2006年11月04日

接着と塗装

フロクイル塗料 母材によくぬれる物質が、母材間で硬化すればそれば接着である。母材表面は清浄であれば、接着力が働く。この力は分子間力と呼ばれる力で、静電気的な力である。 

 実際の接着はうまくいかない場合が多い。液体が固体になる変化時に、生じた固体の中に応力が発生する。簡単に言えば体積変化などで「ひきつれ」が発生するのだ。このため接着剤が弱くなり、本来の接着強度の1/100ぐらいしか発揮できない場合が大半だという説まである。

 硬い接着剤が具合が悪いのなら軟らかいものを調べてみると、ゴム系接着剤とか、シリコン・シーラントがある。これらの接着力は意外に強力である。内部応力の問題があまり無いからだ。また、力の伝達経路を分散させることも大きなファクターであろう。強力両面テープにスポンジがはさまれているのはこのためである。

 塗料も乾燥硬化すると、内部応力が発生する。薄く塗るほうがはがれにくいのは、このためであろう。その点、フロクイルという塗料はたいしたものである。薄く塗っても被覆力があるので、内部応力の小さい丈夫な塗膜になり、はがれない。

 本物の電車のペンキでは、はがれたところに塗り重ねたものは、重なったところがすべてひび割れている。やはり、ストリップしてから薄く塗らないとだめである。
 これはまさに塗膜の中の応力が現れたものである。大手の電鉄会社の塗装ラインを見学したとき、ストリッピングに大変な手間を掛けていた。仕上がりは素晴らしく、「経験が豊富な会社は違う」と感心したものだ。

 接着剤も薄く塗るほうのが強くつくことになるのだろうか。答えるのが難しいが、総論から云えばYESということになる。ABS系プラ用セメントはかなり違う種類の接着だから、エポキシに限った話にする。

 正しい接着が行われていれば、引張ったとき母材が破断する。ここで接着層が厚いと、接着層が破断する。やはり、内部応力が働いている。「エポキシは硬化時に体積が減少しない」と、能天気に書いている本が多いがこれは誤りで体積が変化する。

 鉄板をよく磨いて洗い、少量のエポキシセメントを塗って万力で締め付けると驚くべき接着力を発揮する。しかし普通はそんな使い方をしないから、参考にはなりにくい。最近のエポキシは硬化後もやや弾力がある。昔のものはパリパリになったから、進化したのだろう。多少軟らかいと、上述の応力の問題をクリヤーしやすいと思われる。可塑剤が入っているようだ。
 
 筆者においては、むしろエポキシはフィラー(filler)としてパテ代わりに使うことが多くなった。このパテもどきを作るときは何かの微粉(チョークの粉など)を入れて練ると具合がよくなる。単なる増量剤ではない。応力が分断され、また力の伝達経路が分散されるからである。コンクリートがモルタルより強い理由と似ている。

 瞬間接着剤も昔のものに比べるとかなり軟らかくなった。経験上そうなったのであろう。この種類の接着剤も、密着する面を清浄にして薄い接着層にすると極めてよくつく。模型のばあい、針金で作った手すりをプラの本体に突っ込んで留めるのが目的だったりするから、薄い膜はあまり関係なさそうだ。

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コメント一覧

1. Posted by ina   2006年11月06日 00:14
最近フロッキルが入手しにくくて困っています。以前はアメリカに出かけたついでに手荷物に入れたり出来たのですが・・・9.11以降はそれも不可能で。どうされていますか?

またエポキシは非常に多種の物があり一概には言えない部分が多いです。一般的に売られている接着剤としてのエポキシは、エポキシレジンと、硬化剤の他に、増粘剤など色々なフィラーが含まれています。ボート・ビルディングなどで使う場合、フィラーなどが含まれていないエポキシ・レジンとハードナーに各種フィラーをくわえて用途に合わせ特性を変えて使用したりします。主な物はシリカやフェノリック・マイクロバルーンなどですが、木材の微粉末を使ったりもします。
2. Posted by dda40x   2006年11月07日 22:36
確かに荷物検査でひっかかりそうです。先回ためしに持って帰りました。大丈夫でした。その理由は、一つにはもっと怪しまれそうな旋盤の部品を大量に持っていて、その検査で手間取ったこと。もう一つのファクターとして、食料品(びん入り調味料)と同じ袋に放り込んであったことでしょうか。
あまり参考になりませんね。

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