2006年10月18日

ベリリウム銅

GTEL Clamps ベリリウム銅(以下ベリ銅と略す)をロストワックス鋳造に使うとよいと最初に教えてくれた人はBillの友人のRalphである。Ralphは本業(交響楽のフルート奏者)のかたわら、鉄道模型が趣味から仕事になってしまった人である。

 HOのディーテイル・パーツを作っていたUtah Pacificの社長であったと言えば、分かる方もおありだろう。彼の家には非常に細かくできたレイアウトがあった。どんなものも動くレイアウトである。車両のみならずストラクチュアも全てモータライズされている。彼は主席フルート奏者であったが演奏は夜が多く、昼間は少し練習するだけなので、その時間をロストワックス製造に充てることができたと言っている。

 Utah Pacificの部品のなかで赤い銅の色をしているものがあれば、それはベリ銅である。曲げてみると、妙に硬いはずだ。鋳肌はきれいである。
 
 ベリリウム銅は熱処理によって工具鋼と同等の硬さが得られる。磁性がないので、磁気を嫌う環境で用いられた。例えば、録音テープの編集用ハサミ、ピンセットなどをはじめとして、磁気機雷の除去に当たる掃海艇のエンジン、歯車、ボールベアリングなど、全てベリ銅製である。
 
 しかしベリリウムの酸化物などを吸い込むと、いわゆるベリリウム肺になる惧れがある。昔、蛍光灯の蛍光物質がベリリウム化合物だったことがあり、蛍光灯工場で患者が続出したらしい。そのせいもあって日本ではベリリウム銅の加工まで厳しく管理されるようになった。これは過剰反応で小さな鋳物にする程度のことでは、まず問題はない。

 ベリ銅は湯流れが極めてよく、細部まで再現される。Mother(母)型から作った鋳物をDaughter(娘)という。その娘から再度作った鋳物をGrand Daughter(孫娘)という。

 たくさんの部品を作らなければならないときは、20個の娘をベリ銅で作り、それをツリーにして、再度、型を採る。そうすれば一回に20×20個くらい孫娘の鋳造ができる。この方法では複製時の劣化がほとんどない。


 写真はその方法で作ったGTELの屋根上のクランプ(孫たち)。一部湯が廻っていない。湯流れの悪いブラスで作ったからである。

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