は高等学校で学ぶ程度のことで、なにがどうすばらしいのかは書いてあることを鵜呑みにするしかないのですが、なにか大変おもしろいことなんだろうと感じています。日々記事を読むうちに実物見たさに、いてもたってもいられなくなっています。
2. Posted by dda40x   2006年12月01日 08:50
朝海さん、コメントありがとうございます。
 このブログにかいてあることは高等学校の範囲の物理・化学・数学です。
 その知識を元に演繹するとどうなるかということが、高校生であった頃からの私の趣味です。この国の教育では演繹という概念がほとんど抜け落ちています。全て答があるものとして問題を解く練習をしています。
 
 開発という仕事は答があるのかどうか分からないが、演繹力でその条件を満たす解を探すわけです。
 この条件設定というのが、実は最も大切なことなのです。例えば金と時間が無限にあるという条件設定は意味がないでしょうね。
3. Posted by 一式陸攻   2013年05月14日 05:10
トルクチューブというのがよく分かりません。
ギヤボックス、トルクチューブ、モータ、車体がどのように固定、あるいは連結されているのかが想像出来ないのです。ご教授頂ければ幸いと存じます
しかしながらこうして鉄道模型の機械としての側面を調べ、実践することがこんなに楽しいとは思いもよりませんでした。
4. Posted by dda40x   2013年05月15日 12:05
ギヤボックスから突き出た円筒部分までは一体です。
その先の自在継手部分で切り離されてモータは固定です。
円筒部分の動軸から一番遠い部分をフレームに固定します。もちろん車軸が上下するようにリンクあるいはゴムで緩く取り付けます。
反動トルクはそのリンクまたはゴムブッシュで受けます。
5. Posted by 一式陸攻   2013年05月16日 03:38
ご教授有難うございました
これで疑問もスッキリした次第です

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