2006年10月13日

原型からゴム型を作る

ea687956.jpg 原型は何で作っても良い時代になった。以前はハンダ付けでは駄目で銀ロウ付けをしなければならなかったが、技術革新で楽な時代になった。

 まずブラスなどで作りたいものの3%ほど大きい原型を作る。この3%は「鋳縮み」という。このとき湯口(融けた金属が通る道筋)をどこにするか決めるのだが、それにはかなり面倒なことを考えねばならない。鋳縮み量は形によるので、一概には言えない。

 それを生ゴムとともに箱に押し込み、圧力を掛けて160℃くらいに加熱する。すると生ゴムの「加硫」という現象が起き、柔らかい生ゴムが弾性体になる。この装置は電気アイロンとクランプで自作できる。それをナイフで切り開き、原型をつくる。切り開く時は、後でずれないよう、ジグザグに切る。

 加硫の温度が200℃であると、ハンダが融ける場合があるので、銀ロウ付けをしなければならない。そののちに、より低温で加硫できるようになり、ハンダ付けでもよいことになった。

 現在はRTVといって、室温(Room Temperature)で加硫(Vulcanize)できるシリコンゴムが主流になっている。これを使えば、相手がプラスチックでも印象をとることができる。いくつかのブランドが日本製にもあるが、筆者はフランス製のものを使っている。寸法変化が少ないのと弾力が桁違いに良いからである。

 そのゴム型を開いて空気抜きのパウダーを塗る。ゴム型からワックス注入時、空気が抜けやすくする。ゴムの隙間から空気が抜けるが、ロウは抜けない。このパウダーの塗り方にもいろいろなノウハウがあるようだ。

 ワックスを融かして圧力を掛け、ゴム型に注入する。このときゴム型が変形しないよう、うまく押さえ込みながら入れるわけである。この操作をWax Injectionといい、専用の機械がある。ノズルが非常にうまく出来ていて、押すと瞬時に注入される。ゴム型が冷たければロウは数秒で固まる。ロウはいろいろなタイプがあるが、固まったとき硬くなるタイプを用いると、プラスティックで出来ているかの如くパリパリのものができる。また、固まっても柔らかいものもある。ロウは何種類もある。
 
 中空のものを作る時は工夫して、中子(なかご)を抜くように作る。写真は、その中子の丸棒付きのゴム型である。灰色の台ごと外して、ロウ型を抜き取る。

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コメント一覧

1. Posted by Jackdaw   2006年10月13日 14:18
こんにちは。ご無沙汰してます。
ところで、加硫を英語ではVulcanizeと言うそうですが、何故「sulfur」とは関係のない単語を使うのですか?
ステンレスの話は、かなり懐かしく読ませて頂きました。
またお邪魔させて頂きます。
2. Posted by dda40x   2006年10月13日 23:19
Jackdaw様、こちらこそご無沙汰しています。お元気ですか。コメントありがとうございます。
Vulcanizeは火山に関係のある言葉です。この反応ではかなり硫黄の臭いがするのでそんな名前になったのでしょうね。ステンレスの話はいろいろな方からの反響があり、嬉しい限りです。


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