2006年12月05日

続 プラグマティズム

 筆者は幼少の頃より鉄道模型に親しみ、楽しんできた。学校で習ったことは全て応用してみた。

 高校の物理の教科書に書いてあることはほとんど全部やってみたと思う。それ以降は、あまり関係のない方面に進んでしまったので、工学はほとんど独学である。

 模型雑誌を見ると、あまりにも非常識なことがたくさん書いてあるので読む気がしなくなった。そのような誤りは、ほとんどが思い込みからきている。あるいは他人からの吹き込みである。

 筆者は、現在、客観性が必要な仕事をしている。いかなることも、原理原則から導き出さねばならず、本に書いてあることを全て疑ってかかるのが性になっている。

 模型雑誌の責任は重大である。年寄りはともかく、若年層に対して正しい知識を与えねばならない。編集者は博識でなければならない。もし、知識がなければ、正しい知識がどこに行けば得られるのかを知っていなければならない。

 この点、日本の模型雑誌には合格点はつけられない。

 さて、アメリカとドイツの話をしよう。彼の国で進歩した鉄道模型を分解して驚くのは、機械工学の常識がちりばめられている事である。軸受、歯車、モータいずれも文句の付けようのない組み合わせである。ライオネルの歯車は3条ウォームで(押して動かす目的ではなさそうだ)、ウォームには硬い材料が使ってある。メルクリンのスパー歯車は、『互いに素』である。軸受けは摩擦軸受けだが、軸は細く、円周速度を小さくして損失を抑えている。接点は硬質ニッケルめっきが施され、耐久性に富む。

 当たり前のことばかりであるが、この中で日本の有名模型店製の車輌中、実現されているものがどれくらいあるだろう。

 これは社会の成熟度だけでは説明できないと思う。より優れた模型を作ろう。そのためには何をせねばならないかということを考えねばならない。

 どうしても、外観重視になるようだ。模型雑誌を見ると、ディーテイルをこうつけましたという記事が大半だ。走らせるということを忘れている。そんな模型にはモータとギヤは必要なかろう。

 鉄道の魅力はどこにあるのだろうか。筆者が気に入っている表現を掲げさせていただく。
 「鉄道の社会的背景を取り去り、情緒を抜いて全てを裸にすれば、それはメカニズムの美しさである。」

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コメント一覧

1. Posted by 愛読者   2006年12月05日 14:22
本当にその通りです。雑誌社の責任は重大です。売れているから支持されていると勘違いしているのではないでしょうか。惰性で買っている人も多いはずです。私もやめました。
インターネットも同じで、アクセス数が多いからすばらしいわけでもないのです。おかしなことを書いていても、それがわからないような小学生程度の人たちが絵を見て喜んでいるような所もありますね。英語とフランス語ができるとか書いてあるのですが、LとRの区別もつかないような人が嬉々としてウェブサイトを維持しているのはどうにかしたいものです。

さて、このブログのことですが、今後どの方面に進んで行かれるか、興味津々です。レイアウト、DCC、客貨車、工作どの方面に進まれても、きっと毎日わくわくすると思います。楽しみにしています。
2. Posted by ina   2006年12月05日 17:30
日本の模型雑誌に、いかに権威主義的無知さが有るかは少し係われば多くの人に解る部分でしょうが、これすら解らない人が増えているのは、教育の問題ではないかと思わざるえないのですが。ドイツのバウハウスやマイスター制など物作りをする人間を大事にする教育システムなどが日本には崩壊してしまっているのが大きな違いではないかと思います。物を作ることを尊ぶ思想すら欠落してきているように思えてなりません。鉄道の機構的美しさが理解されない世の中は余り考えたくないですね。
3. Posted by 初心者   2006年12月13日 01:47
機械工学の常識にそって作っている会社は、日本にはあるのでしょうか?
KATOはどうですか?

4. Posted by dda40x   2006年12月13日 07:19
私はKATOの製品を一度も手にとって見たことがないので、なんとも申し上げようがありません。軸受、歯車、フランジを見れば大体のことは分かるのではないでしょうか。

どなたかそのあたりの経験のある方に御意見を伺いたいと思います。
5. Posted by 01175   2006年12月13日 18:18
カトー製品の16番はC56しか見ていませんが素になっていました(Nではカップギアを使用していた30年以上前に素ではないものから素に直しています)。しかし、これを真似たと見られる韓国の三弘社の製品に比べて走行音がうるさいのが残念です。

ドイツ製でもフライシュマン製品は素になっていませんでした。フライシュマン製品は1950年代のものから見ていますが、メルクリンのものより走行音が静かでスローも良く利きます。メルクリン製品はせっかく歯数が素になっていても軸受けの精度が悪いようです。
6. Posted by 初心者   2006年12月14日 20:05
01175さん、答えていただき有難うございます。
>ドイツ製でもフライシュマン製品は素になっていませんでした<
こうなるとフライシュマンは機械工学の常識に沿ってない、ということになりますね。
7. Posted by 01175   2006年12月14日 22:31
機械工学的にはどのように考えられているのか存じませんが、メルクリンやフライシュマンの採用していた平型コンミというのもラジアル差によって発生する余計な摩擦を考えると不思議な構造なのではないでしょうか。日本ではニューワン製品などで見られましたが1960年代には消えたようです。メルクリンでは1970年代の終わり頃に円筒コンミに改められましたが、フライシュマンは一部の製品にまだ使っているようです。

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