2006年11月23日

斜歯歯車

kyusan.u.井上研究室website AJINに行っていた時、材質、加工、伝導など、ありとあらゆる相談を受けた。
 一番驚いたのはギヤボックスだった。ちょっとした工夫で、トラクション・モータ型のギヤボックスを作ってあり、中に平歯車を入れて2段減速の製品だった。

 「どうも調子が悪いので、どこを直せばよいのか教えてくれ。」ということであった。ふたを開けて驚いた。単純なスパーギヤではなく、斜(はす)歯歯車であった。

 斜歯歯車は、回転時にスラストを発生する。多段であれば、回転数が大きい時はトルクが少ないので歯の角度は大きくなる。低回転部分ではトルクが大きい分だけ、歯の角度を小さくする必要がある。

 一つの軸に大歯車と小歯車があれば、その両者が発生するスラストが打ち消しあうようにせねばならない。すなわち、歯の傾く方向は互いに逆向きになるべきである。

 ところが、見せられた製品はスラストが助長しあうようになっていて、モータの回転により、歯車がギヤボックスに強く押し付けられながら回転するようになっていた。摩擦は極めて大きい。それを指摘し、歯の角度を反転させたところ、極めて調子のよいものとなった。

 このようなことが次々に改善され、AJINの製品は急速に向上した。しかし、アメリカのインポータの意向で、押して動くギヤが採用されることはなかった。 Overland Models の技術力のなさが露呈していた。


 写真は自動車用の変速機の内部。ギヤ比に応じてねじれ角が変化し、なおかつスラストが互いに打ち消しあう設計になっている。 

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コメント一覧

1. Posted by 読者   2009年01月22日 10:27
5 2年以上前の記事ですが、改めて読み直してみると勉強になります。これからも宜しくお願い致します。

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