2006年10月06日

ダイナミック・ブレーキ

6afb4bf1.jpg ダイナミックブレーキについては9月5日の記事で少し触れたが、さらに詳しく書けという御要望を戴いている。

 下り坂をブレーキ無しで下るのは不可能だ。軸受けがローラベアリングになると摩擦がほとんどなく、空気抵抗だけといってもよい位の状態になる。機関車の後ろには1万トンの列車がある。抑速ブレーキが必要である。機械式(摩擦)ブレーキではすぐに焼けてしまう。

 幸い電気式ディーゼル機関車は各軸にモータが付いているので、それを発電機にすれば、電気ブレーキが効くことになる。このときモータの界磁には励磁電流が必要である。補助発電機で起こした電気で励磁して発電する。作られた電力はエンジンの上部に取り付けた抵抗グリッド(抵抗器でできたバーベキュー網状のもの)に通す。発生した熱は、ファンで大気中に放出される。

 そのファンはモータで発電された電力で廻る。GP9では1番と3番のモータで作られた電力で廻ると書いてある。すなわち、力行状態では止まっている。
 ダイナミック・ブレーキを作動させたときだけ廻る。その回転音はブレーキのノッチ切り替えによって変化する。
 ベアリングの寿命を考えると、止まっているときに衝撃があると痛みやすいようにも思うが、風でいつも少しずつは廻っているので、問題はないのだろう。

 どんな機関車にも付いているわけではなく、本線上に長大な勾配がある路線のみに採用されている。発注時に取り付けるかどうかを決める。

 ギヤ比もいくつかの組み合わせが用意されていて、旅客用・貨物用、線区の勾配などを考慮して発注できるようになっている。

 運転マニュアルを見ると冷却液の調合も指定されている。-60℃までのグラフがあるのはさすが大陸横断鉄道を持つ国である。

 筆者が体験した最低気温は、自宅裏庭で-37℃、標高3300mのスキー場で-57℃である。そのグラフはハッタリではない。

 写真はKemtron社製のロストワックス鋳物である。さすがに45年前のものなので少々古臭い。右は自作のWinterization Hatchである。 

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コメント一覧

1. Posted by 寺久保 敦己   2006年10月10日 11:33
お久しぶりです。
このダイナミックブレーキのことを聞くと、いつも後に蓄電池車を数輌つなげ充電すればいいのにと思うのですが、日本人のケチ根性でしょうか。
日本は狭い国土が幸いして電化が進み、最初は同様発電ブレーキでしたが、今では大半電力回生ブレーキですね。地球に優しいシステムと思います。
2. Posted by dda40x   2006年10月14日 18:06
寺久保様
私も同じことを考えたこともありましたが1%勾配で100kmもあるとそれだけで1000メートル登ります。1万トンを1km持ち上げる。それに必要なエネルギーを考えると蓄電地ではとても足りそうもありません。やはり最終的には電化して回生制動にしなければならないでしょう。
しかし、電力は200kmしか送電できませんから、そういう観点で電化が進まないのでしょうね。 とにかく、広すぎるのです。
3. Posted by ワークスK   2006年10月20日 16:58
30年ほど前、三菱電機が京浜急行にフライホイールの蓄電所を納入したはずですが、その後どうなったのでしょうか。同じ原理で、車両に積むという話もありました。確か香港だったような……

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