2006年09月10日

3-unit GTEL

3492a22d.jpg GTELとはGas Turbine Electric Locomotiveのことである。ディーゼル機関ではなくガスタービンで発電機を動かし、それを各軸のモータに分配して列車を牽く機関車を言う。
 日本のこれまでのディーゼル機関車には電気式のものは少ない。最近久しぶりに電気式が現れた程度であるが、アメリカはその逆で殆どが電気式である。大出力ではトルクコンバータ内のクラッチが持たないからである。
 
 Union Pacific鉄道は世界の鉄道の中で、その種の機関車を最も多く保有し、稼動させた鉄道である。初期のものは4500馬力程度であったが、何度かの改良により最終的に8500馬力の機関車を30両稼動させた。この写真の機関車はその中で最終機番であり、意欲的な改造実験により11,000馬力を叩き出したモデルである。
 
 8500馬力級の機関車は3ユニットに分かれ、1両目はコントロールユニット、2両目はパワァユニット、3両目はテンダ(炭水車)である。もっとも石炭ではなく重油を積んでいる。重油は粘いので、ヒータで予熱して圧送する。水は積んでいない。

1両目には補助のディーゼル機関(それでも750馬力ある)と空気圧縮機などの補機類を積み、2両目にはガスタービンが積まれている。排ガスは2両目の最後尾から、炭水車の上をかすめて斜め後ろに噴き出す。その音はまさにジェット機の離陸時の轟音であり、UPのように田舎を走る鉄道にしか許されない凄まじさであった。

 そもそもどうしてこのようなタービン機関車が導入されたのかというと、燃料費の高騰に端を発している。ディーゼル用の軽油の値段に比べ4分の1のC重油を使うにはもっとも簡単な方法であったそうだ。ただし、距離あたりの消費量は軽油の2倍ほども喰い、決して良くなかった。機関車自体の保守費用を考えると、高性能なディーゼル機関車が出現すれば、負けそうな範囲にあったという。
 しかも、アイドリング時でもフルパワァの半分もの燃料を無駄喰いしたのである。

 事実5000馬力のDD35、6600馬力クラスのDDA40Xが出現すると、たちまち廃車になってしまった。しかしこの機関車は、UPの飽くなきハイパワァへの挑戦を象徴している。そしていつの世の鉄道ファンも、これを特別な機関車として敬愛の目で見つめるのである。


 

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