2023年03月

2023年03月30日

続々々 ナンセンス集

 ・外国の車輌はインチのものさしを持っていないと良い模型ができない。

 これは誰が言ったか見当がつく。筆者もそれを聞かされたが、全く無意味である。実物を測るときには、インチのノギス、巻尺を持って行くと、その数値が読み取りやすいのは事実だ。手摺の太さ、板の厚さがすぐわかる。しかし、それを模型化する時にその数字に従ってインチで作る人はいまい。縮尺が1/48であれば、大きな寸法はインチ尺でケガけるが、小さなものは無意味だ。塗料の厚みもあるので、ある程度のところで妥協して太さ、厚さを決めねばならない。日本型OJは 1/45 であるから、いったいどうやったというのだろう。なにか人に自慢できる部分がないかを考え、膨らませたのだ。むなしい話である。

 ・キリンスをかけると、ハンダはきれいに取れる。

 これは極めて怪しい話である。キリンス(硝酸と硫酸の混合液)の溶解速度は、
  ブラス>ハンダ
である。すなわち、ハンダが無くなるまで待っていると、本体が薄くなる。しかもハンダの下は腐食されないので段になる。その段が無くなるまで漬けると、本体は極めて薄くなるだろう。 

  
 その他、たくさんあるが、今回はこの辺で終わりにしたい。 

2023年03月28日

続々 ナンセンス集

 ・糸鋸は0番でも000番でも切れる速度は全く等しい。

 これも意味不明だ。粗い刃の鋸は確実に速く切れる。切り粉が大きいからだ。もちろん刃数が少ないが、一粒あたりの質量が数倍以上あるだろう。大きな鋳物を切ったりする時は#1あたりを使う。ザクザクと切り粉が出て楽しい。


 ・丸い円板を作る時は四角の板の角を落として八角にし、ヤスリを掛けると速く出来る。
 
 これは一理あるかもしれない。内野氏は鼻歌を歌いながら一発で抜いて、完璧な円板を作ったが、これは誰にでも出来るわけではない。八角、十六角と切ってヤスリを掛ける手もあるだろう。しかし速度は糸鋸には全く敵わない。 


2023年03月26日

続 ナンセンス集

 ・ハンダ付けをするときは、ワークを斜めに立てかけて、上からハンダを付けると全体に流れやすい。ハンダが流れ始めたら、一旦コテを離すと、ハンダがしみこむ。
 これも何を言っているのか全く理解できない。ハンダは「ぬれ」によってしみこむので、下からでも入り込む。隙間は狭くても入り込むが、タガネ等で傷を付けてわずかに隙間をあけた上で締め 、加熱すると良い。秘訣は、フラックスを十分に塗ることだ。圧力を掛けているコテを離すと、隙間があいてハンダ層の厚みが異なる部分ができ、仕上がりが極めて良くない。

私は折らない ・糸鋸の刃は、私は折らない。刃が半分くらいになるまで使う。

 これには参った。実際にそうやっているのかどうかもわからない。刃の先端に焼きが入っているはずである。それが無くなるというのはどのような状態だろう。なにかの勘違いだろうが、それを人に言うという状況が理解しがたい。
 糸鋸の刃の寿命は12分だそうだ。これは何万本も消費したプロが言っていることだから、間違いないだろう。


2023年03月24日

ナンセンス集

 内野氏のファイルの中に「ナンセンス集」があった。それは模型の集会に参加した時に出た会話の中から、とんでもないものを抜書きしたものである。鉛筆の色が微妙に異なるものがあるので、何回も分けて書き込まれたものに違いない。やってはいけないこと、常識がないことを知らない人が得意そうに語ったことを、書き留めてあるのだ。模型人は工学を修めた人ばかりではないので、仕方ないが、中学校の理科の範囲で解決することばかりである。モノを言う前に考えて欲しかったと考えるのは、筆者だけだろうか。

・凸電の床板は厚くないと垂れ下がってしまう
  最初何を言っているのが全くわからなかった。多分上廻りを薄板で作り、側板が不連続だから剛性がない。だから厚い床板で曲がらないようにする必要があると言いたかったのであろう。
 実物の構造を見れば、上廻りの剛性など無いに等しい。下廻りの剛性を上げる工夫など、訳はない。 

・台車のスプリングは3つを硬く、1つを柔らかくすると良い
  何をか言わんや、である。静止状態なら凸凹の線路上で落ち着くであろうが、走らせたらとんでもないことになる。このメモが作られたのは30年ほど前であろうと推測する。ところが10年ほど前にもこれを得意そうに言う人を見た。同一人物かどうかは知らないが、付ける薬がない。その人は3箇所をバネなしにしても良いのだとまで言っていた。 

2023年03月22日

続 Climax

Climax F2 どちらも押して動くようにするために、駆動装置を徹底的に改良している。そうなると歯車の噛み合わせは重要だ。
 
 平岡氏の歯車設計の式を眺め、難しそうだがやってみるかとも思った。しかし、動けば良いだけなら、3Dプリントという手もある。
 円筒にインボリュート歯を付け、それを絞って円錐にして傘歯車を作る。その断面を解析して円錐に貼り付ければ、それと噛み合うような食い違い傘歯車を作れるかもしれない、と3Dの専門家と協議していた。そこに、Lobaughのギヤでも動くようになったとの報せがあり、ひとまずオリジナルのギヤでの走行となった。
 F氏はこれらを Free to Roll にして、同一線路上で片方を押せば他方が動くようにするつもりだ。歯車が多くて効率が稼げないから、かなり難しそうではある。 

 このキットを完成させて走らせることが出来た、という話は過去数十年間、聞いたことがないので、現在の販売元は大喜びらしい。走行動画を公開すれば売れるかもしれないからだ。 

2023年03月20日

Climax

 当博物館には、Climax式の機関車のキットがあった。1960年頃、Lobaughが売り出したもので、ギヤは食い違い傘歯車であった。本物を縮小しただけのようで、かなり歯が細かく、わずかの心ブレでも不調になるものであった。雑誌の記事にその完成品の写真があったが、走ったとは書いてなかった。調子が悪いことは有名で、筆者の友人も「駄目だ。」と言っていた。200輌ほど製造され、売れたのが150輌程で残りはLobaughに死蔵されていたようだ。筆者の親しい友人 Bob がそれを買い取り、少し改良部品を付けて売りに出したのだが、ほとんど売れなかった。それを土屋氏の希望で1輌手に入れたが、そのまま、博物館に寄贈されたのだ。

Climax F F氏が組んでみたいと希望されたので、お渡しした。部品が間違っていたりして大変だったようだ。そうこうしているうちに、F氏はその販売元から、ご自分の分も買った。2輌まとめて組立ての途中である。 


2023年03月18日

平岡氏の記事

平岡幸三氏平岡幸三氏2平岡幸三氏3平岡幸三氏4 内野氏のところから来た膨大な資料の中に、日本機械学会誌の切り抜きがあった。それは平岡氏がClimaxの1/16模型を作られた時のことを書かれた記事であった。

 誰も実現していないことを初めて達成した時のことが書いてある。興奮して夜中にも拘わらず、小さかったお子さんも叩き起こして見せたとのくだりは、筆者も似たようなことがあったことを思い出させた。

 この記事は学会でもかなり評判が良かったそうだ。この記事をスキャンして発表しようと思った。しかしネット上でも発表されているとお知らせ戴いたので、紹介する。

 クライマックスは歯車が命である。昔どこかで見た本で、適当に鋳物を作って、その歯面にヤスリを掛けて仕上げている場面があった。かなりいい加減だ。回転速度は大したことがないので、ゴロゴロガラガラと走っていたのだろう。そのうち擦り減って落ち着くというわけだ。


続々々 伊藤 剛氏のGandy Dancers

 動画を見て、多くの方から素晴らしいとの感想を戴いている。外国からも賛辞が来ている。 

 TC氏からの抄訳を披露する。 
 メカニズムがほとんど復元され、動くようになっていますね。あとは列車接近の検知ですね。親方が笛を吹き、工夫たちは退避する訳です。これは踏切と同じです。
 剛さんは、この種のメカニズムの製作に長けた方なのですね!


 全くその通りで、メカニズムでほとんどの動きを解決し、タイマーで作動させていた。カムの形状が素晴らしいとのメイルが来ている。剛氏は、この種のカムについては非常に深い経験があるようであった。

 A氏によれば、まだまだメカニズムの調整をせねばならないとのことだが、潤滑法を工夫すると非常にうまくいくようになると思う。

2023年03月16日

続々 伊藤 剛氏のGandy Dancers

En-Ya-Cola A氏の工作はさらに進み、8人の線路工夫が働くようになった。




 人形内部に引っ掛かりがあると、その抵抗がイコライザによって他の人形の動きに影響してしまう。どの人形も、滑らかに動かねばならない。これはかなりむずかしい。新しい潤滑の方法を考えている。

 工夫たちは退避する。カムによって、するすると移動する。その移動用のレイルは文房具の綴じ金具を使っている。いわゆるハット・セクションの断面を持つ材料だ。
 剛氏が作っている時にお邪魔したことがある。ややこしいものをたくさん組み合わせてあるのだが、整然と動いたのには驚いた。しかし、そのときにも感じたことだが、アナログのタイマによるシークェンス制御では不確定要素が多い。コンピュータのクロックで制御するべきだと思ったのだが、あれから30年以上経つ

2023年03月14日

続々 模型製作技法

棒材の端部ツブシ治具 手摺などの取付部のディテールの作り方である。板を挟んで仕上がりの厚みをコントロールしている。これは便利である。

 筆者は万力を使っている。印をつけた線材を所定の深さまで万力の口金に挟み、所定の角度までハンドルを廻して潰す。この方法では、動かす範囲を調整しなければならないことがニ回あるので、ばらつきが大きく、失敗する可能性が高い。 
 
 当てて挟む鋼片の角を丸く落としてあるのも、良いアイデアである。こういうところまで注意が行き届いているのは素晴らしい。この方法でやれば、大量生産ができるだろう。  

2023年03月12日

続 模型製作技法

シャーリング切断後の処理 シァで切ったものは、くるくるとねじれている。それを補正するには逆にねじれば良いと思う人は多い。確かにそうなのだが、そのねじる量を見極めるのが難しい。

 ねじり過ぎたり、足らなかったりする。この引張る方法は簡単である。筆者もよくやる。伸びる量は僅かだが、一発でできるし、出来たものは硬い。加工硬化が起きるからだ。
 プライヤに銜えて、ゴンと引けば終了である。その衝撃が効く。

手摺、ステップ等の曲げ治具 手摺などの長さを揃えて作る方法である。このジグを持っていれば、何も考えなくても同じ寸法のものができる。筆者は、ラジオペンチにヤスリで彫り込んで印をつけてある。しかし、こちらの方法のほうが便利である。ただし、HO以下の細いものに限る。Φ0.8程度だと、孔がすぐに大きくなってくる。鋼製のジグが必要だろう。 

2023年03月10日

模型製作技法

 内野日出男氏の資料を丹念に読んでいる。時々、原稿の下書きのようなものが出て来る。何かの雑誌等で発表されているものかも知れないが、オリジナルの原稿には味があり、少しずつ発表して行きたい。これは夫人の希望でもある。

曲げボイラー ボイラの材料を切り出し、丸棒に巻き付けて所定の径にする。その時の切り出し寸法についての注意である。板の中心部の長さを切り出すようにとある。板厚くらいは誤差範囲だろうと思うと、意外にその差は大きく、きっちり嵌まるはずの煙室戸が落ちて来たりする。

余分ハンダの吸い取り法 ハンダの吸い取り法である。内野氏はこのような丸線を使っていらした。筆者は、最初は甲丸線(半分削った丸線)を使って少しでも吸い取り量が多くなるようにしていた。そのうち、平編線を使うようになって、この方法は忘れていた。

2023年03月08日

続 伊藤 剛氏の Gandy Dancers

 A氏の工作は速い。すでにここまで来た。 

 ボロボロの基盤を捨て、フェノール樹脂の厚板の上に引っ越している。
 親方はいつも首を左右に向けて注意している。列車が近づくと、笛を口に当てて吹く。
 そうすると工夫たちは作業を止め、左右に退避する。

 列車は通過し、また8人の工夫たちの作業が始まる。
 こう書けば単純な話なのだが、この工夫たちの動く様子は、まさに実際の工夫達が働くさまをよく表している。初めた見たとき、ため息が出たほどであった。

2023年03月06日

伊藤 剛氏の Gandy Dancers

 伊藤 剛氏の線路工夫を修理中のA氏から、動画が送られてきた。これは皆さんにも見て戴こうとYoutubeに upしてもらった。

 これである。工夫の動きが少々速いが、このような具合である。細い鎖が体の中を通っていて、それを引くとツルハシが持ち上がる。上体も同時に動き、きわめて実感的である。

 さて、列車が来ると退避するが、そのときにはノートの綴じ具をレールとしてスライドさせている。本体の基盤は、耐久性のある材料で作り直す。 

 機能が復元されれば良いので、思い切った修理になるはずだ。 

2023年03月04日

louver を作る

 内野日出男氏の工具を整理している。こまごました手作りの工具の中にそれが見つかった。

louver cutter1 これはプレスによるルーヴァである。本物は総型で一発だろうが、模型の場合は1つづつ送りながら抜く。左は下から見ている状態で、右は上からである。


 模型を見ているので、やり方はそれしかないことは分かる。しかし、その工具を作り、実際にやるにはかなりの困難がある。筆者は自分で作らざるを得なくなったときにできるかどうか、かなり怪しい。オス型が回転してはいけないのだ。しかも剪断するわけだから、刃の位置は極めて正確に決まらなければならない。

louver cutter2 このメス型は作るルーヴァの大きさに合わせて作ってある。その細い孔の一辺が刃物になっているのだ。最初に抜いたワークを当てて位置決めするわけだ。細い孔の一面だけが、刃になっている。

 
 少し錆びているので、刃を傷めないようにサビを取る必要がある。うまく出来ている型なので、しばし見とれていた。

2023年03月02日

続 Benderの破損

Bender プレスで押すというのはこのような状態である。上のネジ部分を外し、押す刃の部分が自由になるようにした。
 プレスのラム(上下する棒)で押し付けるだけのことである。とても使いやすい。以前のネジを廻す方法は、決して楽な方法ではない。この写真でも分かるが、ネジの当たる部分には派手に傷がついている。筆者も拇指の問題があり、手術はしたがあまり無理はしたくないので、ネジを廻すことは避けたい。

 外してみて分かったが、この上の刃の部分の出来は非常に良くない。砥石で擦ってなめらかにした。製品では縦フライスでさっと削っただけで丸い切削痕が付いていた。材質はおそらくS45Cあたりだろう。一度熱処理して、再度研ぎ直すつもりだ。 

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