2022年10月

2022年10月31日

内野氏の輪心製作

 内野氏の工作手順を紹介する記事を公開しているが、思わぬ手応えがあって、筆者は驚いている。いろいろな方から感想を戴く。もっと見せてくれとの意見が多い。
 達人の手の内を見せる記事には価値があるということだ。プロの手の内はなかなか見ることができないから、内野氏のような上級アマチュアの仕事は、チャンスがあれば見ておきたい。

wheel center 左はインデックスで孔をあけた状態である。中は切り抜いて、スポークを丸く削り出した状態で、鋳型として完成した状態だ。右は鋳こんだロストワックス鋳物である。スポークの丸みが実感的にできている。
      
wheel center plan 図面があるが、この輪心のものであるかどうかは、確証がない。上手な図面で、さすがに専門家である。スポークのテーパを指定する断面を描いている。


2022年10月29日

車輪踏面の粗さ

 筆者はNゲージには触ったことがないが、それに詳しい人が言う。
「Nゲージの車輪の転動音はかなりひどい。」

 シャーという音が響いて、会話もできないそうである。走らせることをシャーシャーするという人もいるそうで、それには呆れる。
 彼は筆者の博物館に来て、その静粛性に驚いた。
「模型の音がしない。」と言う。

 Nゲージのその音はどこから、来るのだろう。レイルを撫でてみると、かなり滑らかである。そうなると車輪しかない。
 もし伝手があれば、車輪の表面を電子顕微鏡で見ると面白いだろう。ニッケルめっきが施してあろうが、それの表面は月の表面のようにあばただらけになっているはずだ。
 それを改善するにはめっき面を研磨するしかない。#1500程度のサンドペーパを湿らせて当てれば良い。もちろん旋盤上である。ほんのちょっと磨くだけで格段の差が生じる。旋盤のベッドは保護しておくことは不可欠である。
 HOの車輪を研磨する人は、このブログで初めて見た。

 問題は、この種のことが全く話題にならないことである。どうして雑誌にこのことが記事として採り上げられないのだろうか。これはメーカ・サイドの問題である。製造時に一手間かければ出来ることで、それによって得られた静粛性は、他社に差をつける大きな切り札になるはずだ。めっきは、旋削に比べて表面が粗いことを知らないはずはないのだが。

注: めっきは日本語であり、外来語でないから、ひらがなで書くべきである。JISもひらがなである。 

2022年10月27日

続々 「私たちの立ち位置」

 今野氏率いるKKCの会員は、金属工作による車輌群の製作を趣味とする人達である。KKCの内部では様々な情報が交換され、共有されている。これは素晴らしいことである。雑誌には載らない常識、誤謬の訂正などが伝達され、然るべき時間の後には、雑誌に載ったりする。
 
 若い会員は、先輩の指導で様々なことに挑戦し、その試行錯誤の様子も分かる。ここで大切なことは、会員の殆どが実践者であることだ。自分で手を動かし、やってみて確認したことを報告している。糸鋸の使い方、タップの立て方にしても、雑誌に書いてあることとは一捻り違うことが紹介されている。ハンダ付けのコテを改造する例も紹介されている。 

 最近では模型人は製品を買うだけの人が多いと感じる。筆者は、それほど懐に余裕がなかったから、自作か、中古品を改造することを中心にしていた。博物館のコレクションは、土屋氏からのものを除けば、ほぼ100%中古品からの再生である。動力装置はすべて取り替えられ、サスペンションも更新されているものが多い。
 それを知っているアメリカの友人は、再生を頼んで来た。渡してやると、さらに友人に自慢し、それが次から次へと輪を広げていった。こうして祖父江氏は忙しく仕事をするようになったのは、嬉しいことであった。


2022年10月25日

続「私たちの立ち位置」

 非常に多くのご意見を頂戴している。

 ほとんどの方の意見は一致していて、まとめて言えば”主体性の有無”である。これについては過去の記事で扱っている。


 例のコンテスト以降、鉄道模型のあり方について考えることが多い。コンテストの是非は別として、「入賞したいという意欲」が、昨今の問題の原点にあるような気がする。他人は他人なのだが、コンテストで入賞するためには、ある概念の中での出来不出来を競うわけだ。そうなると、見かけ上良くできている、ということは極めて重要になってくる
 筆者は何十年もコンテストを無視してきた。その入賞作品を見て、感動することもほとんどなかった。「ご苦労様」という言葉しか、感想として出てこなかったというのが正直なところである。中身についての工夫はほとんどなかったからだ。 

 筆者は、「世界で一番良く走り、耐久性のある模型」を作りたかった。祖父江氏も全く同じことを考えていたので、35年に亘る親交を結べた。懸架装置、歯車を含む駆動装置、耐衝撃性、耐摩耗性、静粛性の点で傑出するものを作ることだけを考えてきた。被牽引車は低摩擦であるべきで、緩和曲線を備えた線路を精密に作り、長大編成を牽かせることを目標にした。

 その目的達成以外、何も考えていなかったので、他の人からの雑音は耳に入らなかった。ある程度の完成形が見えてくると、車輪、歯車等を欲しがる人が出てきたので、原価で提供した。その購入者が筆者と同じことを考えていたかは不明ではあるが、さらにそれを見て、「僕も欲しい」と言う人が現れるのは嬉しかった。原価で頒布してきたのは、それを工場に注文するにはある程度の数を揃える必要があり、その協力者への謝礼という気持ちもあった。100個しか注文しないのと、3000個の注文では単価は数倍以上違う。

2022年10月23日

最高速度

 高効率ギヤを購入し、換装された方々からレポートを戴く。どなたも、走行性能の格段の向上に驚き、絶賛して下さる。最高速についての不満はないようだ。揚げ足取りを目的に、速過ぎると書く人もいるだろうが、それは的外れだ。最高速について、かねてから思っていることを書こう。

 ファンタジィの世界に入り、実物との違いを考えていない人が多いのだ。以前、無負荷での最高速は意味がないと書いた。実物の場合は無負荷のように見えて、たいへん大きな負荷を掛けての試験である。それは空気抵抗である。120 km/hを超えると、空気抵抗はかなり大きい。小出力の動力車は、空気抵抗だけで最高速が決まってしまう。

 数千馬力もある機関車は空気の塊を押しのけて、楽に200 km/hを出せる。ただし、機械部品の最高回転数は制限されているので、むやみには出せない。壊れてしまうからだ。
 新幹線を考えてみよう。仮に先頭車に動力があったとして、1輌だけを走らせたとすると高速は出せない。 長い後続車に動力があり、総出力が大きいからこそ 300 km/h以上が出せる。すなわち、先頭車の後ろの連結器には、大変大きな推力が掛かっている。ヨーロッパの高速列車は前後部に強力な機関車を付けているから、少し話が異なるが、空気抵抗が大きな部分を占めることには変わりがない。
 一方、模型の場合は空気抵抗はあって無きが如し、である。すなわち、最高速など考えても仕方ないのである。 

 最近は行っていないのでよくわからないが、大きな催しで、最高速、最低速コンテストがあるそうだ。どちらも負荷を全く考えていないから、夏休みの自由研究と変わらない。出場資格は小学生以下とすべきだろう。

2022年10月21日

絶縁軸

 brass_solder氏のブログに、Katoの機関車の動輪を分解した写真が載っている。これは話には聞いていたが、見るのは初めてだ。フランジの形はかなり良い。

 カツミに居た高橋 淑氏の話を聞いた。60年代に高橋氏はアメリカに行くたびにIrvin R. Athearn氏に会った。アサン氏は鷹揚な人物で、
「今度は何を盗んで行くんだい?」
と聞いたそうだ。それほど日本の模型はアサンからの影響を受けているということなのだ。

 1980 1970年代に、カツミはHOゲージのEF65を作った。それはベストセラーになり、カツミは大きな収益を得た。その設計には、この絶縁軸が初めて採用された。これはアサンの機関車には1960年代から採用されたアイデアである。今でもカツミ製のギヤボックスにはこのアイデアが使われているという。

 同様にNゲージの動力車には当然のように採用されている。

 ”Athearn”の発音は不明なところが多い。筆者が聞く範囲では、ェアサンという人ばかりだ。エイサンが正しいと言う人もいるが、筆者の知人に、「友人はAthearnという名字だが、本人は”ェアサン”と言っている。」と言われたこともある。この話題の人物本人が、なんと言っていたか、知りたいものだ。

 読者諸氏からのご指摘を受け、発売年を訂正しました。ご指摘感謝します。 

2022年10月19日

続 内野氏の動輪の構成

driver counter balance weight 輪心の厚み方向からの撮影である。カウンタ・バランス、クランクは 6 mm厚の板を嵌めたので、同じ高さであるはずだが、カウンタ・バランスにはさらに 1 mmの板を貼り足してある。

 この鋳物ができたら、旋盤上でクランクだけ挽くのである。全周廻すとカウンタ・バランスが削れてしまうので、チャックハンドルを差して、45度位の範囲だけを手で往復させて削る。大変そうだが、それほど難しくはない。ただ、バイトはよく切れるものを使わないといけない。

 カウンタ・バランス・ウェイトが大きく飛び出していると、非常に迫力がある。Oゲージは実物より1.8 mm弱、線路幅が広いので、下手にこれをやると、破綻する場合が多い。微妙にシリンダ中心を移動したり、クロスヘッドの裏を削ったり、というような様々な工夫でごまかすことが必要であった。内野氏もそこには気を遣っていた。 

2022年10月17日

内野氏の動輪の構成

driver center これはDM&IRの2-8-8-4の動輪を作るプロセスを示している。旋盤で挽いた輪心に、概略の形を鉛筆で描いてある。そうして色々なやり方で、形にするべく試行していたのだ。


 クランクやカウンタ・バランス・ウェイトを貼り付けて、旋盤で挽き落とす方法も試したようだ。結局は、結果には不満であった。クランクを厚板から切り抜いて、孔に落とし込んでハンダ付けしている。

crank この板は 6 mmの厚さだ。実に見事に切り抜かれている。左は完成した鋳物の原型である。これは変色していないから、シリコーンゴム(RTV)でゴム型を作ったのであろう。生ゴムで型を取ると、加硫時に発生する硫黄化合物の蒸気で、ブラスは黒く変色する。 
 
 カウンタ・バランスも同様に切り抜いて嵌め込まれている。嵌め込んでから、裏を削って肉を盗んである。そうしないと、ヒケが出て、表面が凹んでしまうからだ。一方、クランク部は旋盤で表面を削るから 多少のヒケは問題ではなくなる。バランス・ウェイトは鋳肌のままである。 

2022年10月15日

「私たちの立ち位置」

 仙台の今野氏が率いるKKC会報のコラムに、今野氏が表題の件について書かれている。
 概略を書くとこのようなことである。(著者承諾済) 

 我々は金属工作によって車輌を作り、それが模型としての唯一の最高峰であると思ってきた。最近のTMSのアニバーサリー・チャレンジの結果を見ると、それが通用しないことに気が付く。スクラッチから機関車を作るということはこの趣味の本筋ではなくなったのだ。
 機関車を作る人はそれを走らせるレイアウトを作るところまで行く人は稀である。また、レイアウトを作る人は、機関車を作ることは少ない。
 KKCでは、走りの追求をしようとする方向に向かいつつある。伊藤 剛 模型鉄道館のような、簡易なシーナリィではあるが高精度な線路を持つ運転場
(ディスプレイ・レイアウトと呼んで欲しかった)を作ろうではないか。

というものである。
 今連載中の内野氏の工作は、すでに過去のものとなってしまったのであろうか。そうではないはずだ。偉大な模型人のテクニックは、語り伝えなければならない。

 高効率ギヤが普及すると、どうしても長編成を走らせて勾配を登らせてみたくなるものである。さて、これでいくつかのディスプレイ・レイアウトが、日本にも出現するであろうか。  

2022年10月13日

内野氏の糸鋸作業

coping saw 内野氏の”抜きカス”を拾って来てある。これが何の部品になったのかは、しかと覚えがない。このようなものを大量に正確に抜くのは難しいと思うが、内野氏は鼻歌交じりでスイスイと抜いていた。鋸刃は 4/0 だった。
 ある友人は、「その鼻歌に秘密がある」と言う。糸鋸はリズムが必要だ。いつも同じように引かないと、引っかかる。そのリズムの元が鼻歌だと主張する。そうかもしれない。
 最近はそれを思い出して、実行している。なかなか良い。

wheel center blank 右はインデックスで穴あけをしたあと、糸鋸で抜いてスポークを作る直前の状態である。左は何をするつもりであったのだろうか。

 祖父江氏の工房を訪問したときも、このような状態のものがあった。糸鋸を通して、筆者と喋りながら抜くのだ。ほとんどワークを見ていないような感じがした。そのスポークの仕上げはキサゲであった。

2022年10月11日

続々々 内野日出男氏の工作

 内野氏の工作の上手さは、糸鋸、ヤスリがけ、旋盤、ハンダ付けである。要するに、金属加工の本質を深く理解しているということ以外には、筆者は何も言うことができない。   
 内野氏がどのようにしてそのような能力を身に付けたのかは、よくわからない。ご実家はその種の仕事をしていたわけではない。特定の誰かからテクニックを学んだということでもないようだ。翻訳家の日吉菊雄氏とは、家が近くで親しかったとは聞いている。

 遺された工具類を点検すると、全てのヤスリのsafe edgeは見事に研ぎ上げられている。旋盤も良いものだが、特別なものではない。
 糸鋸は荒い目の物が多い。#1程度の刃がたくさんある。これでステンレスを切ると、かなり早く切れる。糸鋸の枠も極めて普遍的に売っているもので、特に変わりはない。

 筆者も若い頃は目が良かったので、糸鋸加工は得意だった。内野氏達と話していたとき、ケガキ線に沿って切るとき、どこを切るかという話で盛り上がった。内野氏が「ケガキ線を半分残すんだ。」と言ったので、皆が納得したことを思い出す。

2022年10月09日

続々 内野日出男氏の工作

brake shoe(1) これはブレーキ・シュウである。本物のようにアームがシュウの溝の中に納まる。これを旋盤で挽いてヤスリで削り出してある。難しいのは、8個取りの角度を等しくすることだ。


brake shoe(2) 違う角度から見てみよう。溝がよく見える。8個の穴は自作のインデックス装置で位置を決める。内野氏は48歯の歯車を用いていた。48は、2、3、4、6、8でも12でも割り切れるから、便利な数字である。旋盤のねじ切り用の歯車を用いている。

 indexing device(1)歯の溝にはまる割出しクサビはブラス製で、バネが付いていた。三つ爪のチャックに銜えたワークを、所定の数の歯を飛ばして廻す。所定の角度を廻してドリルで孔をあける。3爪スクロールチャックは、ユニマットのものだ。中心のネジはM12-P1である。 

indexing device(2) 歯車を外したところである。クサビを保持する部分は、歯車の大きさに合わせて前後出来るようにしてある。すなわち割出し数に合わせた設定ができる。しかし、ほとんどの場合、48歯で用は足りるだろう。回転しないように軸を固定する装置はついていないが、小径の穴をあける程度だから、問題はない。フライスを使うと回転してしまうだろう。

2022年10月07日

続 内野日出男氏の工作

side rods これはDM&IR鉄道の2-8-8-4サイドロッドである。厚さ 3 mmのステンレス板を糸鋸で切り抜いている。穴あけして概略を切ってからヤスリがけして正確な外形にする。それをフライスで削って薄くし、スリットを入れ、相手と組み合わせて関節とする。

side rods (2) 余分にいくつか作って、良いものを選んだのだろうが、余っているものも素晴らしい出来である。
 ロッドにステンレスを選んだのは、単純に色の問題である。内野氏も、洋白の色は好きではなかった。

 このステンレスは、SUS430であろうと思う。磁石に付く。それほど硬くないから、糸鋸で切れる。多少の油を付けると切り易いが、ブラスの2倍ほどの時間がかかる。切り粉は磁石で完全に集められる。

2022年10月05日

内野日出男氏の工作

 抽斗の中に、内野氏から戴いたいくつかの仕掛かり品、失敗作(とてもそうは見えない)をしまってあった。久しぶりに中を確認している。

headlite(1) ヘッドライトである。ロストワックスの既製品は気に入らないので自作されたのだ。反射鏡が洋白で削り出してある。それが本体のブラスのブロックにはめ込まれる。
 このアイデアには参った。洋白は白いので、めっきをしなくてもそのまま反射鏡になる。

headlight(3) 組み合わせるとぴったり合う。ハンダを滲み込ませれば、そのまま出来上がりだ。見本にした出来の悪いロストワックス鋳物とは雲泥の差だ。



headlite (2) この鋳物は特に出来が悪い。その後の製品はかなり良くなっている。その元型を誰が作ったかは不明だが、アメリカ人にも特別な才能を持った人が居るようだ。昔聞いた話だが、そのような人に鋳物メーカが頼んで作ってもらうときは、現金・領収書無しだそうだ。支払い側が、その経費をどうやって捻出していたのかは分からないが、かなりの金額だったようだ。

 筆者もある機関車のテンダ台車のブレーキ梁の元型を作ったことがある。祖父江氏の依頼だった。時間がないから頼む、ということだった。大変光栄なことであり、対価はあえて貰わなかった。

2022年10月03日

他社のHOギヤボックス

another gearbox 別の友人が、前回の記事を見て意見を求めてきた。このギヤボックスはどうか、と聞くのだ。このギヤボックスも、1時間連続運転して止まると、動き出せないと言う。

 確かにウォームが当たっているウォームホィールはPOMのようだ。ウォームは1条のようだから、進み角(°)は一桁である。すなわち効率は、あまり高くない。大きなモータを付け、重負荷を掛けて1時間も走れば、熱は溜まる。これも熱くなった状態で、急停止するとウォームの歯型が転写されてしまうのではないのだろうか。

 ウォームホィールは熱の逃げやすい金属製に限る。快削のリン青銅を用いるのが普通である。快削のリン青銅と言っても何種類かあるから、よく調べて指定しなければならない。 

 長時間の運転をすることはアマチュアでは少ないだろうから、この種の問題は顕在化して来なかった。最近、いくつかの鉄道会社が博物館を持つようになって、この種の問題に気がつくようになったようだ。アメリカではかなり前から、この対策が必要であった。 筆者のギヤも微力ながら貢献した。

2022年10月02日

金網 

chicken coop mesh (2) これはディーゼル電気機関車のラジエータ部分の覆いである。


 通称chicken wire であるが、ある友人から chicken coop mesh と言うのが正しい、と言われたことがある。調べてみると、前者は六角の網目のものを指すらしい。後者は、スポット熔接してある少し太めの格子のようだ。この場合は後者が正しいだろう。上を人が歩いても壊れない程度の太さだ。1/4インチ径(6.35 mm)くらいだろう。1/48では0.13 mmということになる。

 この金網はエッチングで出来たものだ。非常に腰の強い板を使っている。日本製のエッチング部品は、例外なく、腰がないクタクタの板である。焼き鈍しをしたからだ。よく考えて欲しい。抜き落としをしても、応力の開放によって反ったりすることはない。ということは、焼き鈍し板を使う必要は全く無いにもかかわらず、一律に焼き鈍し板を使っているというのが日本の模型屋の現実である。そんなことはやめるべきだ。

chicken coop mesh (1) 寸法を測って見た。厚さは0.4mm弱(15ミル)、網の部分の太さは、0.21〜0.26mm程度である。こんなに細くても平面性が保たれている。

 飛び出している部分は、ジグを使って所定の位置で曲げる。

 板はアメリカのブラスで、日本の快削材よりさらに硬い。日本なら、リン青銅板にエッチングして抜き落とすべきだろう。

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