2024年02月

2024年02月29日

続々々々 20 innovations that changed the hobby

13. 昔はストラクチュアを作るのは大変だった。特にレンガ造りの建物は至難の技であった。1952年にPlasticvilleというキット群が売り出されてから、各社が追随し、大量のキットが市場に飽和している。

14. 昔は米粒球とか麦粒球などという白熱電球があった。これをいかにうまく使って小さな機関車の前照灯に入れるか苦労していたのだ。MRのLEDを紹介した最初の記事は1971年の踏切警報器の赤灯である。これは筆者も数年後に作った。現在のLEDはリード線のない表面実装型で、小さなZゲージでも使え、白熱灯よりはるかに長寿命である。 

15. 我々が最初に手にした鉄道模型の線路はおそらく居間のカーペットの上に敷かれたものであったろう。それが独立した部屋になり、合板の平面に様々な素材…おが屑とか篩(ふるい)を掛けた砂とか、アスベストまでばらまいて作ったのだ。そのうちにスポンジ粉やライケンが主流になり、1970年頃から静電気で直立させられる短い繊維を使うようになった。もうアスベストを使う人はいないだろう。この装置は専用のも売っているが、テニス・ラケット風の電撃捕虫器から外して作ることができる。

16. インターネットは鉄道模型向けの製品ではないが、これは我々の世界を大きく変えた。1989年にTim Berners-Lee がWWWを作るまでは、ある機関車を作ろうと思うと、それを持っているかどうかもわからない図書館に行って資料を探す必要があった。現在では絶版になった本でも、そのページだけを見ることができる。スワップ・ミートに行かなくても参加できるし、各鉄道の歴史保存協会に問い合わせて質問することができる。距離という概念がなくなったのだ。すでに、インターネットを使わずに鉄道模型を楽しんでいる人はほとんど居ないだろう。
(スワップ・ミートとはジャンク市のことである。様々な中古品、仕掛品、中には新品を格安で売ることもある。筆者のコレクションは、ほとんどここで入手したものばかりである。)

2024年02月27日

続々々 20 innovations that changed the hobby

9. Kadeeカプラは、双子の兄弟 Keithと Daleによって作られた。彼らの名前がK、Dであって社名の由来となっている。delayed uncoupling 切り離して押して行くことによりヤード内の入替運転が楽しくなるが、日本でこれをやっている人は稀だ。レイアウトを持たない人が大半だから、この機能を知っている人は少ない。Low-D車輪を採用していると、わずかの勾配がヤードにあれば思わぬ方向に転がってしまい、解放して置き去りにすることができないこともありうる。Nゲージのカブースには台車の軸受にわずかのブレーキが掛かるようにコイル・スプリングが入っている
 HO用も最近は大きさがやや小さくなり、スケール感が増している。すでに特許が切れているので、他社によって同等のものがたくさん出ているが、ケイディ社の製品が高品質である。

10. MRでは、いわゆるプラ板は1959年から紹介されている。簡単に切れ、木目もなく、穴あけ、ネジ立てが可能である。日本では1970年くらいからタミヤが板を売り出したので、一般化された。
 米国で市販されている板のほうが柔らかく、パキンと割れたりしない。接着剤は合成化学系の有機溶剤が長らく使われてきたが、最近は天然物のリモネンがよく用いられる。これを使うと、接合面が脆くなってパリンと割れるのを避ける事ができる。

11. Shake-the-Box car kit は、箱を振るだけできる訳ではないが、それほど簡単な組立てキットである。アサンに代表されるプラスティック車体を持つ製品である。パチパチと組めてそれなりの性能を持つ塗装済車輌ができる。長い編成も数時間で形になる。
 その昔、貨車は手作りであってキットがあっても組むのに数日もかかった。日本にはこの種の塗装済簡単キットはあるのだろうか。

12. 瞬間接着剤は1958年に、イーストマン・コダックで開発された。1973年に急速に世の中に浸透し、それまでの接着剤が長い硬化時間を要するので、工場での組立ジグの数が多く必要であったが、それを減らすことが出来るので極めて効率的であった。金属にもよく付き、エポキシ接着剤を駆逐した。固まった状態のものは熱可塑性であるから、加熱すると剥がれる。 
 硬化促進剤もあるので、さらに早く固まらせることもできる。固まるのは発熱反応であるから、多量を瞬時に固まらせると火傷をするほど熱くなる事がある。 


2024年02月25日

続々 20 innovations that changed the hobby

5. エアブラシは19世紀からあるが、MRの記事で最初に扱われたのは1959年と遅い。TMSで吹付塗装の話が出たのはいつ頃だろう。それまでは刷毛塗りが普通である。ウェザリングには不可欠の技法であるが、その話題が日本で扱われたのは1970年代である。

6. チョークの粉を塗ってウェザリングするのは、日本の鉄道模型ではまだ普遍化されているとは言えないだろう。米国では刷毛を使って擦り込むのが普通になっている。タミヤなどが顔料粉のセットを売り出したので、ようやく用いる人が増えて来た。

7. 米国ではフレキ線路は1938年からあるそうだ。1945年の記事でウェスコット編集長はアトラスの線路が堅過ぎて曲がらないと書いている。その後篠原が優れた製品を出し世界中に売れた。これがなければレイアウト作りは大変な手間が掛かる。

8. X2Fカプラーは日本では馴染みがない。1955年に導入されたが、日本ではベーカー式が主流であった時代だ。アサンのHO貨車には付いているが、連結に多少の力が必要だったり、推進運転で脱線しやすかったりしたので人気はなかった。ただ、米国ではカプラーの統一に大きな働きをしたことになっている。Oゲージ用のブラス製の製品もあったがほとんど浸透しなかったのは、その形の異様さだったという。

2024年02月23日

続 20 innovations that changed the hobby

1. ディカールがないと、文字表記等は手書きか、写真を切って貼ることになる。1970年頃までは皆そうしていた。絵の具に中性洗剤を一滴落とし、細い筆で書き、剥がれないようにクリアラッカで押さえたのだ。
 椙山 満氏がディカールを米国から輸入し、貼って下さったことを思い出す。米国では、ライオネルは1937年から「製品に使用している」と広告に表記していたそうだ。

2. これは日本では使っている人が稀である。HOに限らず各ゲージで使うべきである。以前話題になったゲージのグループでは頒布したのだろうか。怪しい車輪、分岐を使っていても、その間違いに気付けないのはまずい。ノギスで測れば分かると言う人もいるが、決してそういうものではない。

3. 以前はPFM方式、最近はDCCである。本物の音から作ってあるのできわめて実感的である。大昔は機械的な雑音を発生させるものがあった。イギリスの製品であったが、車輪が回転すると小さな太鼓の表面を擦って、シュッシュッという音を出すものを小栗氏から見せてもらった。音の出る模型は実感を与える。ただし、動力源からそれ以上の音が出ている様な機関車も見ることがあるのは残念だ。最近は煙の表現を超音波加湿器のモジュールで行うようになった。この20の発明の中には入っていないが、これも大きな進歩である。

4. 調色済みの模型用塗料は1946年にフロクイルが14色出したのが最初らしい。模型用塗料は、汎用の塗料より細かい顔料を用いて、滑らかな表現を可能にした。フロクイルはその品質で模型界を席巻したが、顔料に重金属元素化合物を使用していたので、数年前に廃業してしまった。舐めるものではないので問題はないのだが、理解が足らないのに攻撃する人がたくさんいて、批判に耐えかねたのだ。現在の米国では、フロクイルの小瓶が高値で取引されている。

2024年02月21日

20 innovations that changed the hobby

Jan 2019 MR Model Railroader の 2019年1月号にある記事の表題である。"that" という関係代名詞が使ってある表題は珍しい。「この趣味のあり方を変化させた20の発明」というような意味だ。
 日本では馴染みの少ないものもあるが、なるほどと感じるものもある。一応全部羅列してみよう。

1. 水で貼るディカール
2. MNRA のゲージ
3. 車輌から音を出す装置
4. 調色済み塗料
5. エアブラシ
6. ウェザリング用チョーク
7. フレキ線路
8. X2Fカプラ
9. ケイディ・カプラ
10.  ポリスチレン系プラスティック板
11.  簡易組立てキット 
12.  瞬間接着剤
13.  プラスティック製建築物キット
14.  LED
15.  地面材料と静電気植毛技術
16.  インターネット
17.  レーザカットによる建築物キット
18.  DCC
19.  3-D プリント
20.  dead rail 

 単なる翻訳ではなく、筆者の解釈を交えて紹介していこう。  

2024年02月19日

hi-efficiency triple-thread worm gear

 神戸では、高効率ギヤについていくつかの事例をもとに会話があった。 どなたも同じことを言う。
モータの出力が直接動輪に掛かりますね。」

 高効率であることを、最も端的に表す表現である。六角ジョイントの使用体験も聞いた。貫名氏は短いものが使いやすいとおっしゃる。長いものと短いものの両方を使用した上での感想であるから、価値のある情報である。短いものをガタを少なくして使うと、隙間にバネを入れる必要がないそうだ。

 高効率ギヤモータ軸とギヤ軸が同一直線上になるようにトルクアームを調整するのがコツだ(先回の写真を再掲)。モータは固定され、動軸とは無関係である。

 モータは、筆者はコアレスモータを推奨しているが、貫名氏はある理由があって有鉄心モータを使っていると言う。
 押すと動いてその電力で他の機関車が走るというのはコアレスモータでないとうまく行かないのは当然である。ところが貫名氏のレイアウトは山岳レイアウトであり、斜面で滑り落ちるのはまずいという特殊事情があるのだそうだ。コアレスモータを使うとヘッドライトを点けて、するすると一番下まで行ってしまうらしい。  


2024年02月17日

続 exhibition in Kobe 

pacific with inertia emphasizer 運転は意外と難しく、逆電圧をどの程度掛けるとロックし、もう少し上げて逆回転というあんばいが分かるまでは失敗の連続だ。レイルとの相性もある。自宅、博物館での鋼レイル上では習熟しているが、この会場では、摩擦係数のより小さい洋白レイルであったことも、難しさを大きくしていた。1時間も経つとコツが分かり、うまくロックさせたり逆回転ブレーキを披露することができた。逆回転はマンガ的な動きに見えるらしく、子どもたちには人気があった。SNSには動画がupされているが、当初の練習中の風景で、完全なロック状態や、逆回転ブレーキが再現されているわけではない。もう少し後で撮影したものを使った方が良かった。いずれ更新されるであろう。

高効率ギヤ 貫名氏の友人がいらして、HO用高効率ギヤの話題で盛り上がった。薄型ギヤボックスの第4次試作ができ、これで量産に入るという所まで来た。この方も拙ブログを読んで下さっていて、現物をご覧になってそのスリップを堪能されていた。工学部出身の技術者であって基礎知識が確実な方であったので、話が逸れることもなく、楽しい会話をさせて戴いた。博物館にも来訪されるとのことである。

 その他、何人かの方から声を掛けられた。どなたからもこの慣性を大きくするメカニズムを実際に作ったことに賞賛を戴いた。「口先だけで簡単だと言う人もいるが、できる訳がない。」 ということであった。

2024年02月15日

exhibition in Kobe

 神戸のポートアイランドでの催しに参加した。青少年科学館がOゲージのクラブ他、3クラブに声を掛けて、この3連休に催したのである。  

freight cars rolled-out 筆者はいつもその一年に仕上げた車輌を中心に持っていくことにしている。今年はブラス製のホッパ車15輌を中心にRailgon の無蓋車5輌を選んだ。機関車は慣性増大装置を搭載した2輌の蒸気機関車である。

UP850 pulls a string of train UP850が本線を走っている。子供が中心の催しであるので、本物の蒸気機関車の運転を見たことがない人ばかりである。しかし、中には孫を連れて来た老模型人も居て、動輪が空転している様子を見ると目を丸くして驚く。
「模型でこんな運転ができるとは思わなかった。」と言ってくれるのは嬉しい。

 当ブログの読者で昨年慣性増大装置の運転があったことを知った方が、今年もきっとあるだろうと遠方から見にいらしたのを知り、驚いた。Youtubeなどで、すでに動きはよくわかってはいらしたが、パシフィックが現実に目の前で急ブレーキを掛けて動輪がロックしたまま滑っていくのをお見せすると、大変興奮された

ATSF3426 and UP850 JR東日本の新幹線車輌と並んだOスケールの機関車は小さく見える。この新幹線車輌は 1/45 であり、蒸気機関車は 1/48 であるからだ。

2024年02月13日

casting weight

 慣性増大装置を付けたパシフィックにはウェイトが不足していた。持って帰る時にウェイトとかモータを捨ててしまったのだ。  
 動力改装時に重いモータを火室に入れたので、前の方が妙に軽い。牽引力不足で、起動時のスリップが激し過ぎた。

 測定の結果 350 gの補重で前後のバランスが取れることが分かり、活字金からの鋳物クズを再利用して鋳造することにした。
melting weight 鋳型はアルミのビール缶を切り開いて巻き、針金で縛る。それを別の空き缶の中に立て、隙間に砂を詰め、湿らせる。それを水の入った容器に入れ、冷えやすくする。隙間が空くと漏れて損失が多いので、円筒の鋳型には餅焼き網を載せ、レンガのかけらで重しを掛ける。
 この程度でも深さ 35 mm程度なら問題なく湯を注げて、漏れることはない、

cast weight 湯の温度は融解点より20度程度高くする。高過ぎると固まりにくく漏れやすくなる。金網の上から注ぎ込むとあっという間に固まり、出来上がりだ。活字金は鉛のように体積が減らないので、真っ直ぐな鋳物ができる。ボイラ内の所定の位置にネジ留めする。 

 これに穴をあけてネジを切る。快削なのでネジ立ては簡単だ。わずかの接着剤を付けて緩み止めとする。

 これで機関車は前後のバランスが取れ、質量は 2.6 kgとなったが、まだ足らない。重心の位置にもう少し足してみよう。このテンダの等価慣性質量の204 kg というのは、この機関車にはいささか大き過ぎたようだ。慣性増大装置はまだ2台目で、経験が足りない。考えられる最大の等価慣性質量を実現するために、テンダの断面積が大きな形式を選んだが、パシフィックにはそれほど大きな値を必要としなかったようだ。


2024年02月11日

続々 Freelance

MR Jun '21 比較的近年のModel Railroaderを見ていたら、表紙に載っているものがあった。2つのレイアウトで、ナロゥゲージのレイアウトと、UP支線から小型機関車が乗り入れる閑散路線を想定したHOのレイアウトである。

 現実には無いものを作っているのだから、フリーランスというわけで、private road というのは当たっている。どちらも比較的大きなレイアウトである。

 前者はともかく、後者はUPを扱っているので、本線の描写となると大変な規模になってしまう。ある部分を切り取って自分の好きな表現をしている。なかなか良い雰囲気で、これをOスケールで作ると好ましいとさえ思う。  

 MRを見ていると夢が膨らむ。日本の雑誌とどこが違うのか、ということを考え始めたところに、ある友人からの連絡があった。
 彼は長年購読してきたTMSをやめることにしたという。毎号ワクワクしながら読んできたけど、最近はそのワクワク感がなくなったと言うのだ。

2024年02月09日

gear ratio

 ギヤ比を通常のもの(1:15 程度)より下げて(1:8 程度 )いるが、特に苦情は無い。しかし、このギヤの現物を持っていない人が「1:15程度はないと・・・・」と 言っているという噂は聞いた。その思考は、無負荷回転数をもとに計算しているから、ということも伝えてくれた。

 マグネットモータは分巻特性を持つ。軽い一定負荷の場合、電圧に比例して回転数が決まる。無負荷回転数ではトルクは出て来ないわけだが、その数字をもとに速度を考えている人が居るのには驚く。

 模型列車の最高速度は、事実上最大出力時である。必要なトルクは大きい。これは当然のことなのだが、それを理解せずに最高速度が云々というのは無意味だ。

 どの程度の負荷になるかを想定し、動力伝達装置の効率を考えて生み出させる出力を策定する。あとは電流、回転数を調べてグラフ上で読み取るだけである。これは中学1年程度の数学であって難しいことではない。昔とれいん123号にそのグラフを載せたが、そのグラフを正しくなぞって結果を出したという報告があったのは、お一人だけであった。要するに実験をせず、ごく適当に模型を作っている人が大半であるということだ。

 模型とは言えども小さな機械であるから、伝達効率を考慮するのは当然である。模型蒸気機関車の機械的伝達効率は、通常型で最高 15 % 程度、高効率型でも 60 % 程度が限度である。ロッド駆動による損失は極めて大きい。良い潤滑剤が必要である。 

むらかみ様 
 コメント本文に連絡先を書いてください。
 

2024年02月07日

setting conditions

 以前この様な記事を書いた。設計というものは条件設定をすることである。どんなことにも対処できるようにしたい、というのはナンセンスである。そんなことはできない。

 Low-D車輪を作り、要望に応じて頒布している。初めての購入者から、連絡があった。「絶縁部分の嵌合が緩い。」と言う。そんなはずはない。よくよく聞いてみると、車輪をゴム手袋を嵌めて思い切り捻ったらしい。「数十軸をすべて試して全部廻った。」と言う。バカなことをしてくれたものだ。

 その人はNゲージから来た人らしい。車輪がどのように組み立てられているのか理解しようとしない。Low-Dのネジは世界最高レヴェルのネジで、ガタがない、軽く回すだけで完全に締まり、緩まない。それを満身の力を込めて廻したら絶縁材の嵌合部分が緩んだと言っているわけだ。径が大きいのだから、トルクは大きく、堅く留めてあっても廻ることもあるだろう。しかも、全数を緩ませてしまったというから始末に負えない。

「あなたの車は、金槌でぶん殴っても凹まないというわけですか。」と聞いた。この一言でようやくわかったらしい。すべてのものは、実用的な限度を考えて設計されているのだ。戦車であっても、部分的には金槌で叩けば凹むところがあるはずだ。 

 この車輪は普通の走行で緩んだという苦情は一つも来ていない。それは、設計者の想定した条件設定が正しかったことになる。

 歯車の設計も、常識的な使用の範囲では半永久的に持つようにできている。歯の当たり面の仕上げは、市販の模型とは一桁以上違う精密仕上げになっている。また、進み角が大きいので歯型をすこし変化させて、当たらないようにしている。このあたりのことを考えるのが設計である。歯車屋に行ってモジュールと歯数を言って注文しただけで、「私が設計しました。」と言い張る人もいるようで、世の中は様々だ。


2024年02月05日

lesser thickness gearboxes

 HOの蒸気機関車に用いるには、厚さがあると使いにくいそうである。当初はこれで十分ということだったが、イコライザが仕込んであったりするとギヤボックスはもっと薄くないと入らないらしい。

 その開発を頼まれたが、難しい点がたくさんある。3D出力のときの最低厚さが決まっているので、減らせない部分たとえばウォームの前後のボールベアリングのフランジが当たる部分は薄くできない。

薄型ギヤボックス 3Dの師のS氏は面白いアイデアで切り抜けた。その部分を外側に飛び出させ、厚みを持たせて成形した上で、組立後にヤスリで外に出た分をを削り取るというものだ。こうすればその部分は極端に薄くできる。

 あちこちの寸法をすこしずつ削って、ようやく試作品が完成した。現在は三次試作品まで来た。
 左右を締めるネジの位置なども、工夫して移動している。これがうまく収まることを確認してから、まとまった量を発注する。
 これができれば、機種をあまり考えずに採用できるというわけだ。 3月ごろ、貫名氏から発売予定。

2024年02月03日

correct method to assemble gearboxes

 HO用のギヤボックスを作り、一部の顧客向けに発売を始めた頃の話である。簡単な組立マニュアルを書いて、添えた。これだけは守らないと作動しないということだけを箇条書きで書いた。

・Φ5のリーマを使ってボールベアリングの入る部分を削る。
・ウォームをシャフトに通してロックタイトで固着する。
・ボールベアリングを軸に通す時は油を塗ってからにする。
・動輪を外すときに叩いてはいけない。

 この種の単純なことが、あと数項目書いてあった。ところがとんでもないことをする人が居るものである。
「ちょうど良い太さのヤスリがあったから、それで削ってベアリングをはめたが、動かない。」
「シャフトにニッパで傷を付けてウォームに叩き込んだら、調子が悪い。」

などなど、呆れ返ることをする人が居るものだ。マニュアル通りにしなかった理由を聞くと、「今までこれでうまく行っていた。」と言う。

 今までのものとは全く異なるレヴェルの工業製品である、と説明しても理解しようとしないのには参った。
「ずっとこの方法でやってきたが、今まで問題はなかった。」と不満そうである。最後の叩いてはいけない、の意味が全くわからないらしい。これは例のコンコン改軌が広く行われているという証左だ。叩くのは避けるべきだ。どうしても叩く必要があるときは、ブラスあるいは銅の棒を介して叩くべきである。

 模型は精密機械であるはずなのだが、プラレールと同様の扱いを受けているような気がしてきた。 

2024年02月01日

helical gear

 筆者はHOの人たちがどの様なギヤを使っているのかについては、ほとんど知識がない。たまに持ち込まれるおかしなギヤについての感想を求められる程度だ。 
 明らかにこれは駄目というものはさておき、最近になってhelical gear 斜歯歯車を使うことについてのコメントを求められた。

 結論を先に言うと、「歯車の厚さ(歯幅)が足らないので、考えても仕方がない。」である。

 斜歯歯車は、歯先の衝突を避ける(緩和する)ために、当たっている部分が回転とともに横に移動していく。すなわち最低限、歯の両端で歯の一枚分(pitch)以上のズレが必要である。要するに、ある程度の厚みが必要である。過去に見たものはそれが半分以下であった。すなわち無意味である。
 また、thrust が発生するのでその対処も必要である。スラスト(軸方向の推力)はうまく組み合わせて互いにキャンセルさせる工夫をすべきだが、そういう模型は見たことがない。


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