2006年10月04日

Winterization Hatch

f3eb1b28.gif 昨日のGP7の写真をご覧になった方から、「ラジエータ・ファンの上に載っている妙な形の箱は何か」という御質問を戴いた。皆さんが詳しく見ていらっしゃるので驚いた。
 
 これはWinterization Hatchという。前の語の発音はウィンタリゼイションに近い。中身は空でシャッタが付いているだけである。
 
 エンジンルームの中は負圧になっている。冷却用空気はラジエータのみを通過するのではなく、内部の補機類を冷却してからラジエータを通過する。もちろんその中間点には、手動・自動のシャッタがあり、気温その他の条件により、エンジンルームの中の空気流通量を加減する。冷却ファンも条件により動く数を変えられる。

 さて、猛吹雪の中を走るときは何が起こりうるだろう。雪はエンジンルームに侵入する。負圧だから当然である。多少のことは良いのだが、UPのように山岳路線を持つ鉄道では、それは大変なトラブルを引き起こすことがある。比較的温度の低いところでは雪が溜まり、凍結してしまうのである。したがって、冬将軍がやってくる前に相応の準備が必要である。

 この図はEMDのGP9の取扱い説明書からのコピィである。この中央左にあるダンパを半時計廻りに90度回転させる。同時に、エンジンルーム側面にあるルーバ裏にあるエア・フィルタを板で塞ぐ。するとエンジンルームはかなりの負圧となり、ラジエータから放出された熱気はほとんどが吸い込まれる。その結果、エンジンルーム全体に程よい温度の空気がいきわたり、凍結から守られる。

 このハッチ(箱)の上は、ファンの上だけ開放されている。四角の穴が開いているだけだが、たいてい粗い金網が付けられている。小動物(リスだとか鳥)が侵入するのを妨げるためである。

 夏はダンパを下向き(この図の通り)にすれば熱気は大気中に全て捨てられる。

 模型には何の関係もないことではあるが、構造を知っていると、ちょっとしたディテイルを付けて、より実感味が増すはずである。
 この図ではわからないがダンパの軸は外に突き出て小さいハンドルとロック・ボルトがある。 

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by ワークスK   2006年10月04日 16:18
5 ウインターライゼーション・ハッチの内部構造を、初めて知りました。
昔の日本のトラックがフロント・グリルにエプロン様のものを付けていた記憶がありますから、同じようなものだとは思っていたのですけれど。EMDの入換機SWシリーズは、このトラックと同じで、ガード金網の中にブラインド式のシャッターが見えます。
GP、SDシリーズは最近のものにも付いていますから、この仕組みが優れているということなのでしょう。ことによると、かのリチャード・ディルワースの発案かもしれません。

一方、昔からの疑問は、Alco、GE系の機関車が寒冷地対策をどうしているかなのですが、ご存じありませんか。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Recent Comments
Archives
Recent TrackBacks
Categories
  • ライブドアブログ