2022年04月

2022年04月29日

続々 六角ジョイント

 六角ジョイントはかなりの数が出ていった。評判は良い。中の隔壁と六角ナットの間には、弱いバネを入れて浮動させねばならない。
「ケイディのバネを入れて下さい」と書いておいたのだが、そのバネがないと言う。その方は、Oゲージ用のバネだと思ったようだ。「HOの連結器のパッケージに余分に入っているもので十分である」と伝えると、完成の喜びを伝えてくれた。

 ブログを拝見して、走行不調の原因を見出しました。(前後進で調子が異なるのは、ゴムジョイントモーターにギアを直結する  )

 HO用バネを挿入してみたら、懸念していたバネが六角穴の中で転ぶこともなく 良い具合に遊動しました。FEFとCallengerに使用したところ、前後進とも低速からスムーズかつ静粛になり、感謝感激です。

 他にも様々な感想を戴いている。

 反トルクがこんなにもあるということに、今まで気付かなかったのは情けないです。後退時にジョイントが抜けたので、気付きました。トルクアームを付けた瞬間にその機関車が生き返りました。今までの30年間、何をしていたのでしょう。素晴らしい走りです。友人に見せたら驚いていました。
 

2022年04月27日

続々 装着マニュアルを書く

 ウォームギヤは、効率が低いと昔から言われている。それは進み角が小さく、ウォーム径が大きいときである。今回頒布のウォームはその点を最良の領域に持っていき、さらに素材の吟味歯切りカッタの新設計で、これ以上ないものを作った。先に戴いた手紙の「これ以上のものはありません。」という感想は、その通りなのである。おそらく、コピィ品が出てくると思うが、その性能を見たいものだ。今回のギヤの製造工場は、非常にうるさい顧客を相手にしているので、そのレヴェルの性能が確保されている。

 歯車を見せると、手に取って返すとき、たくさんあるものの中にポトンと落とす人が居る。これはやってはいけない。傷が付いて取り返しがつかないことになる。精密機械部品を触ったことがない人なのだ。こういう人には売らない。

「ギヤボックスは要らない」と言う人も居るが、精度の高い物を自分で作れる人は限られている。こちらの提供したものを使ってもらいたい。性能の確保は、困難なものなのである。模型人には自信家が多いようだが、完全な直角を出すのは意外と難しいものなのだ。ウォーム軸にはラジアル荷重とスラスト荷重が掛かる。その両方を承ける方法を承知していないと、とんでもないことになる。   
 少なくとも縦フライス盤を持っていない人には、正しいギヤボックスは作れないはずだ。

2022年04月25日

続 装着マニュアルを書く

 潤滑剤はモリブデングリースを用いる。極圧剤が入っていないグリースでは意味がない。ほんの少しを薄く塗り付ける。”互いに素”の組み合わせだから、一箇所塗れば全体に広がるはずだが、それにはかなりの時間が掛かる。

  シャフトにボールベアリングを嵌めるときは、ミシン油を少し付ける。そうすると、シャフトにぬるぬると入っていく。ベアリングは油膜で浮いていなければならない。もちろんホコリを噛まないように、十分拭ってからの仕事である。ボールベアリングを注油なしで嵌めるとどうなるかは、やってみると分かる。数年たつと黒い微粉が付くようになる。微妙にすり減って、ガタツキが出始めるのだ。油膜は不可欠である。
 
 ギヤボックス本体にネジを立てるが、このネジ立てのあとでリーマを通すのが良い。中の膨らみを取り去ることができるからだ。
 左右を組立て、車軸を嵌めて裏蓋を取り付ける。車軸を廻せば、ウォーム軸がするすると抵抗なく廻るはずである。ウォームギヤは無音で廻るものである。この利点を最大限活かしたい。


2022年04月23日

装着マニュアルを書く

 3条ウォームを機関車に装着するには、ギヤボックスを組まねばならない。そのマニュアルを書き始めた。

 ギヤボックスは、3D成形時の厚み指定があるから、薄くは作れない。薄くしたいときは外側を 0.5 mm程度は削れる。また、長さ方向はかなり削ることができる。トルクアーム装着用の角(つの)が出ているが、これも切っても構わない。片方がネジ留めできるなら、スーパーXで接着すれば、全く問題ない。

 左右を組むネジは、首下寸法が十分ないと、場合によっては引き抜かれてしまう。材質が金属でないので、長いネジが必要である。特にリーマを通すときは圧力が掛かるので、万力に挟んで軽く締め付けないと安全ではない。ウォーム軸はボールベアリングのアウタレースを直接挟む。そのときに穴の内側がざらついていると、動きがおかしくなる可能性が高い。リーマ仕上げで、つるつるにしておかねばならない。

 ギヤはシャフトにロックタイトで留める。その他の方法は事故のもとである。シャフトにニッパなどで傷を付けて押し込むという荒っぽいことをする人もいるが、それは偏心の元である。またシャフトも曲がる。金槌で叩いて押し込むのは、絶対にやってはいけない。シャフトはマイナス17ミクロンのを特注した。滑り嵌めである。絶妙な固さで嵌まる。位置は何らかのジグで決めておく。固まるまで1分半くらいだ。
 以前、これをハンダ付けした人が居て、「動かない!」と大騒ぎだった。見せてもらうと、ハンダが多過ぎて、歯面にまで付いていた。それをヤスリで削っているのだから始末が悪い。彼は、ギヤボックスというものの意味を知らない。ギヤボックス無しで空中戦状態の噛み合わせだ。これでは動くわけがない。自分の無知を棚の上に上げて、「インチキなギヤ」だと触れて廻った。
 正しい使い方を知っている人にはたしなめられたようだが、それでも懲りずに悪口を言って歩いたようだ。付ける薬がないとはこのことだ。  

2022年04月21日

続 高性能な車輪

 先週、クラブの例会に行ったときのことである。走っていたある電車の音が異常に小さい。ガラガラ走る車輌の中で、その静かさは際立っていた。しかも全く揺れを感じない走りだ。どこの車輪を使っているのだろうと持ち主に聞くと、「あなたの車輪ですよ。」と言われてしまった。それなら納得である。

 同じようなことが、昨年の静岡のトレインフェスタでもあった。非常に静かに、安定した走りを示す電車が、OJゲージの線路を走っていた。全ての車輌が異常に静かなのだ。OJでこんなに静かなのは初めて見た

 OJの車輪は自分で挽く人が多いので、高性能のCNC旋盤による車輪踏面の仕上げ面とは、やや異なる。卓上旋盤のスピンドルの精度は、一部の特殊な例外を除いて、決して高くない。2/100 から 3/100 mmの振れはある。筆者の車輪の振れは、1/100 mm以下である。数あるCNC旋盤の中でも、最高の性能を持つものを使用しているからだ。こういう理由で、音の差は明白で、走行安定性の点でも無視できない差が生じる。車輪や歯車は、作る工作機械の精度がそのまま製品に現れるから、工場を選ばねばならない。Low-D車輪を作る工場は、三菱のジェット機が失速して、廃業してしまった。困ったことになったが、ある方の紹介で、良い機械を持つ工場を紹介してもらえることになった。

 さて、そのOJグループの人に聞いてみると、「ある方が非常に安く作ってくれたので、大量に買いました。どうしてそんなに安く、良いものを売るのか不思議です。変わった方ですよ。普通では考えられないことです。」と言った。
 そういえば前の年に、そんな注文があったことを思い出し、名札を見せると、彼らはとても驚いた。
「変人かも知れないですね。ただ、これを広めたいだけですよ。」
と言うと恐縮していた。ともかく、当方の目的を達していることは確かである。OJの車輪は、吉岡精一氏の設計により、バックゲージは21.5 mmである。

2022年04月19日

高性能な車輪

 たかが模型と言えども、これは精密機械である。そのあたりの模型に使ってあるものとは、一桁以上精度が違う。だからこそ、この性能を出せるのだ。ガリガリゴリゴリ走る模型で良いなら、そういう部品を使えば良いことである。しかしその人は、再度接触して来て、売ってくれと言う。その理由を問うと、「安いから。」だそうだ。言葉が出ない。60年前の歯車を渡して、それきりにした。

 車輪についても同様のことを言う人が居る。Low-Dは、低価格で提供して、利益は事実上ない。他の市販品より遥かに安く、性能は比べ物にならないくらい良い。だから、他のメーカは撤退してしまった。すなわち、当方の車輪で寡占の状態である。de facto standard(事実上の規格)になった。これは、当初考えた作戦通りに推移したわけだ。30年前、吉岡精一氏と話した通りになった。安く高性能なものがあれば、自然にそうなる。 

 すでにヤフオクでも売買されている。しかし価格は頒布価格よりかなり高い。ということは少し値上げしても良いのかもしれない。

2022年04月17日

新設計のギヤセット

 今回発注のギヤセットは新設計である。切削する刃物も新調して、考えられる最高効率を目指した。40年の研究結果の集大成であって、猿真似では、実現できないレヴェルにある。高価ではあったが、望んだ通りの結果が出た。
 
 当然のことながら、Oゲージ用も同時にデヴュウしている。これには固定客がある。たまに模型クラブに持っていくと、価格を聞かれる。安いと感じるらしい。こちらは儲けるつもりがないので、一般のギヤセット程度の値段である。

 売ってくれ、と言うので、細かい説明をする。潤滑剤の話、ボールベアリングの銘柄と形式、嵌め方、そしてシャフトは提供したもの以外使わないこと、さらにネジの締め方、リーマの通し方などである。
 すると、その人は、「たかが模型なんだから、そんなことまで言わなくても…。」と言う。

 こういう人には売らないことにしている。後で悪評を撒き散らされるのが、目に見えているからだ。価値を理解できない人は、間違った使い方をして、失敗する。更にそれを開発者である筆者のせいにされた事例は、多々ある。
 
 筆者は精密機械の部品を用意しているのだ。おもちゃの部品を売っているわけではない。

2022年04月15日

HO用3条ウォームギヤ・セット

「HOゲージ用の3条ウォームを作って欲しい」という要望が、かねてからあった。問題点は発注ロットで、最低300組の注文がないと、動き出せなかった。
 Oゲージ用の注文が溜まってきて、それと同規格にすることを思い付いた。厚みだけ減らせばよいのだ。HOゲージの蒸気機関車に使える。Oゲージ用はディーゼル機関車や電車用である。外径は約14 mmで、ギヤボックスの底を削ると、ギリギリで9600にも使えるということであった。穴は薄いフィルムで覆えば良い。潤滑剤は、モリブデングリスをほんの少し塗るだけなので、漏れることもない。

 ギヤ比は3/23で、蒸気機関車にはやや低いかもしれないが、時代はDCCである。DCCでは低い電圧を作り出せるので、問題はない。重負荷のときはもう少し高い電圧を掛けられる。

 何人かの友人に先行試作品を買って戴き、テストをお願いした。結果は非常に良く、2輌の機関車を同一の線路に置き、片方を押すと他方が走るそうである。トルクアームあるいは吊り掛け装置は、仮のものであろう。

「HOのギヤを1両組み込んでみました。素晴らしい走りです。これまで動力装置を色々と試してきましたが、これ以上のものはありません。」
というお便りも受け取った。差出人は工学部機械学科出身の方で、この分野には明るいから、よく理解された上での感想であろう。

 3Dプリントの特性上、肉厚が減らせない部分がある。製品を削るのは全く問題ないので、薄くしたいときは、外面を0.5 mm程度削るように、お願いした。また、外形は冗長性を持たせてあるので、差し障る部分は切り落せば良い。トルクアームを付けるべく、上に角を出してあるが、そこは使い方によっては不要になることもあるだろう。


2022年04月13日

続 六角ジョイント

hexgonal joints 最近、今野氏ブログ採り上げられたので、問い合わせが多い。寸法を聞いて、自分で作るつもりの方もいらっしゃるようだが、かなりノウハウが有るので、そう簡単には出来ないだろう。ここに来るまでに、かなりの試作をしている。材質もABSではいけない。長持ちしないのだ。寸法は長短2種用意した。M1.4のナット(対辺3 mm)の角を落として用いる。これは旋盤で落とすべきである。

 今野氏は例のシリコーン・チューブを使うのを避けたかったようだ。正しい解釈である。シリコーン・チューブは鉄道模型の推進力伝達には全く適さないものである。

 六角ジョイントは、次の3つの問題点を同時に解決する。
(1)軸の曲がり
(2)軸ずれ 
(3)軸の伸縮
 もちろん大きな修正は期待できないから、目で見てほぼ合っている程度に調整してから、採用して戴きたい。角速度変化は極めて小さい。
 ギヤボックスには、反トルクを承ける何らかの装置が必要である。一般的にはトルクアームを付けるべきだ。これがないと、発進時あるいは減速時に、ジョイントが抜けてしまうだろう。

 六角ジョイントの中には隔壁が有る。そこには2つの弱いバネが入れてあり、浮動している。この浮動がミソなのである。それに気付かず、「音がする」と文句を言う人が居る。きちんと説明しているのに、話を聞かない人である。こういう人とは、縁を持ちたくない。 

2022年04月11日

よく走る模型

 しばらく前、この記事を発表した。賛同してくださる方は非常に多いが、そうでもない方が居ることが判った。要するに、TMSの最近の方針に対する批判が許せないらしい。TMSの方針に賛同している方のようだ。

 どうやらその方の頭の中では、細密化⇦⇨走行性能向上という一次元の尺度があるようだ。よく走る模型は細密でないと思っているだろう。残念ながらそれは間違いである。細密化と走行性能は異なる次元なのだ。

 2輌の同型機関車があり、片方は超細密で、他方がそうでないとする。大抵の人は細密な出来の機関車を見て、すごいと思う。これはよくある。
 次にまた別の2輌の同型機があり、その外観が同程度であるとする。片方が滑らかに走り、他方がガラガラと音を立てて走る。なおかつ、つんのめる。当然前者が良いと思う人がほとんどだろう。よく走る模型が良いということには反論が難しい。どなたもそれに向かって努力することを、無駄だとは言い難いはずだ。
 よく走る車輌には価値がある。

 最近仙台発の記事には、走りの改善についての情報が多い。素晴らしいことである。 

2022年04月09日

アルミ製タンク車を作る

Aluminum Tanker タンクボディができたので、下廻りを作り始めた。過酸化水素水を運ぶタンクはアルミニウム製である。すなわち剛性は無い。最近のタンク車はタンクボディそのものを構造体として利用しているが、これは別の鋼製台枠を持っている。

Tanker frame 古い部品箱を探し、適当な台枠材料を見つけた。両端のデッキ部分はエッチングで表現した滑り止め模様の板である。この板はt 0.5であるが、柔らかい。剛性は全く期待できないので、t 1.0の板を裏に全面ハンダ付けし、チャネル材を取り付ける。その t 1.0板とチャネルは t 1.5の材料をフライス加工した補強材でつなぐ。クランプで挟んでおいて、炭素棒で加熱し、全ての接合面がハンダで埋まるようにする。こうしておかないと、衝突時に分解してしまう。

 ボルスタの部分は 5x10の角材をフライス加工して、タンクボディを支える。そのタンクボディには、支えが付く部分は厚板を貼り付けている。そうしないと凹むのであろう。

 手摺りは片側だけである。中央のプラットフォーム部分だけには、両側の手摺りがある。色は白で、水色の帯の入ったDu Pontの私有貨車になる予定だ。 

2022年04月07日

続 佐藤昌武氏の主張 

 沢山のコメント、メイルを戴いている。私信としてあるので、公表できないが、全て佐藤氏の掲げた方針には賛同している。

 エポック・メイキングの定義が難しい。動力伝達機構の進歩はその段階を追って、展示すれば良い。他には何が適当かは、なかなか難しいことである。
 ただ細かく作ってあって、美しい模型はいくらでもある。その中でも特別に光り輝くような作品でなければならない。

 著名人の秀作が揃い始めた。ご遺族から連絡を受けたり、友人からの紹介で、受取りに行く。当博物館の様子を写したDVDを用意してあるので、それを事前にお送りしておくと、喜んで寄贈してくださる。そして陳列した状態を写真に撮り、お送りする。

 ブラス製以外の作品はお断りしている。経年変化でダメになる可能性が高いからだ。その点では稲葉氏の客車群は、極めて特殊な例外である。セメダインCしか使っていない。全面に塗布し、圧着してある。極めて堅固に着き、剥がれが認められない。天井、妻板、側板の組立も完璧だ。隙間を発見した場合には、低粘度のエポキシ樹脂を流し込む予定だ。

 走りの点では、不満足なものもある。いずれ動力装置だけは、取り替えたい。そのための部品は用意してある。もちろん故人が、「動力伝達装置を取り替えたい。」と仰っていたのを確認したものだけである。 素晴らしい作品を分解して手を入れるのは、畏れ多い。  

2022年04月05日

貨車を塗る

black laquar painted 寒くて大雨が降ったが、その後急に天気が良くなり、塗らずには居られない陽気になった。

 塗る準備のできた車輌を箱から出し、同じ色のものを並べた。黒が多い。ところが黒のエナメル塗料が足らない。困ったなと、塗料の棚を見ていたら、モノタロウ・ブランドの黒のスプレイ缶があった。いつ買ったのかは忘れてしまったが、ここ3年位のものだろう。ラッカー・スプレイである。

 筆者は、ラッカー塗装はここ40年ほどしたことがなく、全く自信がなかった。エナメルは濃いめにして塗料を載せていく感じである。
 溶剤は即乾性のものを用いれば、あっという間に終わり、その後12時間ほど放置すれば、酸素と反応して固まる。失敗してもシンナーのスプレイを浴びせれば、1面だけ落とすことも不可能ではない。 

 エナメルに慣れている筆者にとっては、ラッカー塗装は冷汗を流しながらの作業である。
 缶をよく振って、全体に薄く掛ける。それを何回か繰り返した。奥まったところは注意して、入る角度から吹き付ける。決して近くからはやらなかった。遠くから吹き、生乾きになるまで待って、次の回の吹付けをする。意外と時間が掛かるものである。奥のホッパはリブが多くて入隅の奥まで塗料を入れるのは、なかなか大変だった。 いつもなら、細い筆で先に入隅だけ塗っておくのだ。こうすると塗料を大幅に節約できる。

 太陽熱で程々の温度になり、カブリもなく仕上がった。いつものエナメル塗装よりうまく行ったかもしれない。
 6輌塗ったら、かなり疲れてしまった。近所の人は、何をしているのだろう、と見ていた。黒いものなので、多分わからない。 

2022年04月03日

客車の連結器

 ブラス製の客車が発掘されたので、軽改造を施し、走行できるように整備中である。

coupler mount 連結器の取付け位置を、直さねばならない。オリジナルはケイディを採用して、車体の妻の部分に付けてある。ここは弱い。エッチングでリヴェットを出した t 0.5板を組合せただけの構造で、床も t 0.6であるから、弱い。エッチングされた板は焼きなましてあるので、くたくたである。

 衝撃があると曲がるはずだ。それは連結時の衝突でも起こる。10輌編成の質量は 12 kgを超える。それが 0.1m/s でぶつかっただけで、修復不能になるほど歪むおそれがある。転がりが良いので、衝突速度はさらに大きいこともある。 

extended frame それではどうすればよいか。床板は t 1.0 のブラス板で、焼きなましていないから十分に堅い。そこに、3x25 断面のブラスの平角棒を取り付ける。その延長上に連結器が来る。連結器の根本は台車の近くにある。台車ボルスタ部分は削って少し薄くしている。

 それなら、連結器の腕部分を支えるガイド枠をケイディの部分に付ければ良いではないかとも思うが、衝突時のショックで腕は上下に押される可能性がある。そうすると車端部はくしゃくしゃになってしまう。腕の通るガイド枠も、剛性のある骨に付けた連結器座と一体にする必要がある。この平角棒は、エポキシ接着剤を塗ってネジで締めると完全に一体となり、大きな剛性を示す。
 この種のことは、経験のない方にはお分かり戴けないだろうと思う。重いものがぶつかると一番弱いところが壊れる。連結器はボディ側に付けてはならないのだ。HOの車輌では、ボディ側についているものが大半だ。

 様々なメーカでOスケールの客車が作られているが、この連結器部分がまともなものは、見たことがない。

2022年04月01日

ライヴ・スティーム

livesteamlivesteamlivesteam この5インチのBタンク機関車を作るのには、10年ほど掛かったそうだ。素晴らしい出来である。水圧試験をしてある。
 ボイラのロウ付けを見ると、腕のほどがわかる。素晴らしい。ロッド類も、手が切れそうである。きちんと面が取ってあるから、手が切れることはないが、日本刀のような仕上がりである。 
 質量は60 kgくらいだろうか。大人2人で持ち上げられる。

livesteam 他に仕掛品としてD51の台枠がある。これも極めて美しい。よくぞ、このような仕上げをしたものだ。動輪は見当たらなかった。テンダの台車になりそうな、ベッテンドルフタイプの台車はあるが、乗用車用かも知れない。 
 ご興味のある方は連絡を戴きたい。連絡先をコメント本文に書くようにお願いする。<私信>として戴ければ、公開はしない。 

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