2023年06月

2023年06月30日

押して動く機関車

 先日の記事で、「手で押して動くというのは、さほど意味はない」と書いたところ、複数の方から突き上げを喰らった。大いに意味があるとおっしゃる。

「単にギヤを替えただけでは、押さえ付けなければ動かない程度に思われてしまいますから、軽く転がるまで整備しています。」
「押せば発電して電気が灯り、他の機関車も動きます。今まで見たことがない光景が繰り広げられます。これは楽しいです。」

 などである。

 確かに、初めて見ると興奮するだろう。それは副次的な効果であるが、筆者も39年前にそれをやっていたことを思い出した。すでに時は流れ、それが当然であるので、忘れていた感覚であった。確かに、合葉氏大変興奮していた。

 効率が良いと、このような効果を生む。多条ウォームを使っても、設計が良くないとこのような結果は得られない。とにかく音がするようでは根本的にアウトである。
 設計するということは、注文することとは違う。そこのところを理解していない人はいる。歯型が大切なことを理解していないのだ。

 工学系の友人はもう1つ付け足した。
「ウォームを押しネジで留めているのは、全て駄目です。」
その通りだ。首を振っている可能性が高い。今ならロックタイトがある。昔は軸にローレットを切って圧入した。また、ハンダ付けする人も居た。 

2023年06月28日

ギヤの音

 静かで滑らかな走行を目指したい。これは筆者が高校生以来、目標にしていることだ。
 様々な模型を見る。ほとんどが妙な音を発している。モータ音、ギヤ音、車輪とレイルとの間の音。 
 どれも解決できないものではない。しかし、誰もそれらについて議論を始めようとしない。外観には異常にこだわるのに、音の件については見て見ぬふりをしているように見える。

 ギヤの音は最も解決しやすい。駄目なものを捨てて、正しいものにすれば良いだけである。自力でギヤを設計して発注するのは、敷居が高いかも知れない。しかし、すでにあるのなら、改装は簡単である。

 最近見た O scale の電車はいわゆる吊掛け駆動であった。ピニオンは8枚歯だ。これは見るからに駄目な歯型である。ギヤ比を稼ぐためにはそうせざるを得ないらしい。そのピニオンはタミヤが出しているジュラコン(POM)製である。
「プラスティックであるから静かです。」とは言うが、筆者にはその音が聞こえる。根本的に駄目な組み合わせである。確かに動くが、決して静かではない。静かな駆動の実例を知らないのだ。 

 様々な動画を見ると、とんでもない音を出している機関車に遭遇する。ウォームギヤなのにガリゴリ音を出して、「滑らかに走る!」と自慢げなものもあった。良いものを見たことがないのがその原因なのだろう。高効率ギヤをお持ちの方はなるべく露出を多くして戴きたい。

 博物館の転車台駆動装置には17:100のスパーギヤの減速装置がある。これは静かである。初めは12:100にしたが、ギヤ音が無視できなかった。歯数が少ないと駄目であるのは当然で、その音を聞こえないことにしてしまうのは無理な相談だ。もちろん互いに素でないのも許せない。

 そういう点でもこの種の吊掛け式には無理がある。モジュールを小さくするという手もあるが、14枚歯以上のピニオンというのは難しいだろう。しかも開放されているのでは、埃を巻き込む。
 見せてもらったものは、
「プラスティックだから油が要りません」と言うのだが、それもあまり感心しない理屈だ。潤滑は必要だ。

 要するに動きます、というだけのものである。走ります、とは違う。完全密閉されたギヤボックスを持ち、無音で長寿命のものではない。軽い電車を走行会場で2,3周させておしまいなら良いのかも知れないが、一日中走らせれば摩滅するだろう。それで良いのだろうか。

2023年06月26日

続 高効率ギヤによる走行

 いくつか意見を戴いたが、その内容はほとんど同じであった。改装して走らせているのは関西方面の人が多い。関東で高効率ギヤを使って走らせている実例を見たことがない、というものであった。
 関東にもかなり出荷されているが、実際に装着して走らせたという連絡は、確かに少ない。8月になればJAMがあるので、そこで見られるかも知れないと期待はしているが、実際のところはどうなのだろう。

 このギヤの真価は重負荷のときに現れる。手で押して動くというのは、さほど意味はない。要するに、勾配線も無いようなレイアウトを、軽い編成を牽いてぐるぐる回すだけの人には意味がないのである。平坦線なら、数十輌の貨車、あるいは10輌以上の鋼製客車を牽いてゆっくり発進して止まるのを見せ付けて欲しいものだ。

「ウォームギヤは音がするものだと思っていたが、このギヤはしない」という話が聞こえて来た。初めは、一体何を言っているのかよく分からなかった。彼が言うには、市販のギヤはガリガリ音がするのだそうだ。それはひどい話である。これについて、工学系の友人は、
バックラッシのせいではないかな。」と言ったので、さらに驚いた。
 本来ウォームギヤは、バックラッシが無くても良い歯車である。昔から、ウォームの調整は、少し隙間を空けるとTMSにも書いてあった。今回頒布のギヤボックスではバックラッシをほとんど無くしている。ギヤの精度が高いのでそれを実現できるのだ。 

2023年06月24日

高効率ギヤによる走行

 高効率ギヤを採用された方から、情報を戴く。非常に評判が良く、開発者としては嬉しい。もっとも、これを新規に開発した訳ではなく、O scale のディーゼル電気機関車用として開発したものを薄くして、HO蒸気機関車用に流用できるようにしただけのことである。とは言うものの、専用ギヤボックスとの組合せができなかったら、ここまで浸透しなかっただろう。3Dの師のS氏には感謝する。

 いくつかの動画がある。まずこの動画からご覧になると良いだろう。実際にレイアウトで走らせている方は少ないらしいので、参考になる動画である。たくさんの動画を発表されている。
 この動画は重負荷でゆっくり起動する様子を写している。高効率ギヤの真髄である。この種の動きは、今までのHO模型ではまず見られないはずだ。筆者はOゲージで40年近く前からやっているが、それを見た人は、「Oゲージだからできるのさ。HOでは無理」と諦めていた。
「いや、できるはずだよ。」とは言ったが、歯車を用意しなかったので、そのままになった。今思えば、ディーゼル電気用は30年以上前からあるので、やる気になっていたら、可能であった。
 今回は I 田氏からの要望で思い切って作ったわけだ。300組作ったが、すでにほぼ完売した。一度にたくさん買う人が数人いて、その人達のグループ内で競って改装したようである。
  
 ヒステリシスの小さい伝達装置で、モータの出力が動輪にそのまま伝わる。だからこそ極めてゆっくりと起動できる。また客車の車輪はHO用 Low-Dで、極限まで摩擦が小さくなっている。
牽かれる車輌の責任」という言葉を導入したのは筆者であるが、最近はあちこちでお目にかかる言葉になったのは嬉しい。


2023年06月22日

饋電線

 クラブの大先輩のH氏から電話があって、工事の手伝いに行った。以前からの懸案であった側線へのポイントマシンの取り付け、配線の依頼であった。H氏は片手の自由がきかないので、この種の下に潜り込んでの作業はできない。その種の仕事のお手伝いは、喜んでさせて戴いている。H氏の様々な工夫を見せて戴くのが楽しみだからだ。

Mr.H's layout (1) 今回は裏側をよく見せて戴いた。裏には裸銅線が張り巡らせてある。レイル1本毎にフィーダ線がハンダ付けしてあり、それは路盤下でこのようにハンダ付けされている。

 低電圧であるから、被覆の必要はない。複線線路の順に設置してあるから、間違うこともない。その部分を磨いて銅線を巻き付け、フラックスを塗ってハンダ付けをする。あっという間の仕事である。
 ポイントは筆者が作成したもので、トングレイルの方向によってフログの極性が変化する。ポイントマシンの接点にフログをつないで完成である。

Mr.H's layout (2) 試運転の結果は上々で、今後が楽しみだ。このレイアウトは電車主体の運転を楽しむもので、曲線の半径は小さい。直線部が長いので、気分が良い。近鉄電車の6連が軽快に走る。 

 右下の部分は跳ね上げ式の橋で、出入りが楽である。持ち上げると橋のかなり手前から給電が遮断されるので、安全は確保される。 

2023年06月20日

3Dプリントの台車

 最近3Dプリントが普及するにつれ、様々な方から、3Dプリントで作った台車等を見せられる。形はすこぶる良く、台車のひねりも多少は利いて、脱線も少ないと思うのだが、材質はほとんどの場合、駄目である。ABSや、PLAなどを使っているのだが、いずれ撓んで反ってしまうだろう。

 Oスケールの方が、「おっしゃる通りで、撓みました。台車枠が開いてしまって、用をなさなくなります。」と素直に認めてくれた。大きなものはその結果が早く出る。こういう方がいらっしゃるのは助かる。もっと大きな声で他の人達にも知らせてほしいものだ。

 HOなどの小さな模型であると、モーメントが小さく車重も軽いのでその撓み(長時間掛けると流れてしまい、永久的な曲がりとなる)は見えにくい。しかし、10年、20年というタイムスパンで見ると、駄目になることは必定だ。10年持てばよいのですと、断言する人もあるが、それでは困る人もいるだろう。

steel reinforced truck 先日見せてもらったOJの台車には驚いた。すべての部材に鉄筋が入っている。タミヤの六角シャフトを挿し込んであるのだ。これは熱処理してあるので、そう簡単には曲がらない。この写真の中に6本の鉄筋が入っている。
 3Dで中空の部品を作るのは、簡単である。筆者も思い付いたが、流れない結晶性プラスティックを使えばこれを凌ぐので、採用しなかった。

 結晶性プラスティック製の台車を大量に作って、友人に渡した。近々、素晴らしい車輌がロールアウトする筈で、楽しみにしている。

2023年06月18日

続 博物館を充実させよという意見

 さらに友人は続けた。公的な施設に寄贈すると、どうなってしまったか分からなくなる。

 それはその通りである。たまたまその地方公共団体の首長が友人であったりすると、受け入れられるのだが、その人が失職したり、死去したりするとアウトである。すばらしい模型も倉庫で朽ち果ててしまう。その実例はよく聞く。横浜の市電博物館の例もどうなってしまったのか、よく分からない。 

 土屋氏はそのことを随分気に掛けていた。預かったものを展示するに当たり、公的機関と連携しないこと、共同経営者を入れないことを約束させられた。
苦しくても一人でやれ。次の世代の経営者を指名して、全責任を負わせよ。個人は信用できるが、市や町は信用できない。共同経営者は、意見が合わないと出て行ってしまうが、その時に半分持って行かれる」とのことだ。

 当博物館はコロナ禍で開店休業状態であったが、ぼちぼちと見学希望者がある。身元を確認した上で、来て戴いている。この博物館は、「誰でもどうぞ見てください。」というものではないので、事前にある程度の審査をして、お断りすることもありうる。
 内野氏の作品を見たい方が多いのは、興味深い。全作品を収蔵していると同時に、細かいジグ、工具も展示している。単なる”形見分け”ではない。蔵書、手描きの資料もすべて保存してある。これは博物館でなければできないことである。

2023年06月16日

博物館を充実させよという意見

 ライヴスティームの友人からねじ込まれている。

 博物館でライヴスティームの機関車を展示すると同時に、運転場を設けてくれというものだ。最近ライヴ関係の人達が相次いで亡くなり、機関車の行先を考えると、博物館に引き取って貰う以外ない、と言うのだ。
 筆者もライヴは好きで、父親が設計した機関車の部品もあるし、友人の父君が作ったライヴスティームの機関車も預かっている。土屋氏の機関車もあり、45 mmゲージの運転用のレイアウトも敷設できるスペイスも用意してあるし、線路もある。やろうと思えば2週間もあれば運転できるだろう。 

 建物の3階は完全に空きスペイスであるから、そこに展示スペイスを作り、運転は屋上でするというアイデアもある。保守、修理は自宅地下の機械を使えばすぐできる。
 ただ不足しているのは、時間である。筆者がやれば大抵のことはできるとは思うが、それに掛ける時間が不足する。有能な助っ人があれば可能だが、そのような人が現れるかは疑問だ。  

2023年06月14日

リニアな人

 条件を変えても測定値は正比例だと考える人は多い。今回の件も、普段経験する圧力でも、その何万倍もある圧力でも、同じ挙動をすると考えているわけだ。正比例は、原点を通る直線に載る(これをリニアであるということがある)関係のことを指す。

こうかも知れない 測定値が2つあると、その2つを直線で結んで、安心する人がいる。その2つが近接していれば、外れではない可能性もあるが、何桁も異なれば駄目であろうことは想像に難くない。しかしこういうことをなんの躊躇もなくやり、対外的に発表する人がたまにいる。

原点を通るとは誰も言っていない 2点を繋ぐならまだマシな方で、測定値が一つなのに、原点と結ぶ人まで居る。原点を通るとは誰も証明していないことも多い。こうなると、一体何を考えているのか、ということだ。

 模型の長さは実物とは何十倍以上も異なり、質量は何千倍も何万倍も違う。材料が同じであれば、ヤング率だけが同じである。すなわち挙動は全く異なる。しかしながら、模型人の中でそこに気付いている人はかなり少ないと感じる。この国の理科教育は、失敗しているのではないかと考えたくなる。世の中は単純ではない。
 前回の友人も実物業界の人だったから、そういう世界からの刷り込みは大きいのだろう。

 模型に実物のような挙動をさせるのは、一筋縄ではいかないはずだ。

2023年06月12日

レイルを内側に傾ける

 友人から「レイルを内側に傾けるのは、牽引力増大に効果があるだろうか。」と、電話があった。
 これは45年ほど前に実験した。その記憶は薄れつつあるが、結論は単純である。効果なしだ。

 即時に結論を言ったので、友人は驚いていた。「どうしてだろう、実物は効果があるんだ。」と不満そうである。 

 その理屈は単純だ。実物ほど接触圧が大きくないので、模型の車輪とレイルは弾性変形することがほとんど無いからである。実物ファンの方は実物と同じ理屈があるはずだと思うだろうが、それもファンタジィである。

 目には見えにくいが、実物の機関車のタイヤとレイルは弾性変形して喰い込む。レイルが垂直に置いてあれば、レイルヘッドの角の部分の圧力が非常に大きくなる。レイルが傾いていれば、それが多少は小さくなる。
 摩擦力は圧力が小さいうちは圧力に比例するが、大きくなると直線から外れてくる。実用的な最大牽引力は、微妙に滑っている状態のことを指すのだろうと思う。つまり、動摩擦と静止摩擦の境目の話である。
 一方、被牽引車の摩擦も変化する。レイルに車輪がめり込むほどの圧力があると、逆に転動摩擦は増えてしまう。

 こういうことが模型でも起こって欲しいと考えるのだろうが、無理な相談である。車輪やレイルが極端に軟らかいと起こり得るかもしれないが、走りは極端に悪くなるだろう。
 よく走る車輌のタイヤは十分に硬くなければならない。同時にレイルも硬い材料が望ましい。筆者は鋼レイルを用いている。錆びないかと心配する人は多いが、窓を開放していないので錆びにくい。 

2023年06月10日

続 High Iron and Big Boys

 この出版社は鉄道関連の本をいくつか出している。編集者はかなりの能力を持っていると感じる。
 とりあえず4冊注文して送ってもらったが、送料が高かったのには驚いた。安い便で送るように言わなかったのが悪いのだが、90ドルも送料が掛かっている。

 この本は、今までたくさん出ている鉄道関係の本の中で、かなり異色である。というのは、既存の本は外部の人が鉄道関係者に接触して書いている場合が大半である。機関士自身が書いているのはかなり珍しいパターンである。しかし、それは写真が少ない。
 井上 豊氏は写真が得意で、文章もお上手であった。井上氏が書いているのと同じ構図である。

 40年ほど前、筆者が最初に日本のその出版社に原稿と写真を見せた上で、意見を聞いて編集方針を決めようとしていた。ところが原稿と写真の束を渡して2ヶ月足らずで本が送り届けられたのだ。それはミスプリントだらけのトンデモ本であった。
 トムは日本語を読めないから、それには気付いていない。写真を無くされた件についてはがっかりしていたが、仕方がないと言った。掲載された写真の鮮鋭度が低いのは気にしていた。原版はすばらしかったのだ。表紙に使われているカラーの写真は、行方不明である。出版社が、そんな貴重なものを無くすとは信じがたい。誰かが持っている筈だ。気が付かれた方は連絡戴きたい。

 得た原稿料を送るつもりだったが、代わりに日本製の良いカメラを買ってくれと言ってきたので、Nikomartを購入し持って行った。そのカメラはPaulaがまだ持っている。彼女の仕事で使わせたかったのだ。    


2023年06月08日

High Iron and Big Boys

High Irons and Big Boys 縦22 cm強、横15 cm程度の小さな本である。写真の写りははとても良く、細部までよく分かる。表紙はこの写真である。見たことがある筈だ。
 High Iron の意味が分かりにくいだろう。以前にも説明したが、これは本線背の高い太いレイルのことを意味する。厳密に言うと、本線は側線より 1 フート(305 mm)高く作られていることを意味している場合もある。その本線にはUPの巨人機関車が走っていた。このブログの題名でもある。
 
 ほんの60年前まで、そこには蒸気機関車が走っていた。とてつもない大きさの、石炭を貪り喰う巨人達がたむろしていたのだ。それらはすべて人間の力で動かされていた。能力のあるものだけが機関士になり、困難な仕事を任されていたのだ。
 
High Iron and Big Boys この本のp.93には、このように書いてある。 
  I can see only about ten minutes difference between the best and worst engineer working today. In steam days, there were many times when the good engineer would make it and the bad one would fail completely. 

 目次をご覧になれば、当ブログとの対応がおわかりになるだろう。
 当ブログの日本語版は原文に忠実に訳してあるので、今回の編集済の本とは多少表現が異なっていることもある。


2023年06月06日

続 Tom Harvey の娘

 その本を作ったという知らせがあったので、出版社に直ちに注文して取り寄せた。比較的小さな本であるが、写真は鮮明である。イラストもあって、素晴らしい。文章はTomの書いたものに手を加えて、読み易くしてある。オリジナルの英語はかなり独特な言い廻しがあって、理解が難しかったところもあった。それらの部分は、Tomに何回も問い直して、正確に訳した。

 内容の半分程度は、筆者が紹介した手記を元にしている。残りは家族にしか書けない内容で、筆者も始めて読むものである。多くの鉄道員に会って情報を集めている事がわかる。

 何よりも編集者の能力が素晴らしい。原稿は当時のことを書き残した貴重なもので、一次資料として貴重だが、それだけでは足らない。それらをつなぐものが必要であった。

 筆者は30年前この原稿を受け取った時に、それをやろうと思ったが、さすがにワイオミングは遠く、本を仕上げるには10往復はしなければならないだろうと思った。Paulaはしばらく健康を害していたこともあり、ここ15年ほど連絡が途絶えていた。


2023年06月04日

Tom Harvey の娘

 トム・ハーヴィ の長女のPaulaと文通を始めた頃、相談があった。
「父の残した手記と手紙、Harvey家にある資料をまとめて出版しようと思う。意見を聞きたい。」というものだった。

 筆者が40年ほど前、出したことになっている本は惨憺たる有様だったので、こうすべきだということは全て伝えた。能力ある編集者を雇うべきであることは最初に念を押した。日本で出た本は、その点では零点であったからだ。
 そもそも著者名が、一冊の中にハーヴェイ、ハーベイの2種あったことで、全体が駄目であることが分かる。もっとも近い発音はハーヴィである。地名も、ワサッチをワサックとしてあり、失笑を買った。こちらから送った原稿は人名、地名は原語にしてあった。校正時に日本語化するかどうかを決めようと思ったのだ。
 読めないなら電話すれば良いことである。一回の校正もなく突然出版されたので、こちらは大迷惑だった。書名も副題が ”With Big Boys”とあったが、これも正しい英語ではない。中学生程度の間違いである。
 表紙に使った6x6版の陽画スライドは、「紛失した」と言い張るのには呆れる。その言い訳なのか、「あの写真は良い写真ではない。」と言ったのには、さらに驚いた。また、著作権の無い写真をたくさん貼り付けて使っている。

 Paulaは新聞社に居たことがあるようで、文章には自信があるとのことであったが、プロの編集者を探すように勧めた。 

2023年06月02日

エンヤコーラの復活

Ennya-Kora お願いしてあったA氏から連絡があり、うまく作動するようになったと、動画を送って戴いた。線路の長さが短いので、検知位置が相対的に遠く、タイミングが良いとは言えないが、すべての機能が復活した。

 電車が検知されると親方が笛を吹き、働いていた8人の工夫はツルハシを下げた状態で退避する。その間に電車は通過して、またエンヤコーラが始まる。

 小さな人形ではあるが、作業の様子は実にリアルですばらしい。剛氏の観察眼によって再現された腰と肩の動きは見る者を驚かせる。
 クラブ員は感動していた。親方はいつも首を動かして線路を見張っていて、電車が来ると笛を吹く。その瞬間は首が止まる。そこに笛が咥えられてピィーと鳴るわけだ。その動きが面白い。
 笛と口がきちんと合うところが素晴らしい。 

 動画は何本もあるので、順次御覧戴きたい。 

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