2006年08月23日

すべてはここから始まった

f8892092.jpg  70年代初頭、Model Railroaderのある記事に筆者の目は惹きつけられた。
 とにかくすごいスクラッチ・ビルダが居るもんだということは分かったが、どんな人なのか見当も付かない。

 しかし人生とは面白いもので、偶然その人に近くに住むことになったのだ。しかも同じ町に。
 Bill Melis氏は、元々は腕のよいGunsmith(鉄砲鍛冶)であったが、本業が振るわないのでエアコンの販売修理で生計を立てていた。店を訪ねるとエアコン部品の山の中に特注のライフルやハンドガンが埋もれている状態であった。そして目指す鉄道模型は棚の上に2台置いてあるのみで、「最近は作ってないなー」とぼやいていた。店の奥にはNMRAのコンテスト1等入賞のブルーリボンがピンでさりげなく留めてあった。
 
 持っている機械は旋盤2台、縦フライス、横フライス、研削盤、ボール盤、タッピングマシン、プレス機2台、超小型射出成型機、そのほかにはライフル線条を刻む機械があった。これは手製で、実に簡単な装置であるが間違いなくライフル線条が刻めるようになっていた。その仕組みを書くと捕まる方が出そうなので、書くのは自粛する。(筆者も作って持っていた。その後、例のオウム真理教事件が勃発し、無関係の筆者が疑われるとまずいので解体して始末した。)
 Billに弟子入りを願い出たが、断られ、友達として付き合うということになった。それから12年後、再び近くに住むことになり、今度は週一回程度教えを請う事になった。

 ロストワックスの技法を習ったのは、Billからが最初であった。ハンドガンの握りにはめ込む象嵌風の飾りを作るくらいだから、鉄道模型用鋳物など朝飯前の腕である。台車を作る時に左右の台車枠をワンピースで作ろうということになった。プラスティックのインジェクション・マシンでプラスティック製台車をつくり、それを埋没材に沈めるロスト・プラスティック法を実演してくれたのだ。
 この台車枠は内側と外側を張り合わせて1枚にした物で、内側にはリブが中空に通っている。近日中にその写真をお目にかけるが、次回は外見のみをUPする。 

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