2006年11月12日

ボールベアリング

フランジつき ベアリング屋に少量のボールベアリングを買いに行くと、番頭が応対してくれた。その番頭はずいぶんと世話を焼いてくれ、そのうちに価格も大口の顧客並みにしてくれる様になった。

 ミニチュアベアリングは普通のベアリングのように圧入してはいけないということを知った。「滑り嵌め」をしなければいけないと習った。軸に油を付けて、手で押し込むと、ぬるぬると油の粘性を感じながら入っていく。このときがマイナス17ミクロンと教えてくれた。確かにマイナス15ミクロンでは固いし、マイナス20ミクロンではするすると入ってしまう。なかなかうまい方法を教えてくれたものだ。
 
 シャフトを外注するときはベアリングを一つ渡して「これがぬるぬると入る様に」というとちゃんとその様にしてくれる。

 その後、番頭が退職してからは、その店とは自然と疎遠になってしまった。残念なことだ。

 さて、最初に買ったベアリングはフランジつき、両シールドというタイプだった。フランジが付いていると、軸受けハウジングに嵌めるだけでよいので気に入った。しかし、その番頭に嵌め込んだものを見せると、「これは間違った設計だね。軸箱に一つしかベアリングが入っていないというのは、ありえない設計だよ。」と軽くいなされてしまった。

 どんなときも、軸箱一つに二つのベアリングというのは鉄則だ。そうでないと、荷重が掛かるとベアリングがひねられる力が掛かる。

1941 locomotive cyclopedia より複写 本物の写真を見ると、蒸気機関車では左右の軸箱が円筒でつながれて、転ばないようになっている。伊藤剛氏の解説によるとそれはキャノンボックス(大砲状の箱)というのだそうだ。なるほどこうすればよいのかと、膝を叩いた。



蒸気機関車用canon box
問題はウォーム・ギヤボックスである。ここには大きなスラスト(軸方向の推力)が掛かる。これを受けるにはスラストベアリングが必要である。

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by 受験生   2006年11月12日 20:51
5 受験勉強の合間にやってきました。
自分がいま勉強している化学の内容が、こんなところに!
という感じで楽しく拝見しています。
(実際には逆で、役に立つから入試の題材になるのかもしれませんね)
2. Posted by 森井義博   2006年11月12日 22:22
5 シャフトの径の公差ですが、昔、モータの設計をやっていた頃、圧入で厳しく管理する必要がある時でも、±0.002mm、すきまはめの場合でも±0.005mmだったように記憶しております。
ボールベアリングを渡して、±0.001mm以内の精度で作ってもらえるとはうらやましい限りです。
精密級のボールベアリングばかり扱っていましたが、真円度を測定すると某社の製品は、意外と真円でなかったり(鉄道模型レベルなら真円ですが)して、その会社の製品(安い)は量産で使わないように指示を出した事もあります。

それから、ミニチュアベアリングのような深溝のボールベアリングの場合、スラスト方向に対して結構強い(スラスト方向の荷重が強いと寿命は短くなりますが、鉄道模型レベルの使い方で回らなくなってしまうことはないのでは?)と思うのですが、スラストベアリングなしで壊れる事はあるのでしょうか。
3. Posted by dda40x   2006年11月12日 23:04
受験生さん、森井さん、こんばんは

 シャフト屋さんなら、その程度の精度は出せる機械を持っているはずです。(持っていないと仕事が来ないのでは)

 スラストをかけると、薄型ベアリングではアウターレースが多角形に歪みます。ベアリングハウジングの剛性が高ければよいのですが、ブラスの挽き物で厚みが0.5个靴なければ伸びるでしょう。しかもその時のギヤボックスは、精度の出ないロストワックス鋳物でしたから。一つずつ寸法が違うのでヤスリで擦ってあわせていました。ガタがあって当然でした。

 4日ほど後の記事でも触れますが、100両以上の貨車を牽いてエンジンブレーキを掛けた時の衝撃は十分に大きく、精密に作ったギヤボックスでなければ壊れてしまうことが、計算上予見できました。私のところの列車の質量はかなり大きく、急停車時の力積は信じられないほど大きいのです。

 後にCNC加工で超精密ギヤボックスを作りました。このときは当然スラストベアリングは省くことができました。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Recent Comments
Archives
Recent TrackBacks
Categories
  • ライブドアブログ