2023年12月

2023年12月31日

C&NW ore cars

C&NW ore car (2) 長い間塗ってなかったオアカーをまとめて塗った。色は迷ったが、この緑の塗装が気に入った。とりあえず3輌塗って様子を見て、あと10輌ほどあるから徐々に塗り替えようと思う。連結器の色は後で仕上げる。

C&NW herald ヘラルドはウェブ上で探して印刷をお願いした。この種の仕事は昔に比べるとはるかに楽になった。昔は様々な本のページをめくって探し、色を確認しながら作らねばならなかったのだ。


 台車のキングピンの位置が正しいとこのようになるという見本である。極めて実感のあるオアカーとなった。これを見ると今までの物は一体何だったのだろうと思う。いずれ全部作り替えるつもりだ。

2023年12月29日

flanger

L&HR flanger これは除雪車の一種のフランジャである。線路内の雪を取り除く。踏切などでは鋤を持ち上げねばならないから、線路事情を熟知している人を乗務させる。
 まだ警戒塗装などは不完全である。黄色は床下まで塗ってあるようにも見える。グラブアイアン(手で掴むハシゴの横棒)が曲がっているのと、キュポラの支えが取れているのは修復する。
 この種の車輌は走らせることはまず無いから、Low-D車輪を付けていると事故の元である。いずれ高抵抗車輪に取り替える。

 先のクラブの年次総会で平岡幸三氏をゲストとしてお招きし、図面の描き方について講演をして戴いた。素晴らしいお話で、一同感じ入った。
 その後で平岡氏は筆者のブースにいらしたので、慣性増大装置、高効率ギヤの実演をお見せした。慣性を増大させて蒸気機関車の動輪が、単機でも正逆方向にスリップすることについては、「こういう発想はありませんでしたね。実に面白い。」と述べられた。3条ウォームギヤを逆駆動させて、静粛な増速機構として利用しているのは賢い方法だとお褒め戴いた。

 その後で低抵抗車輪を付けた3Dプリントのナイロン製台車をご覧になって、愕然とされた。
「これはボールべアリングの動きではないですね。」と見破られたのは流石である。「これは凄い!信じがたいほど滑らかな動きです。」
と仰った。一見平面に見える机の上に置くとするすると動き出し、机の中央付近で行ったり来たりする。机が撓んで真ん中が多少低いからだ。
「精度の高い水準器程度の勾配検出能力がありますね。これほど軽く動くなら、軽い貨車の百輌編成くらいは牽くでしょう。」と仰ったので、「ブラス製の120輌編成(約45 kg)を牽いて1.56%の勾配、230 mmの標高差を乗り越えて走ります。」と言うと驚かれた。動画をご覧になったと連絡を受けた。
 モータ、ギヤ、軸、軸受、車輪のすべてを改善するとどうなるか、ということに挑んだのを評価して戴けたのは嬉しい。

2023年12月27日

Railgon

 カブースはこれで一段落した。完全に仕上がったときに再度紹介したい。他の貨車はこの3年で20輌ほど仕上げた。
 
Rail Gon 実物の世界では、1980年頃からこの貨車がどんどん増えてきた。今までは鉄道会社が自社の名前の入った貨車を持っていたのだが、稼働率が低くなると保守費用の方が高くなり損失が生じる。必要なときにリース会社から借りたほうが安上がりで、利益が増大するわけだ。
 目立つ色で塗られているので、嫌でも目に入る。そうこうするうちに、1980年代の終わりにはほとんどの gondola(無蓋車のこと)がこの貨車になってしまった。現在では、ゴンドウラと発音(太字にアクセント)する人は殆ど居ない。”ゴン” と言うのが普通だ。
 
 35年ほど前のことだ。Ralph Brownが電話を掛けてきて、買ってくれと言う。「4輌買ってくれたら割引くよ」と言うので買ってしまった。精度の高いインジェクション成形品で、きちんと組めるが、塗装が面倒で放置してしまった。10年後に黒塗装はしたが、またもやそのまま放置。さらに10年後黄色を塗りに掛かったが、マスキングがあまりにも面倒で挫折した。

 放置中マスキング・テープの糊が変質して、それを剥がして糊を取るのに苦労した。また10年放置したが、ついに完成させることにした。ディカールが見つかったからだ。買ってあったが、行方不明になっていた。

 マスクしてすぐに塗った。凹凸が非常に多く、完全なマスキングは難しい。多少の塗料の漏れは気にしないことにした。ナイフで削って、タッチアップという原則で行く。汚くなった貨車を表現するつもりである。白いのはディカールの糊が固まったものである。これは水でふやかしてスポンジで拭き取る。多少残っても気にしないことにする。このディカールの銘柄は分からないが、糊が多過ぎるようである。車輪はローラベアリングだから錆色だが、カー・リターダを通るから、タイヤ側面は光っている。

 問題は積荷である。もっともらしい形の積荷を作りたい。この種の記事は、Model Railroaderを読むと、最近は妙に多い
 MR誌はいよいよ1000号である。TMSは多少水増しされているが、MRは純粋に1934年からの号数である。 


2023年12月25日

UP caboose CA5

UP CA5 この韓国製のカブースはK氏から戴いた。ほとんどの部品が左右反転してついていて、修復のしようがないと言う。図面の読み方を知らない人が作ったのだろう。窓の位置もおかしい。
 床下機器は上から見た配置を描く。床板を透視しているのだが、それを下から見たように作ってあった。どういうわけかハシゴの位置も反対で、ラニングボードも逆であった。床下などは大した問題ではない。ほとんど見えないので、目立つところだけを直した。 
 直しついでに窓も塞ぎ、随分様子が変わった。どんな色にするかは迷う必要がなく、黄色である。ただ、ディカールをどうするかは考えねばならない。

 UPは各種のスローガンを側面に貼っている。前回貼ったのは、”I Follow The Leader"である。これはいかにもアメリカ的な哲学である。民主主義で平等を謳ってはいるが、能力差を認めている。能力を持つ人間を探し、選んで代表者にする。
 日本では、こういうことを言う人はあまり居ない。その結果、能力に欠けた人が組織のトップに立ってしまうことが、ままある。しかもそれが長く続く。

 大きなディカールを貼らねばならないから、滑面にする必要がある。さて何を貼ろうか、手持ちのディカールの戸棚を探っている。 

2023年12月23日

Pennsy cabooses 2

Pennsy N5c この2輌のN5Cはエンドウのブラス製品である。アメリカのSunnysideというインポータが日本に発注した最後のロットである。ペンシィのT1とほぼ同時に発注された。その製作には筆者もごく僅かであるが関係している。日本側の受注者は池田度氏であった。当時池田氏は名古屋に在住し、筆者とはかなり親しかった。祖父江氏を紹介し、この計画遂行には協力した。一部の部品も製作した。 池田氏はアメリカ在住が長かった技術者で、筆者とは話が合うところがあったが、このプロジェクトが始まってまもなく他界した。T1の駆動装置はアメリカ側の意見が通ったので、走りは良いとは言えない。

 この1輌は土屋氏から来たものであり、他方はクラブの物故者のご遺族から譲渡されたものである。非常に凝った作りではあるが、走行性能を第一に考える筆者から見ると不満が多い。台車は取り替えたいが、珍しい構成なので代替品を作るのは難しいかも知れない。この太いコイルバネは透けて見えるものではないはずだ。中に逆捻りの別のバネが入っている。実車では極めて初期以外は重ね板バネに換装されているものばかりだ。
 とりあえずタスカン・レッド(トスカーナ地方の瓦屋根の色らしい)のボディと黒い屋根にしたが、片方のキュポラは黄色にすることにした。いずれ塗装して発表するが、クロムイェロゥのキュポラというのは目立つ。interdivisional pool service用である。これはカブースを各devision内でのみ運用するのではなく、鉄道全体で共用する ”pool制” を採用したときに登録されたものである。要するに黄色のカブースはどこへでも行けたというわけだ。
 
Pennsy N8 (1) これはN8である。戦後の斬新なデザインで、乗務員の安全に配慮した設計であり、筆者の好みのタイプである。手に入れたジャンクは派手に壊れていて、片方のデッキはほとんど新製に近い。ステップは作り直している。これは赤いボディで黒いキュポラにするつもりだ。赤いとは言っても、カドミウム・レッドの赤ではなく、エビ茶色をもう少し赤くした色だ。資料は集めてある。
  
 これら3輌は train phone を装備している。エンドウのアンテナ部分は、引っ掛けて壊しやすい。なるべく丈夫になるようにハンダ付けをやり直しているが、材料が細いと思う。 

2023年12月21日

Pennsy cabooses 1 

 ペンシルヴェイニア鉄道のカブースを5輌仕上げねばならない。ディカールは製作依頼中である。木製はこの2輌だ。

Pennsy NDA ND型は元々は2軸車であった。長いリーフ・スプリングで承けていた。後年、4軸に改造されたものを仕上げている。実は2軸にしようと長いバネを作ったが、やはり模型は堅く、思うように出来ない。等角逆捻りにしようと思ったが、木製の床をくり抜いて仕込むと壊れそうな気配であったので、楽な4軸化を施し、形式はNDAとなった。

Pennsy N6A N6Aは上部のキュポラが大きい。建築限界の狭いピッツバーグ以東の路線には入れなかった。その区間にはキュポラの部分が小さいN6Bが使用された、とBrass_Solder氏から教わった。N6Aは比較的早い時期に淘汰されたようだ。
 また、N6Aは古い2軸カブース車体の片側だけ伸長改造したのでキュポラがオフセットしていたが、N6Bは片側に伸ばした物と両側に伸ばした物があり、キュポラの位置が2種類あったそうである。もちろん、台枠は鋼製に更新されている。


2023年12月19日

Northern Pacific cabooses

 このカブースは3輌ある。内2輌は木製、1輌はウレタン樹脂の鋳物である。木製は特に紹介することもないので、外観だけお見せする。
NP caboose 1 色は何色が良いのかよくわからない。ミネソタ州の博物館に行ったときに見たのはこんな色だった。屋根は黒っぽいほうが良さそうだ。緑色のBNヴァージョンもあった。 


NP caboose to ew-paint この写真の車輌はかなり風化が進んでいて、全塗装を施すべきである。これはカビだらけのを、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を吹き付けて洗ったものだ。カビは落とせたが、塗料がかなり傷んでいる。これも全塗装すべきだろう。オイルステインに浸けてしみ込ませ、乾かすつもりだ。そうすれば、カビの再発は完全に防げる。
 ある人が、「素晴らしいウェザリングだ。」と言ったが、その範疇ではないように思う。
 屋根が外れないので窓ガラスが入らないと思っていたが、塗料によって屋根が固着していただけであることがわかった。

NP caboose plastic 問題はこのウレタン樹脂製である。10年ほど前、キットのジャンクを安価で手に入れた。当然部品は足らない。ステップは3Dプリントだ。
 寸法が正しいとは思えないところもある。屋根の幅が足らなかった。修正して箱にはしたが、多分屋根は作り直すことになろう。一生懸命直しても、20年も経てば劣化して壊れてしまう可能性があるのは残念だ。

2023年12月17日

Southern Pacific bay-window caboose

SP bay-window caboose このカブースは当鉄道唯一のベイ・ウィンドウ カブースである。NYCのも持っていたが、友人に譲ってしまった。飛び出している部分と妻面は、遠くからでも認識できるようにオレンジ色に塗ってある。 

 これは安達製作所製のブラス車輌である。手堅くまとめてある。屋根はプレスで凹凸を付けてあるが、その板も厚い。ステップも丈夫で、そう簡単には壊れない。細かな手摺などが壊れていたが、すぐ直せた。屋根のラニング・ボードは安っぽいエッチング板であったので、剥がして実物のような素抜けているタイプのものに取り替えた。東部で買ったので、安価であった。 

 意外に窓が大きいので、室内もある程度は作っておく必要があるだろう。このカブースはSPのSouthern Pacific(4-10-2の軸配置)と写っている写真があり、その情景を再現しようと導入したまま30年以上経過した。機関車の方は完成しているのだが、まだ塗っていない。これが良い機会となったので、取り組んでみよう。  

2023年12月15日

Nickel Plate Road caboose

NKP caboose この塗り分けが好きである。まだ未完成ではあるが、大まかな塗装は完了し、ディカールも大半は貼った。まだ、手摺の白などの塗装が残っている。この白帯部分の文字は素敵だ。

 中学生の時、英語の初歩の時期に「英習字」とかいう時間があった。15円もするノートを買わされ、それにアルファベットを筆記体で書かされた。たまに上手な子も居たが、大半は下手くそであった。英語を勉強するにはこれが必要なのかと信じ込まされたが、現実には全く無用なことを教えられた、と気付いたのは約10年後である。呆れた話だ。
 アメリカで生活し始めて気が付いたのは、ほとんど誰も筆記体というものを書かないし、書けないということだ。下手くそな活字体の大文字をぐにゃぐにゃと書く。逆に、筆者のさほどうまくもない筆記体でも褒められたほどだ。お世話になった銀行家も、筆記体は自分の名前をサインするときだけであった。また学校の事務所や役所では、提出書類は活字体で書くようにと強制された。現在の日本の中学校の英語教育ではどうしているのだろうか。

 この Nickel Plate High Speed Service の文字は美しい。このような字を書きたいと練習したこともあったが、あまり使うこともなく終わってしまった。

 白を2回塗って表面を滑面にしてから、ディカールを貼った。その後で、切れ目を入れて軟化剤を塗ってなじませた。
 キュポラの側面に出ている信号燈の箱には、赤いものが多いが、黒いものもあるようだ。どちらにしようか迷っている。レンズ部分には銀を入れ、エポキシ樹脂を盛るとそれらしく見える。 

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2023年12月13日

N&W caboose

2年前、新型コロナ禍で誰にも会わずに過ごしていた頃に、古い木製キットを全て組んでしまおうというプロジェクトに取り組んだ。生地完成まで持ち込んだが、下塗りの状態で置いてあるのは見苦しい。手を入れて塗ってしまいたかった。

N&W wood caboose まずこれから始めた。Norfork & Westernである。木製カブースの写真は鮮明なものが少なく、情報が不足だ。
 屋根が赤いのもあったようだが、やはり黒くすると締まって見えるように思う。屋根の周りのタッチアップ手摺を白く塗って出来上がりだ。その後でガラスを入れて、ウェザリングを軽く掛ければ完成である。錘を入れ、355 gとした。ディカールは木板の溝に沿って切り離し、軟化剤を塗ると落ち着く。これを成功させるには、塗料をよくしみ込ませた上で、艶のある塗装にする必要がある。ディカールの膜がある程度は付着してくれてないと、切り刻んだときにばらばらになるからだ。ここでも”A”の一部が欠けている。これは取り除いて、後で白を極細の筆で足す。

 車輪の裏、車軸が塗られていないと面白くない。先日の集会で、
「車輪の裏が塗ってないものを雑誌記事で扱っているのはおかしい。裏を塗って、護輪軌条に当たるところまで剥がしてないと気分が悪い。」と発言した。何人かが深く頷いてくれたが、他の方々はどうなのだろう。

 台車は Kemalyan氏の指示で作った台車を加工して、ボールベアリングを仕込んだものだ。車輪はRP25のはずだが、フランジがやや薄いので、バックゲージをわずかに拡げてLow-Dもどきとした。この車輪の表面は塗っていない。程々の酸化被膜色であり、実物にもローラベアリング車の場合、こういう色がある。 

2023年12月11日

painting cabooses

CB&Q 溜まっていたカブース10輛ほどを塗装している。色は赤ばかりではない。塗り分けもあり、面倒である。屋根も黒だけではなく、茶系統もあるし、赤いものもある。まだ未完成で、これからタッチアップする。ディカールが密着していないので、軟化剤を使って処理せねばならない。木目に沿って切り込みを入れてから塗るのだ。

 とりあえず全体を塗って、細かい部分は手塗りだ。こういうときにはフロクイルの塗料は隠蔽力が大きく、薄く仕上げることができるので助かる。筆は、径が 1 mm以下のものを用いる。

 ディカールを貼って、窓ガラスを入れ、軽くウェザリングを掛ければ出来上がりなのだが、カブースは普通の貨車の数倍の手間がかかる。
 ディカールはキットに入っていたものを使いたいが、すでに風化していて、補強剤を塗った瞬間に崩れるものがある。Dr.Yが再生(完全な新製)をして下さるので助かる。最近は Champ Decal の廃業で欲しい物がほとんど手に入らない。たとえ手に入れられても、使えないものが半分くらいある。Dr.Yのご助力がなければ、数十輌の貨車、機関車がレタリング出来ずに放置されていただろう。改めて感謝したい。

 木製のキットは早く組んで線路に載せないと、細かい部分が壊れてしまう。箱に出し入れするだけで細かい部分が折れたりするのだ。手摺その他は木部に貫通穴を空けておき、裏からエポキシをしみ込ませて支えるようにすると壊れにくい。大きな部品も接着面をよく擦って、接着剤層が薄くなるようにしておかないと壊れやすい。以前酢酸ビニルエマルション系の接着剤を使ったものはことごとく壊れてしまったので、エポキシ接着剤を使って作り直した。
 屋根が浮いて隙間ができるのは避けたいので、窓ガラスを入れたら接着してしまう。この時、内部の造作が完全に接着されていることを確認する。後でストーブが外れてコロコロと転がった例があるのだ。連結時のショックは大きいからだ。これは煙突を屋根に貫通させれば防げる。人形も完全に接着する。照明を入れたいが、それをやると、目立ち過ぎる。


2023年12月09日

melting brass scrap

Melting brass (6) 900 ℃になればオレンジ色になり、非常に粘り気の少ない液体になる。
 粉状の金属はぎっしり詰めてスタートしても良いが、塊は注意が必要である。熱で膨張して坩堝を割る可能性があるので、必ず縦に入れて長さの変化を上に逃がすようにせねばならない。粉はこぼさないよう樋状のもので流し込む。

 900℃以上では 、ブラスの成分の亜鉛が揮発し、それが空気中の酸素と化合して白い粉をふくのでそれをステンレスのへらで取り除き、煉瓦の鋳型に流し込む。この時クランプで鋳型を締めて漏れないようにするのがミソである。ステンレスは熱伝導率が低いので熱くない。

Melting brass (5) 今回は平たい鋳型であるので、上に浮いたスラグが載ったまま固まってしまった。縦長の鋳型にするとその部分を容易に切り捨てられるが、圧力が高くなるので、隙間から漏れやすい。



Melting brass (1) 30秒も経てば完全に固まるので、それをバケツの水の中に投げ込む。これで500 g強である。ハンダも一緒に融けているので、快削性がある。

 ダライ粉は引き取り値が安いので、こうやってインゴットにしておくと高く買ってくれる。電気代が掛かるが、天気の良いときにやれば、太陽光発電の出力でタダでできる。 

 今回は量が少なかったのでこの炉を用いたが、大量にあるときは大きな 2 kg型を用いる。次回はそれを紹介しよう。

2023年12月07日

brass scrap

 筆者ほどブラスの材料を購入する人は珍しいだろう。年間数十 kgは買う。今年は、総計280 kg 買った。知り合いの廃金属商から電話が入るとすぐ行って、向こうが勧めるものをすべて言い値で買う。より分けて気に入ったものを残し、要らないものは別の廃金属商に持って行って処分する。そこでまた別の物を売りつけられることもあるが、全て買う。またより分けて…という無限地獄であるが、珍しいものに巡り会えるので、とても楽しい。実質的な消費量は年間30 kgくらいだ。この方法は手間と資金を必要とするが、良い材料を安価に調達できる。友人にも頼まれるので適当なサイズのものを原価で譲り渡す。先日は細い平角棒を頒布したが、HOの方は消費量が少ない。Oゲージの仲間は一度に数kg買う。そういう人にはダライ粉を捨てずに持って来るようにお願いしている。

Melting brass (2) このような方法で、必要な材料は潤沢に持ち、贅沢に切り刻んで使っている。そのときに出るダライ粉(切り粉)は取っておき、磁石で鉄分を除いてから、熔解炉で融かす。900 ℃でトロトロに融けるのでそれを煉瓦で作った鋳型に流し込めば大きなインゴットができる。それをフライスで削って6面が直角の材料を作る。その時に発生するダライ粉は次回で融かす。

Melting brass (3)Melting brass (4) この熔解炉では一度に750 g程度しか融かせないので、何回かに分けて作業する。これはアメリカ製で30年以上前に買ったときの値札がまだ付いている。今はとても高価だ。坩堝はグラファイト製であるから、赤熱すると大量の一酸化炭素を放出する。必ず屋外でやらないと命を落とす可能性が高い。120 V、750 Wである。変圧器で昇圧して使う。100 Vでは融けるまで1時間以上も掛かってしまい、使えない。  

2023年12月05日

続 旋盤上で回転砥石を使う

 ドレメルを保持して何を削ったのかという質問があった。
 これが欲しくなった最初のきっかけは、当時持っていた小型旋盤の3爪チャックがかなり偏心していたので、それを削って修正したかったからだ。小型旋盤用のコレット・セットがなかったので、心を出して掴めなかった。爪は十分硬く、熱処理がしてあることがわかった。

rotary tool on the lathe 目的の太さ近傍の鋼の丸棒を掴み、薄いディスク状に切り落とす。それを爪を開いて一番奥に入れる。直角をよく確かめながらチャックを締め上げる。そうしておいて回転砥石を中に差し込んで削り、3つの爪に砥石が当たることを確認する。これで削れた中の面は心が出ている。爪を外しディスクに当たっていたところを別の砥石で磨り落としてワークに当たらないようにする。これで完成だ。 
 こうすることにより、車輪を掴んで軸穴を加工するのは簡単になった。

 最近、この話をクラブ内で公開すると、その方法はAmazonで売っている部品の使い方説明に載っていると知らせてくださった方があった。誰でも思いつくやり方なのだが、当時はこの方法を編み出したことが嬉しくて、何人かの友人に見せて得意になっていた。若かったのだろう。


2023年12月03日

続 不可思議なブレイス 

H21 endsillH21-drawing Pennsylvania鉄道の生き字引のbrass-solder氏から連絡があり、非常に鮮明な写真を送って戴いた。この機種には、普通とは異なる筋交いが入れてあることが分かった。端梁は異常に太く、それでポーリングを承けるようだが、その頻度は極端に少ないと思われる。

 さらに連絡があり、この種の珍しいブレイスはH21とGLAという機種だけにあることがわかった。その他は常識的な配置だそうだ。

 H21の端梁は異常に太く、ぶつけてもそう簡単には曲がらないような気はするが、同じ質量でなら、通常型のブレイスのほうが頑丈であると思う。設計者が計算上これで良いと言ったのかもしれないが、後に元に戻ったわけで、なんとも不思議な話だ。筆者は、この種の些細なことも非常に気になるタイプの人間で、随分頭を悩ましたが、これでスッキリして眠れると思う。もっと早くbrass_solder氏に相談すべきであった。

 実は今ペンシルヴェイニア鉄道のカブースが5輌、塗装待ちなのであるが、随分調べても分からなかったことが、今回のついでに聞いたら氷解した。いずれ紹介したい。


2023年12月01日

不可思議なブレイス

 Atlas 社の製品で、H21という70トン積みホッパ貨車がある。ペンシルヴェイニア鉄道で石炭を運ぶものだ。この貨車のブラス製品は、かれこれ40年のうちに3輌集まり、塗装してディカール貼りを施すばかりだ。このプラスティック模型は上から見るとよくないということを書いたのだが、その端梁のブレイス(筋交い)は不可思議であることは書かなかった。あまりにも衝撃が大きく、うろたえてしまったのだ。
 石炭を表す黒い板は少し沈めたが、縁取りが太いのは隠しようがない。いずれ削り落とす。

PRR H21 端梁にはポーリング・ポケットがあるから、そこを突いたときに端梁が曲がらないように支えているはずだ。ところがこの模型はそうではない。連結器座を支えている。これは単純な間違いなのか、それとも本物がこのような構造であるのかは、この10年で随分調べたが分からない。

PRR HT 一般的にはこの図面のようになっている。これはCar Cyclopedia 1936年版である。これはHTで、H21の進化版の90トン積みである。H21は1920年代の設計のはずだ。端梁は外に向かって斜めに支えられている。極めて順当な設計である。

unusual braces ところがカーサイクロを片っ端から見ていくと、たまにはこういうのもある。筋交いが逆方向である。どすんと突かれたときに壊れないものか、筆者にはよくわからない。側面の梁は厚いとは言えない。このような図面はこの例しか見つからない。 

 上のH21の写真を見ると端梁は異常に厚く、そう簡単には曲がらないだろうが、裏から支えてあれば設計は楽であるはずだ。
 気分が良くないのでしばらく見ないことにしていたが、ディカールを貼るための資料として出して来て、見てしまった。しばらく寝付きが悪くなるだろう。


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