2006年11月01日

操舵台車

15 実はこの件は20年以上前に実験済みである。片方の車輪の内側をくりぬき、極小のボールベアリングを入れた。直線での走行にはややふらつきがでたものの、曲線での振舞いは秀逸であった。今思えばボールベアリングを入れるほどの荷重がないので、単に車輪をゆるく取り付けて、注油しただけでも十分であったろう。

 もう一台の台車は、ボルスタを長くして、外側リンクで吊った。どちらの方が乗り心地が良いか調べるためである。結果は外側方式の勝ちであった。部材が長いので、荷重によって多少のたわみが生じ、それが乗り心地の向上につながった。ただし材料が多く必要で、台車1台は 51 kgもあった。

 動力台車はさすがに左右別回転には出来ない。自動車で言えば、デフロックした状態でないと牽引力が出ない。本当のところを言えば、全部の動軸をギヤで連動したいところだ。

 ここで一つ問題を。
 動軸上重量が等しい蒸気機関車と電気機関車(EF58のような旧型機)がある。どちらの起動時の牽引力が大きいか。

 正答は当然前者である。すべての動輪が連動しているので、すべてがスリップするまで静止摩擦力が働くからである。各軸につけられたモータでは一つでもスリップするとそれは動摩擦力となり、牽引力は減少する。

 大きなモータ、揺れ枕をつけると軸距離が長くなり、急カーブではフランジが当たるようになる。損失も大きいが、それ以上に脱線しやすくなり、人が乗る車輌としては問題点が多くなる。操舵台車以外、解決法は無い。

 幸い、事情をご理解願って、ボールベアリング製造会社から、ベアリング、テフロンのすべり板などを戴いた。半径 4 mでも軸箱が35mmほど動けば十分である。操舵台車を走らせるには軌道の方も、それに備えた線路の敷き方をせねばならない、スラックをゼロとし、Sカーヴでは車輌1台分の直線を挟む必要がある。これを怠ると、とんでもない方向に操舵することになる。

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