2006年08月26日

エッチングを試す

ca0dffb6.jpg  Billは、すべて切削でものの形を作り出すということに拘っていた。エッチングは嫌いだとは言っても、ラ二ングボードのダイヤモンド型を彫り出すのは大変である。後に量産を試みた時に、エッチングを始めると言い始めた。
 最初に彼は感光剤を均一に塗る道具をこしらえた。これはWhirlerといって(日本語ではホワラと音訳されるそうだ)レコードのターン・テーブル風のものである。焼きなましたブラス板を置き、安全光下で感光剤をぽたぽたと中心に垂らしていくのだ。遠心力で全体に広がったら、赤外線ランプで裏から加熱し硬化させる。製図屋でコピーさせたフィルムを重ねて水銀灯の紫外線で焼き付け、現像液で処理し、アルカリ水溶液で洗い落とす。それを塩化鉄(掘砲稜燦水溶液に漬け、空気を吹き込むと5分くらいで出来てしまう。

 こう書くと簡単そうだが、いくつかノウハウがある。焼き鈍した板を使うのもそのひとつで、圧延の時のストレスにより「目」が出てしまうのを避けるためである。溶解速度に差があるからだ。
 せっかくたくさん作ったのに失敗作もあり、私自身用に作ったDDA40Xの床板は足らなくなってしまった。そうしたら、Billは「そんなもの、針で引っ掻いて作ればよい」というのでガリガリと何十本も線を入れて作った。生の板を引っ掻くと片面だけストレス(応力)が開放されて反りくり返る。これも焼き鈍したものを使うべきである。出来たのを見せると、"Oh, it's a scratch building."とおどけて見せた。"scratch"とは「引っ掻く」という意味であった。

 ところでこれは何だろうか。答えは3日後発表。(これはBillの作品ではなく、Kemtronという会社の製品である。日本ならさしずめエコーモデルさんの製品に相当するだろうか。)

コメント一覧

1. Posted by ひでやん   2020年04月10日 00:14
毎回 拝読しております。

目に見えないひずみがエッチングによって、目立つので、
ひずみの発生した深さの範囲を焼きなましによって軟らかくして、さらに溶かし取り去りやすくということですか?

だとすると焼きなましは表面のごく浅い部分だけでしょうか。

2. Posted by dda40x   2020年04月10日 06:42
 試しに、バネに使う弾力の強いリン青銅の板をエッチング液に漬けてみてください。しばらくすると不思議な模様が現れます。圧延による「目」が見えるのです。ブラスもそれほどではありませんが見えるようになります。
 加熱(300℃で十分です)して焼きなますと。こういう事が起こらなくなります。リン青銅はバネに使うので、焼きなますと役に立ちません。したがってバネに使う時は、抜き落としで作ります。
 銅合金は熱伝導が良いので、表面だけ焼きなますということはできません。したがいまして、エッチングでできたものはくたくたで強度部材としては使えません。
 一部の市販されている細いアングル材は、角が出るようにエッチングで筋彫りしてありますから、ぐにゃぐにゃです。こういう商品をどこに使うのか、私には理解できません。

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