2006年09月05日

2台のDDA40X

333ade85.jpg やはりこの機関車が好きである。手前がBillのキットで、向こうがスクラッチビルドのキャブ。
 
 駅の方に行けば必ず機関区を覗いてみた。DDA40Xが居れば模型化する資料の写真を撮る。機関区の連中も、変な東洋人が特定の機関車ばかり見ているので、興味を持ったようである。運転室に乗せてもらったり、エンジンの始動をさせて貰うほど仲良しになる。

 アメリカの機関車はダイナミック・ブレーキが付いているものが多い。下り坂で1万トンもの貨物列車を暴走させないために、エンジンルームの上に放熱器がつけてある。大きな扇風機もついていて、ブレーキを掛けると駆動用モータが発電機となり、発電した電力はこの放熱器の中の抵抗グリッドの中で熱に変わる。その熱を、これまた発電した電力で回る扇風機で冷やす。つまり、ダイナミック・ブレーキのファンは、力行時は廻らない

 下り坂では巨大なかげろうを立てながら降りてくる機関車を見ることができる。その時、放熱ファンがブーンと独特の音を立てていることに気がつく。

 DDA40Xはその放熱器を使ってエンジンの全負荷試験を行うことができる。要するにエンジンを全開でぶん回しておいて、その出力をすべて抵抗器で熱にして捨てる。なかなか壮観である。

 ガスタービン電気機関車(GTEL)が60年代に終焉を迎えたのには、燃料の重油の高騰以外に、いくつかの原因がある。その中でディーゼル機関の高出力化の実現がある。それまで2000馬力どまりだった出力が3000馬力以上になった。
 2台積めば6000馬力になる。こういう単純な発想で2台エンジン(Double Diesel)機関車が出現した。しかし、エンジンは故障するものである。1台故障するともう1台のエンジンが生きていても工場に入れなければならない。すると巨大機関車の運用に穴があく。3千馬力の機関車をたくさん持っていて、故障したのを外すだけならさほど問題ではない。たとえば、一編成の貨物列車に3000馬力6輌の運用が5輌になっても許容範囲である。6000馬力3輌のところが2輌になると大変な問題である。
 
 高校の頃、数学の確率の問題で「双発の飛行機と四発の飛行機ではどちらが安全か」という問題があったことを思い出す。ある程度以上の故障確率では双発の方が安全になるという結論であった。それとよく似た話である。
 当初は8500馬力のGTELを置き換えるために2500馬力機関2台搭載の機関車を2輌と言うアイデアであったが、貨物の増加量のほうが想定を上回った。

 4軸台車というものにすごく興味があった。何らかの方法でイコライズしてあるのかと思っていたが、バネのストロークがやや大きい程度であった。固定軸距離が長いので、ポイントなど急曲線では線路の方が壊れてしまう。このDDA40Xは、保線の方からはかなりの不満が出ている機関車であった。

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