2006年11月20日

押して動くディーゼル機関車

chain drive 祖父江欣平氏の工房には走行装置取替えの依頼が殺到するようになった。その点ではこのビジネスは成功であった。

 ミルウォーキの会場で出会ったアメリカ人が、デモ機のFEFをいくらで売るかと聞いてきた。「私の宝物だから売らない。」と言ったら、「それなら注文をするからたくさん作れ。」ということになった。
 祖父江氏はカツミ模型店の下請けをしていたので、「カツミ模型店を通しての下請けならやってもよい」ということになった。仕事は始まったが、彼らの資金が続かず、結局のところアメリカには数台の輸出で終わったようだ。残りは国内で捌けたという。
 
 しかし、うわさがうわさを呼んで、祖父江氏のところにはアメリカから直接、改造注文がやってくるようになった。

 蒸気機関車の改造がある程度済むと、次はディーゼル機関車の改造を望む声が大きくなった。
Bill Wolfer氏が「ディーゼルは車輪径が小さいから難しいね。」と言ったので余計やる気になった。

 確かに車輪が小さければ、その分車輪を回転させるトルクが小さくなる。しかし、車輪数は多いから、押した時掛かる力が分散して、有利になる。駆動軸を床下に通すとモータの収容場所がなくなり、結局チェーンで上から下ろすことになった。このチェーンはプラスチック製で、精度高くできている。台車間が長い大型機の場合はモータから直接に駆動できる。

 この方式で部品を標準化し、いろいろな形式の改造に応える方法をとった。これはアメリカの模型屋を経てかなりの数が出て行った。一部はシカゴの科学工業博物館のレイアウトで、運転用に採用されたと聞いた。毎日数時間走らせるのであるから、耐久性に目をつけたのである。

 この一群の製品には、祖父江氏の発案で、車輪と車軸の固定に細目のネジを用いた。細目とはISOネジのうち、細かいピッチのネジである。同じトルクでも締付け力が大きく外れない。ちょっとしたことなのだが大きな進歩であった。


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